日経、ブラックマンデー超えの過去最大の下げ幅を見せた翌日、過去最大の上げ幅

 

このまま踏ん張れるのか、続落するのかここが正念場に

Photo Paris Bilal

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日経は日銀の利上げ発表後の8/1から直ぐに暴落を始め、8月5日に4451円も暴落し、1987年10月のブラックマンデー時の暴落幅(3836円)超えの過去最大の下げ幅を叩き出しました。

しかし、5日夜の米国ISM非製造業指数が市場の予想を上回る好調な数字を発表し、米国の景気後退がこの部門で進んでいない事が分かり、日経先物が反発を開始。

これを受けて、翌日の6日には日経は一時3400円を超える(終値で3217円高)急反発を見せ、その上げ幅もまた「ブラックマンデー」翌日(2037円高)を超える過去最大となりました。

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今回の日経暴落の引き金となった日銀利上げ発表で起こった円キャリートレードのポジションの大量解消とは?

ドル円の急落は、円キャリートレードのポジションの大量解消を引き起こし、日本株や米国株の急落を助長しています。この仕組みについて。

1) 多くの海外のトレーダーが日銀のゼロ金利政策の下、日本円(JPY)を低金利で借り、それを米ドルなどに換えて米国株や日本株を買っていました。

2) 日本銀行(BOJ)が金利を引き上げると発表し、更に継続的に金利を引き上げると言った事で、円は米ドルに対して大幅に上昇。

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※日銀利上げ発表の7/31から暴落が起きた8/5までのたった数日でドル円は10円も円高になりました。

これらのトレーダーは大ピンチに。借りた日本円に高い金利を支払わなければならないだけでなく、莫大な為替差損にも直面しています。彼らが保有している米ドル資産は、借りた日本円を返済するのに十分ではないかもしれない。

3) この為、取引ポジションの大幅な解消が起こっています。(これ以上ドル円が円高方向に向かうと損失が拡大する一方なのでパニックとなりました)

大きな損失とマージンコールに直面しているトレーダーは、米ドルを調達するために米国株を売却し、日本円に戻してローンを返済しているそうです。

4) これは米国株への売り圧力を強め、短期的には更に下落させる可能性があります。イラン・イスラエルの状況の激化、米国の政治不安(バイデンやカマラ・ハリス大丈夫か?)も恐怖とパニックに拍車をかけています。

投資家達はコロナ後、世界中の中央銀行が金利を引き上げる中、世界で唯一の無利息でお金を借りれる場所である日本に殺到し、日本株やその他の投資をする為の資金調達を過剰にしていたのです。

https://youtu.be/mK1A7iySl_k?si=-4jiJ0At-GWEH4bD

最近の世界的な市場の混乱は、予想を下回った米国の雇用統計が原因だと日本のメディアは最近まで報道していましたが、海外ではこれは主に円キャリートレードの解消によるものだと報道されています。

低金利で円を借り入れて高利回りの資産に投資するこの取引は、日銀の予想外の利上げによって混乱し、円高が急激に進み、投資家はポジションを解消せざるを得なくなったと。

2008 年、キャリー トレードの解消は世界金融危機の大きな要因となりました。ドル円は 30% 近く下落し、大量のロスカットと市場の混乱を引き起こしました。

今年も同様の状況で、ドル円 は僅か 1 か月で 12.5% 下落しました。ただし、今日の環境では前回よりも影響が緩和される可能性があります。

JPモルガンは円キャリートレード解消はまだ半分しか終わっていないと主張。

 

日経先物は現在微妙な位置に居ます。

日経先物15分足⇩

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利上げ発表後に下落を形作っていた下げのレジスタンスラインを昨日上抜け。その後、昨日夜にかけて下落し膠着しレンジになっています。

昨日は底値で優良日本株を欲しい方々が大量の買いを入れて三菱重工などの主力銘柄は20%近くも上げていましたが、その勢いが続くかどうかがこれからは問われます。

ドル円15分足⇩

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日経先物とドル円は現在の所全く同じような値動きをしていますが、ドル円キャリートレード巻き戻しが今回の暴落の原因だとするのならば、ドル円の値動きが直接日経先物の値動きに影響を及ぼします。

日経先物は日経の値動きの先行指標として非常に正確。

そのドル円の値動きにダイレクトに影響を与えてくるのが、米国の指標です。

現状ではドル円と日経先物の値動きと米国指標を見ながら相場の状況を把握していきましょう。

昨日日経がある程度戻したとはいえ、まったく予断を許さない状態です。

 

https://youtu.be/NQRFdtCt0VY?si=VURTEEZUUu1KKV6R

今日の朝、日銀副総裁がまさかの「相場が不安定な状態では利上げしない」と発言。流れが一気に変化しました。

日経先物⇩日銀発表後、34500円付近から36000付近まで急騰。

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日経⇩日銀発表後、34500円付近から35800円付近へと1300円上昇。

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ドル円⇩日銀の発表後、144.5円から147.9円と3円以上円安となっています。

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昨日まではデッドキャットバウンス (暴落後の一時的な反発。下降トレンド継続の示唆)が危険視されていましたが、日銀が相場が混乱している状況では利上げしないと発表した事でトレンドが変わった可能性があります。

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今週は監視が必要ですが、緑の矢印の様に動いていくと見ています。(米国や中東で何もなければ)海外投資家が日銀の発言を受けて、円キャリートレード再開だと騒いでいるからです。

米国メディアの1つゼロヘッジは「日銀は先週の利上げが破滅的な政策ミスだった事を認めた。」と紹介し、「今、我々はキャリートレードが再開され、日銀が必死に20兆ドル規模のキャリートレードの巨船を浮かせようとするのをじっと見ている。少なくともバイデン・カマラ政権にとって朗報なのは、日銀の慌てた譲歩によって、キャリートレードが速やかに再開され、米国株が再び急騰する事だ。」と報道。

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UBS(スイス銀行)のトレーダーが「日銀が一番避けたいのは、7月31日のタカ派的な政策決定後、偶然にも最も急激な市場暴落の引き金になったと非難される事だ。報道(Bloomberg)は、日銀が会合で金利引き上げと国債のテーパリングを決定した背景には、政治的圧力があった可能性を示唆している。今、日銀は明らかに、市場の暴落に対応し、以前のタカ派的な政策決定を正当化する圧力にさらされている。」と言っていた事も紹介しています。

利上げを引っ込めた事で、円ショートの総攻撃が再開され、近い将来、通貨が史上最安値を更新するまで止まらないだろう。とも