英国最大の冤罪の責任が富士通にあると糾弾する世論が急激に高まっています
英国最大の冤罪の責任が富士通にあると糾弾する世論が急激に高まっています
富士通が英国で提供していた郵便事業者向け会計システムの欠陥により、数百人が不正会計や横領罪で訴追された事件がドラマ化されヒット! 富士通を非難する世論が巻き起こり英国政府を動かす事態に。
2024.1.16
https://youtu.be/bcaljt8qNI0?si=To1PPxezIAW_AdgS
昨日、英国議会で 英国経済産業大臣が「ホライゾン・システムを提供した富士通に責任があると判断されれば、政府は富士通を追及するだろう。富士通は不当に起訴された郵便局長達に巨額の賠償金を支払わなければならなくなる可能性がある」と 声明を発表する事態になっています。
富士通幹部は16日に下院委員会で証言する予定との事。
日本のテレビなどではこの状態が流されているのを見ませんが、日本の誇る企業が英国郵便局(国営)を破壊し、死者まで出した事件の責任はすべて富士通にあると英国民が思い始めているのなら由々しき事態です。
⇧富士通株価
今年に入り英国で富士通への批判が沸騰したのは、この事件を題材にした「ミスター・ベイツ vs 郵便局」という4部構成のテレビドラマが放送され大きなニュースとなり、大多数の国民が関心を持つ一大政治問題になったからです。
こちらがそのドラマの広告です⇩
https://youtu.be/zPkvYXufpAY?si=E799Q18RKQ4AzUqu
⇧こちらがシーズン1のあらすじです。
このドラマが放映されて以来、100万人以上の英国人が嘆願書に署名し、英国政府は新法を発表しました。たったひとつのテレビ番組が凄まじい反応を引き起こし富士通への非難へと繋がりました。
英国で実際に起きた郵便局でのスキャンダルをドラマ化したこの番組は、あまり知られていなかった英国最大の冤罪事件を一般大衆に認識させる上で非常に効果的であったため、わずか1週間で100万人以上の人々を動かし、被告人に正義を求める嘆願書に署名させ英国政府を動かし、新法の発表に繋がった様です。
富士通と英国郵便局スキャンダル
https://youtu.be/EpFsjZT_TH8?si=f4Oc_zyiIfQujdkb
英国最大の冤罪と言われる英国郵便局のスキャンダルとは、1999年から2015年にかけて、700人以上の郵便局長が実際には富士通の郵便局会計ソフト「ホライゾン」のエラーによるものであったにも関わらず、支店の現金不足分を着服したとされ、窃盗、偽計、詐欺の罪で不当に有罪判決を受けた一連の誤審とされています。
郵便局の運営会社は1999年、富士通の英子会社が開発した会計ソフト「ホライゾン」を全国の支店などに導入。
1999 年、郵便局の唯一の株主である英国政府は、約 14,000 の郵便局支店で会計プロセスの自動化を開始しました。これにより、富士通の英子会社が開発した会計ソフト「ホライゾン」が導入され、すべての支店がそれに接続されました。このシステムは、従来の紙ベースの会計慣行に取って代わりました。
しかし問題が続出。原因不明の会計ミスに苦しむ支店運営者の数が突然増加しました。
郵便局は問題を調査して解決するのではなく支店運営者を非難し、その多くが金融犯罪で起訴され、さらに多くの支店経営者が破産や解雇に追い込まれました。
その後も多くの店舗で現金の残高と会計記録が一致せず、2015年にかけて郵便局長ら700人以上が詐欺や横領などの罪で起訴されています。
2019年、英国高等法院はホライゾンシステムに欠陥があったと判決を下し、2020年、英国政府は公的調査部門を設置しました。裁判所は2010年分から有罪判決を破棄し始めましたが、いまだ有罪が取り消されたのは一部にとどまっている様です。
ホライゾン会計システムは、日本の富士通が所有する英国企業ICL Pathwayによって開発されたシステムです。
※ホライゾンはもともと英国のソフトウェア会社 ICL によって開発されたソフトウェアであり、ICL は 1998 年に富士通によって買収されました。
1999年、英国郵便局はホライゾンシステムを支店と出張所に配備し始めました。
※1999 年から 2000 年に展開された時点では、ヨーロッパ最大の非軍事 IT プロジェクトでした。
出張所は郵便局との契約のもと、自営業ベースの出張郵便局員によって管理されていました(この方々が被害者です)。
システム運用が始まるとほぼ即座に何人かの郵便局長は、ホライゾンシステムが時には数千ポンドもの誤った不足額を報告することに気づいた様です。
郵便局はホライゾンシステムは強固なものであると主張し、店舗で現金の残高と会計記録不一致が生じた場合、郵便局長を起訴したり、補填を強要したりしていました。
※技術は変わっても、郵便局と自営業ベースの郵便局長との間の契約は変わりませんでした。
契約書には、経理上の不足は郵便局長の過失では無い事を証明しない限り郵便局長の責任である、と記されていました。
しかし、紙ベースの会計方法によって作られた証拠がなければ、損失が自分たちの責任でないことを証明する事は多くの人にとって不可能に近かったのです。
ホライゾンシステムの展開後 15 年間、警察の介入を必要とせずに民間の調査と訴追の権限を持つ郵便局は、700人を超える郵便局長を窃盗や虚偽会計などの犯罪で起訴していきました。
数百人が刑務所に送られ、更に多くの人が社会奉仕を強制されたり、電子タグを着用させられたりするなどの懲罰を受けました。
彼らは犯罪歴を持ちながらその後の人生を生きてきました。
何百人もの人が破産して生計を失い、多くの人はホライゾンシステムの外には存在しない不足分を郵便局に支払うことを強いられ、生活に苦しみました。
被害者とその家族の生活は深刻な影響を受け、数人の自殺者が発生し、ストレスが原因で病気になるケースも多かった様です。
2012年、活動家や国会議員からの圧力を受け、郵便局は専門家によるホライゾンの調査を実施。
調査員は、ホライゾンは会計上の矛盾を引き起こす可能性のある欠陥があると結論づけたが、郵便局はソフトウェアにシステム全体の問題はないと主張しました。
2019年、郵便局長ベイツ率いる555人の被害者グループが郵便局を相手取って起こした集団訴訟に勝訴し、裁判官はホライゾンにバグ、エラー、欠陥が含まれていると裁定しました。
郵便局は5800万ポンド(80億7400万円弱)で和解することに合意。
しかし、郵便局長たちの訴訟費用は4700万ポンド(65億4500万円位)にのぼり、彼らの手元には1人あたり約2万ポンド(278万円位)しか残りませんでした。
郵便局長たちは、郵便局が不祥事によって被害を被った被害者のために設立した補償制度から除外されていたため、英国政府は後に和解金を補填することに同意しました。
2020年9月、政府は元裁判官のウィン・ウィリアムズ卿を委員長とする「郵便局ホライゾン調査委員会」を設置し、郵便局長らの起訴と契約解除につながったホライゾンシステムの導入と失敗を調査し始めました。
2024年1月、4部構成のテレビドラマ『Mr.ベイツVS郵便局』が放送され、このスキャンダルは大きなニュースとなり、英国内の一大政治問題になりました。
郵便局はどうしてこれほど長い間この件に蓋をしていたのでしょうか?
郵便局はホライゾンの問題には蓋をしようと決意していたと指摘されていますその為、問題を抱えている郵便局長が最初に連絡するコールセンターのスタッフに対し、連絡をしてきた郵便局長らに「問題を抱えているのはあなた達だけだ」と言うように指示もしていた様です。
郵便局は更に法務チームと豊富な資金を活用して、必要に応じて法廷で告発から身を守る事も行っており、郵便局長らを沈黙させた際に「ホライゾンバッシング騒ぎ」を阻止したと自慢していたとも。また、ジャーナリスト、政治家、その他、Horizon システムの堅牢性に疑問を抱く人々に対しても嘘を吐きました。
この事件、富士通への批判が巻き起こっていますが不可解な点がいくつかあります。
・英国政府の国営英国郵便局の郵便局長らに対する隠ぺい姿勢と、明らかに問題があった体制。
・富士通の現地子会社Fujitsu Services(旧ICL)が富士通にシステム不具合をまともに報告していなかった可能性がある。
・富士通UK・Fujitsu Services(旧ICL)の隠ぺい体質
BBCの取材に応じた元社員は「日本には言うな」「富士通UKは、名前が変わっただけで、今でもICLのままだ」と証言しており、彼女いわく、2004年から2008年まで富士通UKの社長だったデイヴィッド・コートリー氏の口癖は「Keep Japan out(日本には言うな)」だった様です。
この様な意見もあります。
富士通のホライゾンシステムに問題があったのは間違いがなく、これが悲劇を生んだ主要原因の1つなのは間違いありませんが、それだけではここまでの事態に発展していない可能性が高いと思われます。
近日行われる、富士通の英国議会での言い分も聞いてからの判断にしたいと思います。
英国政府は富士通のホライゾンシステムスキャンダルが世論を動かす問題になってきた事を受けて、富士通との契約20億ポンドを見直すよう要請し始めました。
英国の郵便問題担当大臣は富士通に非があると判断された場合、郵便局スキャンダルの被害者への補償の為の「金融制裁」に直面する可能性があると今週水曜日にメディアに対して述べており、富士通が「スキャンダルの犯人」と認定された場合、賠償金の一部を支払わなければならないことは「現実的な」シナリオであると語っています。