レアアースの中国依存を解消する為に日本は、 2024年からサンゴ環礁である南鳥島沖の深海から電気自動車製造などに必要不可欠なレアアース採掘に着手します。
来年から抽出技術の開発に着手する予定で、24年に試掘開始。
中国では鉱山などで採掘できるのに対し、深海の底からの採掘はコストをどこまで下げられるかが課題になるとの事。
レアアースは少量を添加するだけで耐熱性や強度を高めるなど製品の性能を向上させる事ができ、「産業のビタミン」と呼ばれています。
2021年時点の世界のレアアース生産量の国別分布
現在は中国はレアアース生産を支配しており、各国が依存しています。
しかし、東京大学は南鳥島沖に世界需要の数百年分のレアアースが眠っていると調査し発表しており、ここからの採掘に成功すればレアアース中国支配は崩れる可能性があります。
⇧東京大学の調査は南鳥島のこのエリアで行われたとの事。
東京大学による南鳥島のレアアース埋蔵量の見積もりでは1600万トン以上のレアアースが埋蔵されており、医療用レーザーなどに使うイットリウムが世界生産量の780年分、電気自動車のモーターに使うジスプロシウムは730年分、次世代記録素子の材料となるユウロピウムは620年分、プリンターの印字ヘッドに必要なテルビウムは420年分があるとされています。
これらのレアアースを半無限に世界中に供給できる可能性があると言う内容なのですが、ワクワクする話ですねぇ。
また、南鳥島沖に埋蔵されているレアアースは、レアアース17種の中でも特に重要なジスプロシウム、テルビウム、ユウロピウム、イットリウム、ネオジムを加えた5元素が、南鳥島沖のレアアース泥に、高濃度に含有している模様。
それだけでは無く、南鳥島に埋蔵されているレアアースは中国が現在採掘しているレアアースと比べ濃度が段違いに濃い様で、中国が採掘しているレアアース濃度は300ppm程度ですが、南鳥島沖の濃度は6,600ppmのところもあり、中国産の20倍という圧倒的な高濃度とも。
採掘はこの様な方法で行われる様子⇩
東京大学は「近年、中国が南鳥島EEZに隣接した海域でマンガンノジュールとコバルトリッチクラストの鉱区を相次いで取得し、日本の目と鼻の先でレアアース泥についてもその調査を精力的に実施しており、レアアース市場における自国の優位性の更なる強化を狙っていると警告しています。
今、我が国が中国に先んじて国産レアアース資源を開発し、資源安全保障を確立できなければ、日本のEEZ近傍で生産されたレアアースを中国から買うという悪夢のような未来が訪れるかも知れませんと指摘しており、なので今回政府が本格的に南鳥島でのレアアース採掘を始める時期まで決めて脱中国に乗り出したのは非常に素晴らしい事です。
中国、レアアースの対日輸出を禁止
中国共産党は2010年に尖閣諸島を巡り、日本にレアアース輸出規制をした事がありますが、最近もレアアースの輸出を制限する事で米国の防衛産業に打撃を与えられるかどうかを検討しています。
この様な愚行を再び行わせない為にも、この日本政府によるレアアース開発は今後もシッカリと応援していきましょう。
欧州も天然ガスをロシアに依存する事で、天然資源をタテにした恐喝に対して脆弱になり、今回のような有事の際にとんでもない危機に陥る事を身を持って痛感している様ですからね。
その為、次はわが国が別の独裁国家中国によるレアアースのサプライチェーンをめぐる恐喝に晒されると警戒しています。
日本が南鳥島のレアアースを米国、欧州に輸出する事で、こうした脅威から解放してあげられる事になり、日本自体も莫大な利益を得る事が出来るのです。