「台湾が率先して北京や三峡ダムをミサイルで攻撃することはないが、北京が台湾を侵略しようとするならば、台湾がすでに北京を攻撃する能力を持っている事を考えなければならなくなるだろう」
台湾の中央通信社の報道によると、台湾中央研究院近代史研究所は最近「龚家政先生インタビュー記録」を発表し、その中で風雲ミサイルが紹介されていました。
「雲風プロジェクト」とは、コードネーム「W-99」と呼ばれる超音速巡航ミサイル開発の事で、雲風ミサイルは高高度の超音速巡航ミサイルで迎撃が非常に困難で抑止効果があり、台湾が着手した当時はアメリカとロシアが同様のミサイルを開発しているに過ぎなかったと紹介されています。
このプロジェクトは、故・李登輝総統だけでなく、当時の国防相・李杰氏も、試験発射が空中爆発したのを見て、その後の実験予算支援を一旦停止したが、たまたま視察に訪れた当時の陳水扁総統が、「これはやらなければならない」とその場で判断し、成功させる事ができたとの事。
風雲ミサイルを北京に撃ち込むのか?
台湾メディアは雲風ミサイルは北京と上海をカバーする射程を持つが、それは意味はないと指摘。
通常の巡航ミサイルで大都市を攻撃し、相手が降伏する事を期待するのは現実的ではなく、 ロシアとウクライナの戦争では、ロシアが巡航ミサイルを何発もウクライナに発射したが、ウクライナには効果が無かった為、都市部への攻撃は無意味だと言っています。
台湾で開発された限られた数の超音速ミサイルは、福建省沿岸の飛行場や港湾、鉄道高速道路など、価値の高い軍事目標への攻撃に使われるだろうと予想している様子。
戦術的に台湾にとって最も重要なのは、敵(人民解放軍)の海を渡る能力を弱める事ですが、戦略的には北京や三峡ダムを射程に収めている事を中国共産党に認知させる事で、進行を思い留まらせる事が出来るとも。