日本時間の昨夜23:00に米国消費者心理指数発表が行われ、内容がインフレ率上昇というバッドニュースだったのでビットコインにすぐにショートが入り、よろしくない落ち方をしました。
米指標が悪さをして急騰急落する事がありますが、こうした原因を把握していると相場の急変の理由が分かるので過剰に恐れる必要がありません。
金曜日の朝10時前(NYタイム)にミシガン大学による5月の消費者心理指数が発表され、マーケットの予想に反して4月からかなり悪化してる事が判明、インフレ率も悪化していました。
FRBは金利を引き下げる前に、「インフレ率が持続的に目標の2%に戻っているさらなる確信が必要だ」と繰り返していますので、この発表でインフレ率上昇が明らかになり、利下げが遠のいたと判断したビットコイントレーダーはビットコインショートを一斉にしてきた様です。
63000ドル付近から60200ドルまで2800ドルも急落しています。23時から下げはじめ午前3時まで下げが継続。
ミシガン大学の消費者心理指数と聞いても日本人には馴染みが薄いので、これでこんなに落ちるか?と感じますが、タイミング的にこれが悪さしてたと見て間違いないかと思います。
下げ止まったのは今回の下落が始まった3/15を起点とした以下のトレンドラインです。
※このラインはかなり強いので覚えておく便利です。
このラインが機能した場所に黄色い丸をつけました。
昨日の下げ止まりを拡大します⇩
ピタッとここで売りを止めてますね。話をミシガン消費者心理指数に戻します。
ミシガン大学消費者心理指数とは?
日本人には馴染みのないこの「ミシガン大学消費者心理指数」とは、米国の消費者が自身の財務状況の見通しをどのように見ているか、短期的な一般経済の見通しをどのように見ているか、長期的な経済の見通しについてどのように見ているかという 3 つの傾向を表します。各月次調査には約50の質問が含まれており、それぞれが消費者の態度や期待のさまざまな側面を追跡しています。調査のサンプルはアラスカとハワイの世帯を除く米国の全世帯を代表するように統計的に設計されています。
ミシガン大学消費者心理指数は 5月は4月の77.2ポイントから67.4ポイントと6カ月ぶりの低水準に低下し、市場予想の76ポイントも下回ったと発表しました。さらに、今後1年のインフレ率見通しは3.5%に上昇し、過去6カ月ぶりの高水準となりました。
今後5年間のインフレ率見通しは3.0%から3.1%と6カ月ぶりの高水準となりました。消費者はインフレ、失業率、金利が今後1年で好ましくない方向に進む可能性があると懸念を持っている事が分かりました。
これだけ聞かされてもそこまでピンときませんよね。しかしマーケットがこれ程反応したのは下落率がハードだったのと、今年に入り安定していた消費者心理指数が急速に悪化し、インフレ率上昇への懸念が加速したからだと思います。
こうしてグラフで数値の推移を見るとそのインパクトは一目瞭然ですよね。
ここで注目したいのが、このニュースを受けて仮想通貨マーケットは急落したのにもかかわらず、米株価にはほとんど影響が無かった事です。
S&P500のミシガン消費者心理指数発表後の値動き⇩(15分足)
ほぼ影響ないですね。
インフレ率上昇につながる発表だったので利下げが遠のき、円安になりがちなニュースでしたがドル円も無風。
ドル円15分足⇩
ここから考えらえるのは、ビットコイン価格の指標への過剰反応です。来週の米国株などの値動きを見ていかないとあまり断定できませんが、ビットコイントレーダーはこうした指標に過剰に反応し過ぎているのではないかと感じます。
ビットコイン板の様子
ビッドコインは今回のミシガン消費者心理指数発表前迄は、64000ドルを超えて一気に上げる様な構えを見せていましたので惜しかったです。
とは言え、この指標による下げは株や為替に影響を今のところ与えていないのを見ると一時的かと思われます。ビットコインに対する強烈な好材料がここの所複数出てきていますので、ここからきちんと反発できるか見ていきましょう。
いずれにしても、ビットコイン価格は米国指標に敏感に反応してきますので今後の指標との兼ね合いにも注意が必要ですね。
EU金融当局、仮想通貨取扱い検討開始。
欧州連合(EU)が仮想通貨取扱いについて良い動きをしています。
EUは12兆8800億ドル(2000兆円弱)規模の投資信託の枠組みであるUCITS(Undertakings for Collective Investment in Transferable Securities)に仮想通貨を含めることを検討している、と発表しました。
この大胆な動きは欧州全体の投資環境を劇的に変える可能性があり、米国のビットコインETFの市場規模をヨーロッパが上回る可能性があると言われています。
EU証券市場監督局(EU全体の金融市場の監視役)はビットコインと仮想通貨のエクスポージャーを追加することについて、業界の利害関係者からヒアリングしている様です。
ETFが特定の資産に焦点を当て個別の認可を必要とする米国とは異なり、UCITSファンドは個別の認可なしに複数の仮想通貨をカバーすることができるそうです。
ビットコインがUCITSに承認されれば、欧州初のメインストリームアクセスが可能になり、ファンドマネージャーは小規模なポートフォリオをビットコインに割り当てることができることになります。
EU当局は8月7日まで意見を集めており、この動きは米国と香港でのビットコインETF承認に続くものです。
そんな中、 エドモンド・デ・ロスチャイルド(スイス)がブラックロックのビットコインETF等に400万ドル超投資をしている事が明らかになりました。
ロスチャイルドのビットコインETFへの投資は、歴史的に保守的な資産管理会社ですらビットコインへの投資を始めていると話題になっていました。