香港返還25周年を記念して香港を訪れた日本人記者が、香港が「通報の街」になっていることに驚き

 

ますます中国本土化し、かつて世界で最も家賃の高い商業ストリートだった銅鑼湾ラッセルストリートの店舗の家賃がピーク時から80%~90%下落。

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バスやビルのあちこちに、疑惑を通報した人にアピールする広告があり、最高報酬は1650万円で、香港人は28.000回も通報したそうです。

日本人記者が道行く若者に「街頭アピールに興味はありますか?」と聞いても、香港の若者は「いや、意味がないから」と返答したそうです。

それは当然です。下手な事をすれば通報されますから日本のテレビなんかに何も話せる状態にはないです。

この香港の密告キャンペーンの様子について見てみましょう。

日本人が知らないうちに香港は超監視社会に変貌していました。

 

香港当局が香港市民に密告を積極的に行う様に様に呼び掛ける為に出している漫画

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こちらは香港警察の広告です。

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香港のタクシー会社に香港政府は「香港のタクシー運転手不審通報キャンペーン」と銘打って、街を監視させています。

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・香港政府の統計によると、香港には18,000台以上のタクシーがあり、約46,000人のタクシー運転手が働いています。

・ 香港のタクシードライバーは毎日香港の様々な地区を移動し、多くの人々や出来事に接し、テロや暴動、その他の犯罪に関連するニュースに遭遇することもあるので、地域社会の安全の門番(中国政府の動く監視網)としての重要な役割を担う事になります。

・香港政府は香港の大手タクシー会社を含む40以上のタクシー協会およびタクシー会社に働きかけ、不審者、不審物の特定方法など、反テロおよび犯罪防止情報を促進し、業界関係者がテロ、暴力、その他の犯罪に関連する情報をタイムリーに報告することを奨励する「不審な点があれば報告せよ」キャンペーンを去年夏から展開。

※これはテロ対策と言っていますが、香港政府がいうテロとは2019年の香港民主化運動の様な民主化を求めて戦う反体制派の事で、彼等をメインターゲットとしていると思われます。

https://youtu.be/t3cmVh-CWY8?si=WjZE0L8D9GeckMT9

若者たちは香港の自由が失われると激しく戦いましたが徹底的に弾圧されました。

https://youtu.be/zLkJmy9CiSY?si=__GEaPpbrByseHcn

彼等が訴えていた事が現実のものとなり、香港は密告監視社会になり果てた様です。

それだけではありません。香港経済もこうした雰囲気の中で惨状を呈しています。

 

銅鑼湾、尖沙咀など香港の名だたる繁華街ですら不動産の借り手が見つからない

2021年、香港の繁華街コーズウェーベイ(銅鑼湾のメインストリートであるラッセルストリートにある店舗の家賃がピーク時から80%~90%下落し、今もまともに回復出来ていません。

銅鑼湾のラッセル・ストリートはかつて2018年に世界で最も家賃の高い商業ストリートに選ばれたことがあります。 しかし、コロナ後にラッセル・ストリートの高騰した家賃は下落しています。核をなしていた店舗の賃料は、ピーク時から80%から90%も下がってしまったのです。

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銅鑼湾は香港の流行の中心地です。

小売業が香港という動脈を流れる血液だとすれば、銅鑼湾はそれを動かしている心臓だと言われるほどに。煌めくガラス張りのタワービルに折り重なるようにひしめく有名デザイナーズブランドから、ストリートスタイルの新星まで、ここはファッションの街だと以前は紹介されていました。

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通りの様子⇩

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近年、銅鑼湾の店舗家賃が急落するのは珍しいことではなくなり、 イタリアのブランドPRADAがラッセル・ストリートのプラザ2000に巨大な店舗を月900万元(1億8千万円)の賃料で借りていましたが、市場関係者によると店舗を分割して貸し出した後、2階の一部が月約30万元(600万円)で貸し出され、賃料は1平方フィートあたりわずか60元(1200円)で、ピーク時の平均賃料1平方フィートあたり600元(1万2千円)と比べると90%も下がったそうです。

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ラッセル・ストリートの1階店舗の月額賃料はピーク時で1平方フィート当たり1,746元(3万5千円位)だったとの事で、この地区の賃料が驚くほど下がっている事がわかります。

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2022年から2023年にかけても下落し、現在もまともに回復出来ていない様です。

尖沙咀(チムサーチョイ)も同様の状況の様です。

マーケットは去年、香港の小売店舗賃料は今後5年間でアジアで最も高い上昇率を記録し2019年の水準に戻ると予想していましたが、現状そうはなっていません。

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こうした状況の根本的な要因の1つに、冒頭で紹介したような香港の中国地方自治体化があると思われます。

 

先月、RFAが銅鑼湾の状況がさらに悪化していると報道しています。

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繁華街の人気店舗の家賃が94%減。香港は奈落の底に落ちそうだ。

銅鑼湾の中心部のある店舗の1階には、全盛期にはスイスのロンジン時計の店舗が入っていましたが、やがて携帯ショップに変わり、家賃は230万香港ドル(4600万円位)から12万8000香港ドル(250万円位)に下がり、94%の激減を記録しています。

商業用不動産投資で有名な香港の商業不動産王の邓成波一族すら経営難に陥っていると報道されていますが、 ブルームバーグ・インテリジェンスによると、香港の不動産価格は商業用不動産の損失とともに、2019年以降少なくとも2700億ドル(40兆円弱)減ったそうです。

メディアが銅鑼湾現地を観察してみると、以前繁栄していた地域の 1 階にあった高級店の多くが、安価なおもちゃ、携帯ショップ、食料品店に代わっていて、路面店の賃貸能力が大幅に低下していることを反映していると指摘されています。

※もはや高額な賃料が取れず、安い家賃で運用できる業態のビジネスに貸し出すしかないという事ですね。

現地の専門家はこの様子について、香港では資産の急激な減少と消費の低迷が相互に影響しており、香港市場全体が「崩壊」の兆しを見せていると分析しています。

また、モルガン・スタンレーの元アジア地区首席アナリストは今年2月に「It pains me to say Hong Kong is over」(私にとって辛い事だが、香港は終わった)とフィナンシャルタイムズに投稿し香港政府を震え上がらせています。

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香港不動産デベロッパー「香港市場全体が地獄だ」

香港の大手不動産開発業者4社の時価総額はここ数年で数百億元(1兆に迫る勢い)が蒸発し、自己資本に対する負債の比率である純負債比率がぐんぐん上がってきています。

最近、金融フォーラムに出席した恒隆集团の名誉会長は「市場に参加している全員が地獄を見ている」と露骨に嘆きました。

司会者も「香港の富豪でさえ今は『やせ我慢』して我慢しているのだから、ピラミッドの底辺がどれほど苦しんでいるか想像がつくだろう」と経済危機を危惧しています。

ここでは過去の香港のGDPの数字の内訳に注目することが重要で、現在は公務員、教師、医師などの公共サービス部門が消費の雇用を支える主な源泉となり、もはや大金を稼ぐ部門が商業・貿易部門ではなくなっていることから、経済の構造がすでにある程度変化している事が分かったとも指摘がされていました。

香港経済危機の解決方法は簡単です。

中国政府は香港を中国化するのを止めて、支配から解放してかつてのように自由に解き放てばよいのです。そうすれば以前のように自ずと成長し始めるでしょう。