米国下院特別委員会がTemuとSheinの二社が毎日約60万個の荷物を米国に発送しているにも関わらず、去年輸出手数料を1ドルも払っていなかった事などを暴露

 

TEMUのウイグル強制労働禁止法の回避方法も詳細に説明

 

 

Photo Clem Onojeghuo

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この報告書は、最近ユニクロを凌ぐ勢いの中国ファストファッションブランドTemuの問題点や手口が非常に丸分かり易いので是非ご覧ください。

報告書を出したのは米国下院FAST FASHION AND THE UYGHUR GENOCIDE (ファストファッションとウイグルジェノサイド)特別委員会です。

この委員会は中国共産党(CCP)が齎す脅威からアメリカ国民、米国経済、価値観を守り、米国経済が中華人民共和国に打ち勝てる行動計画を策定する為に、第118議会の冒頭に設置されました。

今回の報告書ではTemuとSheinの両社が米国の輸入規則の抜け穴を活用し、ウイグル人強制労働防止法(UFLPA)違反の為の審査を免れていると判断されました。

マイク・ギャラガー下院議員(共和党、ウィスコンシン州選出)は「この結果は衝撃的だ! Temu社は、サプライチェーンを奴隷労働から守る為の努力を殆ど何もしていない。Temu社とShein社は、我々の輸入規則における最小限の抜け穴を利用して巨大ビジネスを展開し、輸入税を逃れ、アメリカ人に販売している何百万もの商品の精査を逃れている。

この抜け穴が悪用され、アメリカ企業が不利な土俵に立たされている事に我々は厳しい目を向ける必要がありますね。」とメディアに答えています。

TemuとSheinの両社は、「デ・ミニミス規定価値が800ドル.¥114.800位未満の貨物は「デミニミス」に分類され、通常の通関手続きが免除され免税される仕組み)に基づいて毎日米国に出荷される荷物の30%以上に関与している可能性が高い」事が判明したと報告書で発表されました。

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報告書はまた、Temu社は現在、ウイグル人強制労働防止法(UFLPA)を確実に遵守する為のいかなるシステムも持っておらず、そのビジネスモデルは、殆どすべてデミニミス規定に依存していると述べています。

その為、Temu社はウイグル人強制労働防止法(UFLPA)や、その他の強制労働禁止法の遵守責任を回避しているとされる。一方で、米国の消費者に商品を直接出荷する為に、何万もの中国のサプライヤーに依存しています。

Temu社は『米国に出荷される商品に関しての登録業者ではない』という建付けで、主に中国を拠点とする8万社の販売業者が、強制労働によって生産された商品を販売していない事を確認する責任は無い、と報告書は述べています。

平たく言えば、Temuが米国にファストファッションを輸出しているのではなく、中国の業者が勝手に送っているテイを取っている様です。Sheinも同じですね。

Temu社はまた、自社のビジネス慣行がウイグル人強制労働防止法に従っている事を確認する為の、コンプライアンス監査や報告も行っていない事が判明。

米国法に違反する強制労働によって生産された商品をアメリカ向けに出荷しない為に、Temu社が取っていると報告した唯一の措置は、サプライヤーが強制労働の使用を禁止する定型約款に同意する事のみ。

続けて報告書は、Temu社が委員会の質問に対し、「第三者販売業者が、新疆ウイグル自治区を原産地とする製品を販売する事をはっきりと禁止していない」事を「認めた」と発表しています。委員会は、この告白は "Temuのウイグル人強制労働防止法のコンプライアンスメカニズムの欠如に照らして特に懸念される "と述べています。

委員会の調査は現在進行中です。

 

委員会が今回の調査を開始した経緯。

2023年3月23日、特別委員会は、中国共産党が現在も続けているウイグル人およびその他の少数民族の大量虐殺に関する公聴会を開催。

委員会は、中国共産党の残虐行為(監禁、拷問、強姦、強制不妊手術、強制労働によるウイグル人の広範な搾取など)について、直接の目撃証言と専門家の報告を受けた。

公聴会の後、委員会は全会一致で委員会報告書を採択した。

委員会報告書では、中国共産党がウイグル人強制労働の搾取を含め、ウイグル人およびその他の少数民族に対する残虐行為を続けていることが明らかにされた。

専門家と証人は、小売アパレル業界および欧米や中国を拠点とする多くの企業のサプライチェーンにおける具体的な強制労働の懸念を指摘した。

そこで委員会は2023年5月2日、アメリカの消費者に提供する製品やその構成素材が強制労働によって生産されたものではない事を保証する為に、各企業が講じた措置について4社に情報提供を求めた。

これらの質問は、ナイキ、アディダス、Shein、Temuに対し、ウイグル強制労働防止法を遵守する為の取り組みについて調査する為に行われた。

更に委員会は、Temu社とShein社が1930年関税法第321条(輸入業者が800ドル未満の荷物にかかる関税を免除する為のルール・デミニミスルール)を利用している事についても質問した。

更に、小包の量が圧倒的に多く、実用的なデータが不足している為、2022年度は米国税関・国境警備局(CBP)はリスクを適切に判断する為のデータが不十分なまま、6億8500万件以上のデ・ミニミス貨物を通関させた。

この数週間で、4社すべてが我々の質問に対する回答と文書提出に応じた。

4社とも自主的に調査に協力しているが、その詳細さ、徹底さ、透明性はさまざまである。特別委員会は引き続き提出書類を検討し、追加提出を要求する予定である。

 

ここからはレポートの中身を見ていきます。

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調査はまだ継続中であるが、Temuがオンライン・マーケットプレイスにおける数万人の出品者のネットワークを通じて、毎年数百万件の貨物を米国に送っている事が判明した。

https://youtu.be/Q2aD8AIFmuU

Temuは数万人のオンラインマーケットプレイスの販売者ネットワークを通じて、毎年米国に送られる数百万件の出荷を担当しているが、ウイグル強制労働防止法の遵守を保証するシステムを持たない。

(意図的にこうした形態を取っていると思われ)この事はウイグル強制労働によって作られた製品を含むTemuの製品が、定期的に米国に入国される事が保証されているに等しい。

1. TemuとSheinの2社だけで、毎日米国に出荷される荷物の30%以上を扱っている可能性が高い。

デミニミス規定に基づいて毎日米国に発送される荷物の30%以上、もしくは、最大で全デミニミス貨物のほぼ半分を占めている可能性もある。

また、2022年度の状態を見ると、他のファストファッションブランドが輸出手数料を米国に収める中、TemuとSheinは米国への輸入手数料を、1ドルも支払っていなかった事が明らかになった。

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2.Temuのビジネスモデルは、デミニミス規定に依存し、ウイグル人強制労働防止法(UFLPA)の遵守責任を回避するものである。その一方で、何万もの中国のサプライヤーに依存し、商品を米国の消費者に直接出荷している。

3.Temu社はウイグル人強制労働防止法やその他の強制労働の禁止を遵守しているかどうかを確認する為の監査や報告を行っていない。

ウイグル人強制労働防止法を遵守していることを確認するコンプライアンスシステムはなく、Temuが報告した唯一の対策は強制労働の使用を禁止する定型約款に中国のサプライヤーが同意する事だった。

まるで意味がない。何故なら、

4. Temu社は「第三者である販売業者に対し、その原産地に基づいて商品を販売する事を明示的に禁止しない」事を認めているからです。

新疆ウイグル自治区で生産された製品を販売する事を明示的に禁止していない事を認めているという事です。

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Temuは中国の親会社Pinduoduoが運営する格安越境ECプラットフォームで、中国を拠点とし、ケイマン諸島に本社を置く人気eコマースサイトです。

Temuは2015年に設立された中国の親会社Pinduoduoから2022年9月に米国でサービスを開始。

Sheinと同様、同社のビジネスモデルは消費者への直接販売であり、米国に実店舗はないようだ。

その代わり、Temuはアメリカ人と中国に拠点を置く販売者との取引を促進している。

委員会に提出された文書によると、Temuのネットワークには80,000以上のサプライヤーが含まれている。

運営会社の拼多多(ピンドゥオドゥオ)はユーザーデータをごっそり盗む事で悪名高く、Googleストアからアプリが追放された企業。

そしてこちらのTemuは日本向けにサービスをまもなく開始予定です。

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Temuが米国で販売している製品が中国のウイグル地域での強制労働に関連している事が分析で判明しています。

SheinはZ世代消費者に安価なアパレルを販売する事で有名な中国のファストファッション小売業者。

2008年に設立されたSheinは、今や世界最大級のファッション小売業者となっています。

伝統的な実店舗に依存するのではなく、オンライン小売業者であるSheinは、多くの場合、中国のサプライヤー・ネットワークからアメリカの消費者に商品を直送しています。

Sheinは2019年に本社をシンガポールに移転していますが、TemuとSheinでアメリカの購入者に販売される商品は、事実上すべて中国からの消費者直送で届けられています。

SheinとTemuの消費者直送パッケージの大半が800ドル未満である為、デミニミスルールを利用してこれらのパッケージを出荷する事ができます。

デミニミス特例は、製品の公正小売価格が800ドルを超えない場合、その製品を無税で認める特例。

デミニミスは以前は200ドルを上限としていましたが、貿易円滑化・貿易執行法(TFTEA)の成立に伴い2016年に800ドルに引き上げられました。

バーレーンとカザフスタンを除けば、米国の最低輸入基準額は他国の2倍以上です。

小包の量が圧倒的に多く、実用的なデータがなく、作業量が多過ぎる為に、米国税関・国境警備局(CBP)は、麻薬、公共の安全を脅かす商品、偽造品、その他の禁制品を含む危険性の高い貨物を特定し、阻止する能力に限界があります。

この制度が悪用されている例として分かり易い事例は、偽造品の90パーセントは米国税関・国境警備局がデミニミスルールの荷物から押収したものである事です。

2022年度、米国税関・国境警備局は、リソースの問題で、リスクを適切に判断するには不十分なデータに頼らざるを得ない状態で、6億ものデミニミスルールに基づく貨物を通過させました。

米国税関・国境警備局は輸送業者から321条貨物の事前電子データを受け取っているが、商業税関業務諮問委員会によると、「送信されたデータは、貨物が国境を越える原因となっている事業者、最終受取人、または荷物の内容物を適切に特定できない事が多い」との事。

これらの理由から、デミニミスルール下の環境はSheinとTemuのビジネスモデルの基礎であり、各社のウイグル強制労働禁止法を回避出来ている原因です。

SheinとTemuの両社からアメリカの消費者に出荷される製品の大半がデミニミスの例外に該当するという事実は、両社が関税を回避し、各製品を競合他社より安価に提供できる事を意味し、他の競合業者と違い関税という正式なルートを通らないので不公平な状況になっている。

委員会の調査に対して両社から提供された情報によると、TemuとSheinは、デミニミスルールの下で毎日約60万個の荷物を米国に発送しています。

これは 年率に換算すると、毎年約2億1,000万個のTemuとSheinの荷物が輸入関税をかけられずに米国に送られている事になります。

2022年には6億8,500万個の貨物がデ・ミニマムルールの下で米国に輸入された事になります。この事は、Temu社とShein社の僅か2社による免税貨物が、全世界のデ・ミニミスルールの下で米国に輸入される貨物の30%以上に相当する事を意味するんですね。

とんでもない話ですよね。

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2021年には、米国へのデミニマス出荷の60%以上が中国からのものでした10 (図2)。

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各社の中国における主要サプライヤー・ネットワークに照らせば、TemuとSheinからの出荷だけで中国からのデミニミス出荷の半分近くを占める可能性がある事を示唆しています。図3

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米国税関・国境警備局(CBP)に荷物の中身に関する十分なデータを提供する事なく、TemuとSheinが毎年無税で米国に出荷する数百万個の荷物は、小売企業が支払う数百万ドルの輸入関税とは対照的です。

例えば、2022年、ギャップは7億ドル、H&Mは2億500万ドル、デイビッズ・ブライダルは1950万ドルの輸入関税をそれぞれ支払っています。

TemuとSheinは1ドルも支払っていませんでした。

更に、これらの企業や同様の企業の輸入にはより優れたデータが添付されており、CBPはより効果的に法律を執行できるようになりました。図4

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デミニミス規則は、最小限の価値の荷物の検査による米国税関職員の負担を軽減する事を目的としていました。僅か2社の中国企業によって日々米国に発送される小包の驚異的な量から、 SheinとTemuの両社のビジネスモデルに関する重要な洞察が得られます。

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主な発見2:Temuのビジネスモデルは、デミニミス規定に依存しており、ウイグル強制労働禁止法やその他の強制労働の禁止を遵守する責任を回避する一方で、何万もの中国のサプライヤーに依存し、商品を米国の消費者に直接出荷させている。

私達はTemu社に、同社が販売する商品がウイグル強制労働禁止法を遵守している事を確認する為に、どのような対策を講じているのか尋ねました。

Temuは「Temuは米国に出荷される商品に関して記録された輸入業者ではないため、ウイグル強制と[1930年関税法第307条]に規定された禁止事項は、オンラインプラットフォーム運営者としてのTemuの活動には直接適用されません。」と答えた。

Temuは、年間数千万個の荷物を米国に発送するオンラインプラットフォームを運営しているにも関わらずだ。

Temuによると、Temuに商品を出品しているサプライヤーは約8万社

更に、"実質的にすべての荷物がデミニミス規定に基づいて米国に発送されている "という。

先月の時点で、Temuのウェブサイトに掲載されている商品の内、800ドル以上の商品は一つもなかったという。

つまり、Temuに掲載されている商品はすべて、デミニミス規制の範囲内だったのだ。

ウイグル強制労働禁止法は、新疆ウイグル自治区(または中国の指定企業)で採掘、生産、または製造された商品の全部または一部を米国に輸入してはならないという規定を設けている。

この規定を覆すには、輸入者は明確かつ説得力のある証拠を示すいう責任を果たさなければならない。

ウイグル強制労働禁止法はまた、強制労働に関して新疆政府と協力している企業を特定し、その企業からの輸入を制限する企業リストを制定した。

ウイグル人強制労働禁止法は、アメリカの消費者がこうした中国共産党による継続的な虐待に加担しないようにする事を意図している。

Temuのウェブサイトを通じてアメリカに送られる膨大な出荷量に照らせば、Temuが強制労働によって生産された商品の輸入防止に関して意味のある措置をまるで講じていない事は、驚くべき事である。

簡単に言えば、Temuは "米国に出荷される商品に関して記録された輸入業者ではない "という理由で、80,000の主に中国に拠点を置く販売業者が強制労働によって生産された商品を販売していない事を保証する責任を否定しているのだ。

※中国アパレルの80%は強制労働をベースに生産される新疆綿を使用している。これを使ったファストファッションブランドは制裁を受ける事になるのですが、ユニクロは既に制裁を受けました。

https://youtu.be/rvK0-i8OoGk

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主な発見3:Temuはウイグル強制労働禁止法を遵守していると確認する為の監査を実施しておらず、遵守システムも報告しておらず、中国の誰かもわからないサプライヤーに責任を丸投げ。

Temu社は、米国法に違反する強制労働によって生産された商品を米国に出荷していない事を確認する為の唯一の対策として、サプライヤーが強制労働の使用を禁止する定型約款に同意していると報告した。

※因みにTemuはウイグル強制労働に関与してる可能性が高いだけでなく、児童奴隷労働に関与している疑いも出てきています。

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毎年何百万というアメリカ人の購入を促進しているにも関らず、Temu社は自社に登録している何万もの販売業者がウイグルの強制労働によって生産された製品を販売していない事を独自に確認する為のコンプライアンスや監査システムを報告していない。

Temuの現在のコンプライアンス計画は、中国に拠点を置くサードパーティの販売者にほぼ全面的に依存しており、その販売者は、適切な税関検査を促進するためのデータが不十分なまま、米国に出荷を行っている。

Temuが報告した、強制労働によって生産された商品を販売していない事を確認する為の唯一の対策は、同社のウェブサイトの「サードパーティ行動規範」に同意するよう販売者に求める事である。

新疆ウイグル自治区や労働者能力開発法(UFLPA)、その他の法律の規定については一切触れていない。

Temu社は約1180億ドル(約15兆9300億円)規模の企業であるにも関わらず、サプライヤーが行動規範を遵守しているかどうかを判断する為の監査やコンプライアンス・プログラムを有しておらず、また、中国に拠点を置く販売業者がUFLPAや米国法に基づくその他の禁止事項を実際に遵守しているかどうかを検証する為のプログラムも有していない。

独自の効果的なコンプライアンス対策がない為、Temuは「消費者、販売者、規制当局」などが自身で問い合わせねばならず、Temuプラットフォームの「ルール違反について苦情を申し立てる」ことができる、サイトの「報告システム」に頼っている。

当然の事ながら、"Temuは強制労働に関する苦情を受け取っていない"。このような苦情がない事は、強制労働にのみ依存するシステムの怪しげな性質を浮き彫りにしている。

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主な発見4:Temu社は「数万人の自社サプライヤーが新疆ウイグル自治区の原産地に基づいて商品を販売する事を明示的に禁止していない」事を認めた。

つまり、共産党によるウイグル人虐殺の舞台である新疆ウイグル自治区からの商品の販売を禁止するポリシーがない事をTemuは認めた

これはTemuのウイグル強制労働禁止法におけるコンプライアンス・メカニズムの欠如に照らして、特に懸念すべき事である。

実際、委員会が調査を開始した後、Temuのマーケットプレイスには2023年5月31日に入手した以下のスクリーンショットの商品が掲載されている事が分かりました。

この商品には「新疆コットンを使用した新しいハンドメイドニットコットンペンダント」と表示されており、Temuで販売されている(図5)。

新疆ウイグル自治区への言及は、素材、サプライヤー、パターン、または製品の原産地を指している可能性がある。

特別委員会の最近の公聴会で議論されたように、新疆の綿花産業は強制労働と本質的に結びついており、そのような綿花の米国への輸入は米国の法律で機能的に禁止されている。

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新疆ウイグル自治区が原産地であることを明示している製品の販売を禁止しないというテムの方針は、関連するトピックについて議会や世論の監視の目が向けられているにも関わらず、重大な疑問を投げかけています。

Shein、Temuの中国本土におけるサプライチェーン、関連するビジネス慣行を精査する努力はまだ進行中ですが、これらの初期および中間調査結果は、Temuが意味のあるコンプライアンス・プログラムに対する表面的な偽装さえ維持できていないことを明らかにしました。

そしてSheinとTemuがデ・ミニマスルールを利用している驚くべき真の規模が明らかとなりました。

これは強制労働によって製造された製品が、アメリカの輸入品を汚染し続けているという深刻な懸念を提起しています。

アメリカの消費者は、Temuのサプライチェーンが強制労働に汚染されている危険性が極めて高い事実を知るべきです。

そして、米国で事業を展開するすべての企業は、サプライチェーンを一掃し、強制労働で製造された商品の販売をする事によって、中国共産党によるウイグル人の大量虐殺に加担しているのではないか?と常に確認をする義務があります。

これに先立ち、米国の超党派議員団が主にSheinをターゲットにした関税免除を廃止する法案提出へ動いています。

現状では800ドル以下の輸入品が個人消費者に発送される場合、デミニミスルールにより関税が免除されますが、法案成立と同時に中国とロシアからの荷物には免除されなくなります。

日本や欧州などそれ以外の国には免税維持をする。この法案は議会に提出されました。

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TemuやSheinのような格安Eコマース・アプリの海外での成功に助けられ、中国の越境Eコマース市場が成長する中、一部の米国政府代表は、中国ファストファッションブランドにとって貴重な貿易免税措置であるデミニミスルールを撤廃するよう働きかけています。

超党派のこちらの法案は先週米国議会に提出されましたが、その目的は毎日何百万という低額の中国からの貨物が免税で入国できる「抜け道」を改正する事で、中国のeコマース部門によるインチキ貿易を取り締まり、ウイグル強制労働禁止法を守らせる事です。

もしこの法案が成立すればSheinやTemuのような、中国から出荷しているオンラインショッピングプラットフォームの収益に壊滅的な影響を与えるでしょう。

今まで見てきたように、特にTemuはこのルールを元にビジネスモデルを組み立て圧倒的な収益を出しているからです。倒産する可能性すらある。

米中貿易戦争の一環として、2019年から既存の関税に加え、幅広い中国からの輸入品に25%の追加関税が課される事になった。アナリストはもしTemuとSheinがこの関税を支払わなければならなくなれば、価格上昇を通じて米国の消費者に転嫁される可能性が高いと述べていますが、そうではありません。

TemuとSheinが今まで活用していた裏技が使えなくなり、本来の、正当な価格に戻るだけです。

中国に特化した市場調査会社Daxue Consultingのマーケティング・ディレクターであるアリソン・マルムステンによると、このルールが撤廃されれば、テムやシャイン、その他の中国の荷主がアマゾンのような米国の荷主からビジネスを奪うのに役立ってきた価格優位性が失われ、米中間のファストファッションの競争条件が公平になる可能性があるという。

「デミニマスはSheinとTemuが超競争的な低価格を維持するための重要な抜け道だった」と市場調査会社Daxue Consultingも指摘しています

現在のSheinとTemuの超低価格はこの2社の熾烈な価格競争の結果でもありますが、格安の価格設定は、両アプリの人気上昇と発売以来の世界的な拡大に貢献してきました。

Temuは現在、アップルのアプリストアで米国トップのダウンロード数を記録しています。

TemuとSheinの海外での最近の成功は目覚ましく、2022年には輸出入が初めて2兆元(2,806億米ドル・40兆円以上)を超え、2021年比で7.1%の増加を記録すると、中国国営メディアの新華社が先週報じました。

2022年の中国の越境ECの輸出先の内、米国が市場の3分の1以上を占めるとも。

しかし、そのSheinとTemuの力の源泉は米国のデミニミスルールと言う抜け穴を使った極めてあやふやな物でした。これを止める時が来ました。

日本のファストファッションブランドにはチャンスかもしれません。