インドネシアの通貨ルピアが、アジア通貨危機以来の最低水準にまで安くなっています

インドネシア中央銀行は必死に為替介入中

Photo Farhan Abas

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2025年3月25日時点でインドネシア通貨ルピア(IDR)が1998年の経済危機以来の最安値を記録。

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この状況の背景には、アメリカの関税政策や世界的な貿易摩擦、それに伴う投資家の不安感があると説明されています。以下、主なポイントす。

ルピアの下落

  • ルピアは1ドルあたりRp 16,611.5まで下落し、アジア通貨危機時の水準に近づいています。(コロナパンデミック発生時もこの水準までルピア安になりました)この下落は1998年のアジア通貨危機と類似しているとされていますが、現在のインドネシアは当時より経済基盤が強固で政治も安定していると指摘されています。

影響要因

  • アメリカのトランプ政権下での自動車関税導入を含む保護主義的な貿易政策による影響。
  • 米ドルの強さ(ドルインデックスが上昇)。
  • 国内経済成長の鈍化への懸念(GDP成長率が4.9%に下方修正)。
  • 国内株式市場に対する投資家の信頼感もルピアに圧力をかけていて、マーケットは国内経済の成長に悲観的であり、それがインドネシア株安に反映されていると指摘。

政策対応:

  • インドネシア中央銀行は為替介入や外国為替ヘッジ商品(DNDF)の導入などで市場のボラティリティを緩和しようとしていますが、しかしこうした措置にも関わらず、ルピア安は油断ならない水域にあります。
  • 国内要因としてプラボウォ政権による財政政策への批判があります。教育や公共事業の予算削減が行われ、その分が電力補助金や子供への無料給食といった優先プログラムに充てられているものの、財政赤字(31.2兆ルピア)が続き、株安や通貨安に繋がっていると思われている様子。
  • 労働集約型産業での解雇が相次ぎ、国内消費が低迷している事も経済成長に悪影響を及ぼしています。

国際情勢

  • 米国の新たな関税措置が主要なリスク要因と見られています。特に対米貿易赤字の大きい国々が標的となる可能性が高いとされ、インドネシアもターゲットになるのではないかと危険視されています。

円に対しては・・・ルピア高です。(ドルに対してはルピア安、しかし円は弱いので円に対してはルピア高)

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