ロシア政府が択捉島「острове Итуруп」にリゾートホテルを建築すると計画

2022.9.17

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⇧択捉島にリゾートホテルを建築予定のGreen Flowのリゾートホテル https://greenflow.ru/

以前からお伝えしているロシアによる北方領土開発計画ですが、最近具体的な動きがありましたのでおしらせします。

大統領令による特別優遇措置と手つかずの自然が、クリル諸島(ロシア側の北方領土を含む島々の呼び方です)への投資家の大きな関心を呼んでおり、2022年年内に15人の投資家をクリル諸島に誘致する計画が発表されました。

注目すべきは「острове Итуруп」にロシアホテルチェーンのGreen Flowがリゾートホテルを構築すると計画が発表されていますが、「острове Итуруп」は日本語で言うと択捉島です。

択捉島にリゾート施設や経済特区を作り、そこに来る観光客の宿泊施設となる予定の様です。

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特別優遇措置の創設からわずか半年で、9人の投資家がクリル諸島に進出し、そのほとんどが、観光事業を立ち上げるとの事。

極東・北極圏開発公社の社長は、プーチン大統領が新たに設けた税制が、クリル諸島(北方領土)で新しいプロジェクトを実施する上で、現在最も適したもので、企業と国家政策の相乗効果により複雑な物流やインフラなどがスムーズに整備出来ると喜んでいます。

「私たちはかなり真剣な目標を掲げており、年内に15件、2023年末までに35件の新規プロジェクトがそこで実施される予定です。」と発言しており、2023末までに各観光プロジェクトを始動するとしています。

極東・北極圏開発公社の社長ニコライ氏は、東方経済フォーラム2022の特別セッションにて「ユニークなクリル:投資機会」というスピーチを行い「主に観光プロジェクトが動いている」と述べました。

クリル諸島(北方領土)について語るために招かれた人々の中には、役人だけでなく、国の開発機関関係者や投資家、
ブロガーがおり、ユニークな映像プロジェクト、サーフィンに焦点を当てたセッションが行われました。

北方領土初のサーフィンスクールを立ち上げるイリーナ・ルディカ氏によると、海水温が比較的低く、プロジェクトが始まったばかりにもかかわらず、すでに30人以上の住民がこの活動に熱心で、観光客としてサーフィンに来たいという人が飛躍的に増えているとのことです。

択捉島に今後数年間でホテルを作る予定のグリーンフロー社はブリヤート共和国のバイカル島やカムチャッカ、ユジノサハリンスクでのホテルプロジェクトを行っている企業です。

グリーンフロー社のディレクターは択捉島のリゾートホテルについて、「ここは非常に有望な地域で、現在、120室、5,000平方メートルの敷地に1,200平方メートルの地熱発電所を持つホテルを検討しており、ホテルに滞在するお客様とクリル諸島に来るすべての観光客が利用できるようにする予定です」と述べています。
https://www.eastrussia.ru/material/15-investorov-planiruyut-privlech-do-kontsa-goda-na-kurily/

ロシア連邦観光庁 (Rostourism)エレナ・リセンコワ副代表はクリル諸島であらゆる側面から持続可能な観光を開発すると述べており、観光庁とVEB(ロシア国営開発公社)は、2022年末までに極東における観光開発のマスタープランを完成させる予定です。

ロシア連邦観光庁は現在ウラジオストクから千島列島へのクルーズの開始を検討しています。

特に、将来の観光客の流れのモデル化、それを支えるインフラの開発について規定が急がれており、連邦観光庁によると極東地域の重要な課題の1つは、クルーズ船の開発、船隊の建設・購入、沿岸の係留インフラの整備であるとのことだ。

ロシアの有名な実業家セルゲイ・バチンによる「択捉島リゾート」プロジェクトの中心はクルーズ観光です。

択捉島リゾートは既に建設が着手されており、リアノーボスチも報道しています。完成予定はこのような状態になるそうです⇩

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ロシア国営メディア、リアノーボスチによると、択捉島は独特の自然美を持ちながらも、なかなか訪れることのできない離島でしたが今後は観光客にとって身近な存在となる。

クリルスク市から32kmのところにスキー場が建設され、プロジェクトの発起人によれば、地元の雇用問題も完全に解決されるという。

山岳リゾート「択捉リゾート」の敷地内には、大規模なスキー場のほか、温泉、間欠泉渓谷、、火山熱水ラグーン、釣りやサーフィンのエリア、ゴルフコースなどの観光インフラが整備される予定である。

また、最寄りの町クリルスクは島内唯一の町であり、快適な観光のための多様で質の高い宿泊施設を提供できないため、700室規模のホテルを建設する予定です。☜こちらが先ほどの話。このようなインフラを維持するには、島の人口の6分の1のスタッフが必要だと主催者は言っている。

サハリン州の投資政策担当大臣は「世界のパンデミック後の状況は、旅客船、クルーズ船、貨物旅客船が大幅に放出されるような状況なので、クリル諸島への特別特恵制度を活用して輸入手続きを簡素化してビジネスを活性化させ、ついでに外国人労働者の使用も認めよう。

現在、サハリン州政府と極東・北極圏開発公社は、インド、インドネシア、アラブ首長国連邦で、この地域の主要投資プロジェクトを紹介する一連の海外プロモーションの開催に取り組んでいるところです。」と述べておりやる気満々です。

この様にロシアは択捉島を完全に我が物顔で扱い始めています。

言うまでもありませんが、択捉島はロシアが不法占拠している日本固有の領土です。

この様な行動を許すべきではありませんし、関与しているインド、インドネシア、アラブ首長国連邦などにも大々的に抗議すべきです。

こんな事をしないのであれば主権を放棄したに等しい。行政は仕事をしてください。

日本外務省より⇩

1855年、日本とロシアとの間で全く平和的、友好的な形で調印された日魯通好条約(下田条約)は、当時自然に成立していた択捉島とウルップ島の間の国境をそのまま確認するものでした。それ以降も、北方四島が外国の領土となったことはありません。

しかし、第二次大戦末期の1945年8月9日、ソ連は、当時まだ有効であった日ソ中立条約に違反して対日参戦し、日本がポツダム宣言を受諾した後の同年8月28日から9月5日までの間に北方四島のすべてを占領しました。

当時四島にはソ連人は一人もおらず、日本人は四島全体で約1万7千人が住んでいましたが、ソ連は1946年に四島を一方的に自国領に「編入」し、1948年までに全ての日本人を強制退去させました。それ以降、今日に至るまでソ連、ロシアによる不法占拠が続いています。

我が国固有の領土である北方領土に対するロシアによる不法占拠が続いている状況の中で、第三国の民間人が当該地域で経済活動を行うことを含め、北方領土においてあたかもロシア側の「管轄権」に服したかのごとき行為を行うこと、または、あたかも北方領土に対するロシアの「管轄権」を前提としたかのごとき行為を行うこと等は、北方領土問題に対する我が国の立場と相容れず、容認できません。