年末までに保有資産のバランス調整をする必要がある大口口座や年金基金などがポジション調整を行っている為に、相場が全体的に一時的に下落しています。
米国株・仮想通貨共に下落しており、来週30日、31日もこの傾向が続きがちだと見られています。
バージニア州の資産管理会社、チェース・インベストメント・カウンセルは「この下落は年末の出来事です。今年はマーケットに参加した人々はかなり良い一年を過ごした。そうした人々が利益を得ようとする事によって引き起こされる典型的な年末の売り圧力であり、今は多くの買い手と多くのボリュームはありません。今週は税金対策が人々の関心事であり、月曜日と火曜日もそうなるでしょう。」
パランティア 、テスラ 、エヌビディア など、今年最高のパフォーマンスを記録したS&P500銘柄は金曜日に急落しました。
S&P500先物の様子⇩(コード名はES1!です)
株安にも関わらず、今週は市場が反応するような大きなニュースはありませんでした。 殆どのトレーダーが休暇をとっている為、少ない売買が株価指数に劇的な影響を与えているとCNNは指摘しています。
S&P500先物週足⇩
取引量が少ないという事は、ボラティリティが高いという事でもあり、マーケットに残っているトレーダーが最近得た利益をポケットに詰め込む事を選択した為、下落環境が生まれたと。
※ただし、これは年末の数日レベルの話です。
過去の値動きはどうだったか見てみましょう。日経も米国株の動きに追随しますので気になる所ですよね。
2019年12月27日から2020年1月17日の値動き⇩
年末から売られ、年始から乱高下をした後に急騰しています。(この後中国のコロナ騒ぎが発生しますが)
2020年12月29日から2021年1月9日の値動き⇩
ここでも年末若干下げてから年始にドンと下げて急騰しています。1月10日を過ぎるころには落ち着いていますね。
2021年12月31日から2022年1月25日の値動き⇩
2022年年始は危険な動きをしています。年末年始はほぼ動きは見られませんでしたが、1月5日位から急落。そのままロシアのウクライナ侵略によるエネルギーインフレが加速し株価も悪化しがちでした。
2023年12月29日から2024年2月1日の値動き⇩
去年も年の瀬から下げはじめ、年始から上昇していました。2022年は例外ですが、こうしてみると年末年始にかけて一度急落してくるパターンが多い事が分かりますね。ただし、多くの場合が年始の上昇とセットなので慌てない事が重要です。
価格が落ち着いてくるのが1月中旬。
現在のチャート⇩
年末から年始にかけてのこうした下落はポジション調整と税金対策なので、年始に期待値が高い銘柄に資金が再び流入すると思われます。
それは「1月効果」と呼ばれていて、機関投資家などが年末年始のリスクオフで絞ったポジションを、新年のスタートで改めて買いから入る「新年効果」が年始に相場が上昇する一つの原因とされています。
これだけ円安が進んでいますので、2022年前半位からドル建てでエントリーしている方は為替分儲かっていますね。2022年1月は115円程度だったドル円は現在157円です。27%程度円安になっていますので、エントリー価格から100万円分上がっていたとしたら、127万円程度の利益となります。
次はビットコインが年末年始にどの様な値動きをしてきたのか見てみましょう。
2020年12月29日から2021年2月10日の値動き⇩
2020年年末に少し下げた後に激しく急騰急落を繰り返しています。今年もこれをやられるとイヤですねぇ。その後2月から上昇トレンドに入り、一気に上げていっています。
2021年12月28日から2022年1月24日の値動き⇩
下降トレンド真っ最中の年末年始となったこの時期はひたすら急落を続けています。
2023年12月28日から2024年3月14日の様子⇩
去年の年末も少し下げた後、年始に上下を繰り返してから反落。2月に入るまでさえない値動きでした。しかし、2月7日当たりからブラックロックのビットコインETFを中心に米国のビットコインETFに資金が急激に流入。ビットコインは目覚ましい上昇を始め、3月14日には7万4000ドルへと迫りました。
年始に向けて一度ビットコインも下げる可能性が高いですが、一月後半(トランプ大統領就任1/20)から再度急騰を例年の様に見せてくれる可能性が高いと思われます。
現在の様子⇩
とこの様な感じですので年末年始は慌てて動かず、しっかりと年始の様子を見てからの行動が良いと思われます。