在フィリピン日本大使館は最近円安の影響でフィリピン人旅行者が急増しているので、フィリピン人旅行者の観光ビザ発給枠を厳格化したと報道がありました。
フィリピン人観光客は通常、認可された代理店を通して日本ビザを申請しており、マニラの旅行代理店関係者によれば、在フィリピン日本大使館はビザ申請の1日あたりの上限を約50%削減する意向を示しているそうです。
この変更により代理店の店前は営業時間前に長蛇の列ができ、午前中にはすべての枠が埋まってしまうこともしばしば。申請を中断したり、予約制に切り替えたりした店もあるそうです。
日本政府観光局によると、2024年に日本を訪れたフィリピン人旅行者は推計81万8700人で、前年比31.6%増、2年連続で過去最高を記録しています。
どのメディアでも「日本政府はフィリピン人の日本への旅行に対する需要の急増を受けて観光ビザの発給枠を制限していて、その為にビザ申請機関が長い待ち行列と処理の遅れに直面、早めの申請を促している。」と報道しています。
要はオーバーツーリズム対策が名目の様です。
一方岩屋外相は、勝手に中国人観光ビザ緩和をするなと自民党内からも非難されているにも関わらず、一方的に中国人観光ビザ緩和を進めると発言しています。
岩屋は去年のクリスマスに中国を緊急訪問し、首相の李強や王毅外相と会談した際に「訪日中国人に対するビザ措置を4つの面で緩和し、日中関係の安定と回復を促進するために、あらゆるレベル、あらゆる分野における中日の文化交流を強化し拡大する。」と約束しています。
岩屋がこの約束をしたのは李強や王毅に説得された事と、二階から続く親中派の方針が中国人を出来るだけ多く日本に呼び入れ浸透させる事だからです。
クリスマスの会談で李強は岩屋に対し「世界発展の不安定性と不確実性が高まっている現在、中日両国は経済貿易関係を拡大し、互恵協力を深め、両国の企業と国民により良い利益をもたらすべきだ。国家間の関係は人と人の結びつきに依存しているので、中日は人的・文化的交流をさらに強化し、友好の基盤を強固にする必要がある。」と話しています。
この直後、岩屋は中国人観光客へのビザ緩和を中国滞在中に発表しています。
①有効期間10年の新たな観光ビザの創設。
②中国人の団体観光ビザの滞在日数を15日から30日に延長。
③65歳以上の中国国民はビザ申請時に就労証明書の提出を不要に。
④3年間有効の個人観光ビザについて、発給後3か月以内の入国要件を解除。
中国政府と勝手に約束したので、今強行に中国人観光ビザ緩和を進めていると思われます。
オーバーツーリズムでフィリピンからの観光客を規制するのであれば、2023年比でフィリピン観光客の6倍の勢いで増えている中国人観光客数を規制するべきです。
この表は2024年12月時点での訪日観光客数の前年比に対する伸び率です。中国とフィリピンを比べて見れば一目瞭然に中国人観光客が増えているのが分かります。
石破政権は円安の影響でフィリピン人旅行者が急増している事を理由にフィリピン人旅行者の観光ビザ発給枠を厳格化したのだから、当然中国人観光客への観光ビザ発給枠も厳格化すべきです。
中国人観光客への観光ビザ発給枠厳格化をすべき理由は他にもあります。
フィリピン外務省は去年、中国人の不法入国と在留期限を越えた滞在を防ぐため、査証(ビザ)発給手続きを厳格化しました。
フィリピン外務省が中国人観光客の観光ビザ厳格化を行ったのは、中国人観光客の流入が増えるにつれて中国人犯罪者が重大犯罪を引き起こす事例が増えているからです。
中国人観光客増加は、不法滞在をする中国人や詐欺事件の増加につながり、フィリピン入国後に公共の負担(public charge)になる可能性が高い為に規制を強化したとの事です。
こうした情報は日本のテレビや政治家の口から語られる事はありませんので、我々が目を光らせておくしかありません。