ドイツはやはり信用できない

 

ショルツ首相は、11月上旬にドイツの経済代表団を率いて中国を訪問することを発表し、中国ドイツの経済関係を強化したい

 

 

Photo Christian Lue

· EuropeNews

EU首脳が欧州全体に対して中国共産党に経済的に依存している事がいかに危険か呼び掛けた直後の発表となります。

このショルツ首相の中国に対する姿勢は最近ドイツで物議をかもしています。EU首脳はこの行為でショルツ首相を非難しています。

ドイツ国民が経済の中国依存からの脱却を望んでいる矢先に、首相は専門家の助言を無視して中国国営企業によるハンブルク港の株式取得も許可してしまった。

この為ドイツは、ロシアにエネルギーを依存し国家存続の危機に陥った過ちを繰り返すのではないかと懸念されています。

何故、いつでも暴発する可能性のある独裁国家に依存するのか・・・・

正直理解に苦しみますが、わが国の政府も似たようなものですね・・・・

ただし、ドイツが日本と違うのは国民の意識です。

ロシアがウクライナ侵略を始めるまでドイツはロシアにエネルギーを依存しきっていました。

今でもまだ依存していますが、今後ロシアへのエネルギー依存から脱却する為にはドイツの一般家庭がより高い電気代、暖房代、食料品代を支払わなければならなくなるだけでなく、経済に大きな打撃を受ける事になります。

しかし、ドイツ国民はロシアに対して引き下がらない模様。

公共放送局である、第2ドイツテレビ(ZDF)の世論調査によるとドイツでは約4分の3の人がウクライナを助けるためなら物価が上がっても構わないと答えています。

ウクライナ戦争を理由にロシアに課された経済制裁をさらに強化することに賛成する人が大多数(77%)となり、措置強化に反対しているのは18%だけで、その大半はAfD支持者だったとの事。

ロシアからのガスや石油の禁輸については。28%の回答者が「それがドイツの供給問題につながるとしても、ドイツがロシアのエネルギー供給源の輸入を直ちに停止すること」に賛成。回答者の大半(54%)は供給源のほとんどが他で確保された場合にのみ、輸入を停止することに賛成。14%は、ドイツがロシアからガスと石油を買い続けることを望んでいると答えています。

また、ZDFが最近行った世論調査によると、ドイツ国民の84%が独裁国家(ロシア)への依存から別の独裁国家(中国)への依存に変わることを警戒しており、ドイツが中国との経済的つながりを減らすことを望んでいる様です。

 

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それでもショルツ首相は中国から現金が欲しいのか、北京と癒着する事を望んでいる様です。

ショルツ氏は、シーメンスやフォルクスワーゲンといったドイツの大企業のCEOの影響を受けているのかもしれません。

フォルクスワーゲンは全売上高の40%以上を中国に依存しています。

同社はウイグル人が定期的に強制労働キャンプに拘束され、拷問を受け、強制不妊手術まで受けている新疆ウイグル自治区の中心部で工場まで運営している企業です。

ショルツ首相は日本の林外務大臣レベルですが、ベアボック外相はドイツ主要企業が中国共産党の支配する単一市場に依存することは危険だ、とマトモな意見を述べており彼女に状況を打開してもらいたい所です。

ベアボック外相は「楽観的な中国への完全な経済的依存は、私たちを政治的恐喝に晒すだけだ」と大企業や首相を厳しく批判しています。

ショルツ首相は最近他にもとんでもない事をやらかしました。

中国の国有海運大手COSCOにハンブルグ港の株式を取得することを許可したのです。

COSCOは人民解放軍と連携し、有事の際は海の兵站をRORO船等でカバーすると期待されている半軍事企業です。

そんな会社にドイツ最大の港湾の一つハンブルク港を売るとは、スリランカレベルの愚かな行為です。

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この様なショルツ首相の振る舞いに対して、ドイツ情報局(BND)局長は先週、国家資金に支えられた中国企業が西側のパートナーから貿易・技術秘密を盗んでいることが知られているから気を付けるようにと釘を刺しています。

ドイツ情報局局長は、ドイツ情報局の年次総会で「中国の考えを強制する為に経済的な脅迫が使われる可能性がある、という事実に備えなければならない。ドイツと中国の間に政治的見解の相違がある場合、経済を使った脅迫が使われるでしょう。」とも述べています。

これだけ身内から具体的な指摘を受けているにも関わらず、更なる経済協力を求める彼らは中国共産党に本当に何か握られているのではないかと疑うレベルです。

この重要な時期に対中政策で足並みを乱すのはとにかく止めて頂きたい。