
トランプがカナダ・メキシコへの関税を1ヶ月延期した事でビットコインは昨夜上昇。テクニカル的には15分足レベル(短期の値動き)で20日移動平均線が50.100.200日移動平均線を上抜けました。
併せて3日の高値から出来ていた下げのレジスタンスを上抜けそうです。

日足の値動きを200DMAで見てみましょう。
※200DMA:長期的なトレンドを把握するために使用されることが多いです。ノイズを排除し、全体的なトレンドを確認することに適しています。
普段お見せしている200EMAは短期的なトレンドや反転リバウンドを踏まえており、より敏感な指標として使われます。
200EMAは200DMAよりも価格に近い位置にプロットされることが多く、特に価格が大幅に変動している場合は価格に重点を置いています。どちらを使うかは、トレーダーの戦略や分析の目的によります。長期的な視点を重視する場合は200DMA、短期的な変化に敏感でいたい場合は200EMAを選ぶことが一般的です。
ビットコイン4時間足と200DMA

最近の急落を200DMAが跳ね返しているのが分かりますね。

2021年の上昇相場が終わった時は200DMAを下抜けた後、再度上抜ける事が出来ずそのまま15000ドルまで下落しています。
・少し気になるのは、ビットコイン値動きの先行指標である世界的な流動性(グローバルM2)の影響は遅れてビットコイン価格に影響を及ぼしますが、若干のまだ下げ幅がM2とビットコインの間にはある様に見えます。ビットコインが最高値近くまで戻る前に、もう少し下落する可能性があるかもしれません。

・昨夜の米国指標では ADPが労働市場の悪化(サービス部門雇用者数の減少)を示唆する一方で、ISMサービス部門は雇用が好調であると発表するなど、混乱を招くマクロデータが続々と発表されました。

ADP雇用統計(赤)
ADPは米国の独立部門の雇用データを公表する企業です。同社の統計データでは特にサービス部門において雇用者数の減少が示され、労働市場の動向を指摘しています。これは経済活動の減速や消費需要の意思を示唆する可能性があります。
ISM非製造業雇用指数(緑)
ISM非製造業(サービス部門)に関する報告では、雇用が好調であると判断されています。この指数は、企業の見極め状況や雇用拡大を反映するため、異なる見解を示していることになります。
マーケットはこのデータよりトランプのカナダ・メキシコ関税延期を重要視しました。
1 月の工場受注と耐久財受注は好調な数字が並びました (関税の前倒しの可能性?)。住宅ローン申請は急増しました (金利の一時的な低下による)。しかし、全体的には、ゴールドマン サックスが指摘しているように、米国の成長期待は最近劇的に低下しています...
それでも関税が話題の中心で、ルトニック商務長官が自動車関税の1か月延期を認めると、S&P500は上昇しました。
S&P500⇩

S&P500日足×200DMA⇩

こちらも200DMAに接触して反発しています。
ちなみにナスダック日足×200DMAも同じような状態です。

この状況についてのゴールドマンサックスのアナリストの説明
・特に週末に発表されるニュースや雇用統計の結果によっては再度下落する可能性があるので、市場が上昇する事を確信するにはまだ早いです。
・テクノロジー株の状況が改善の兆し、テクノロジー、メディア、通信(TMT)分野への投資ポジションは改善されているようです。
・株価が魅力的になってきている:株価は以前よりも割安になっており、特に今年の後半に業績が回復すると考えれば、投資のチャンスかもしれません。
・テクニカルも改善:テクニカル分析の面でもナスダック100指数と200日移動平均線の様子などを見ると、回復の兆しが見られます(上でお見せしたものです)。また、投資家の資金がテクノロジー株から金融株へシフトしており、来週からは季節限定もプラスに働く可能性があります。
ゴールドマンサックのアナリストは市場全体としてはまだ不透明な部分があるものの、テクノロジー株に関しては、ポートレートの割安感、テクニカルの改善、投資家心理の好転など、ポジティブな要素が増えてきていると指摘していました。
・日経先物日足×200DMA

・金は再び2900ドルを超えて上昇。

・原油価格は暴落し、WTIは2023年5月以来の最安値で取引されています。

最近、ウクライナ情勢をめぐりドイツが戦後最大規模の財政体制転換計画を発表しましたが、ドイツの財政赤字と債務は既に爆発寸前です。これについては別で詳しく報告しますが、大丈夫なんでしょうか・・・。