中国商務省は日本の今回の動きを「輸出管理措置の乱用であり、自由貿易や国際経済・貿易ルールからの重大な逸脱」と批判し、日本は「誤った慣行を直ちに是正しろ」と発表。
これは日本のチップ輸出管理強化について、中国半導体業界はその被害が米国の規制よりも深刻になるのではないかと懸念しているからです。
https://youtu.be/Py0JbPQd8dU
台湾メディアも日本のチップ禁止令は米国より更に厳しく、自動車から家電製品まで、中国のローエンドシリコンウエハー生産にかなりの影響を及ぼすと噂されていると報道。効いている様ですね。
ドイツ国営メディアはストレートに「日本政府が中国をターゲットにしたチップ製造装置の輸出規制を実施した。 」と報道。
中国の半導体業界関係者の中には、規制の範囲があまりにも広く、「昨年米国が行った制裁よりも心配だ」と懸念する声もあると紹介し、日本も米中技術綱引きの中でナイフを研ぎ、半導体産業の重要拠点となる機会を待っていると指摘しています。
※日本政府は半導体セクターへの投資を強化することで、国内の半導体、部品、材料を製造する企業の売上高を2030年に現在の3倍の15兆円(1130億ドル)に増やす事を目指している
日本の経済産業省は5月23日(火)、23種類のチップ製造装置に対する輸出規制を早ければ今年7月23日から実施すると発表した。 中国商務部は、この動きを「輸出管理措置の乱用であり、自由貿易と国際経済貿易ルールからの重大な逸脱」と批判し、日本に対して「不正行為を直ちに是正する」事を要求し、中国は「措置を講じる権利を有する」と脅迫してきてます。
中国商務省の報道官は「日本による今回の措置の公開協議期間中、中国産業界は日本政府にコメントを提出し、いくつかの業界団体は日本のイニシアチブに反対する公式声明を発表し、日本の一部の業界団体や企業も、様々な形で将来の不確実性に対する懸念を表明してきたと述べたが、日本政府はそうした要求を跳ね除けて今回の発表を行った」と非難しています。日本政府は中国政府と企業の圧力を跳ね除けて、23種類のチップ製造装置に対する輸出規制を実行した形です。
素晴らしい動きですね。
日本は今年3月末に輸出管理措置の暫定版を発表
中国半導体産業協会は4月、日本が「世界の貿易自由化を妨害し、需給を歪めている」と批判し、中国政府に対して「断固とした対策を講じる」よう求める声明を発表した。 同協会は、日本の規制範囲が広すぎて「国際的に認められた規制品目リストをはるかに超えている」とし、「曖昧な策定は成熟した産業サプライチェーンに影響を与えかねない」と主張。
https://youtu.be/YjMRZXe6WIY
チップメーカーに近い中国の関係者によると、オランダの半導体メーカーASMLは高度なチップ製造装置しか規制の対象にならないが、日本企業はより幅広い規制を受ける事になるという。「 日本はオランダより進んでいる。」
https://youtu.be/wUgxT6stPmw
報道によると、昨年10月に米国で規制された装置は、14、16ナノメートル以上の精度のプロセスであったが、日本の規制は、リソグラフィ(液浸露光)装置で使われるより基本的な45ナノメートルのプロセスを対象としている。
日本の関係者によると、企業は監査プロセスを経なければならないが、輸出許可を得る機会はある為、チップの仕様だけではどちらの規制が厳しいか判断するのは難しいとのこと。 また、米国の対策は中国を対象としているが、日本の規制の範囲はもっと広い。
28nm以上のプロセスは、中国が米国の規制に対応する為に重要な領域です。中国最大の半導体メーカーであるSMICは、米国の輸出規制対象企業リストに掲載された後、低位チップの生産を増やすために最近4つの新工場を建設中です。
中国政府も資金を提供し自国の装置メーカーを支援する政策をとっているが、中国は依然として輸入チップ製造装置に大きく依存しているため、米国から韓国や日本への輸入に置き換える事を望んでいました。今回の輸出規制でこれを封じた形です。
中国は先週日曜日(21日)、国内インフラ事業者に対して、米国の半導体企業マイクロン製品の購入禁止を発表しました。
先日、日本の広島で開催されたG7首脳会議では、中国に対する「脱リスク」を模索し、サプライチェーンにおける中国への依存度を下げる必要性が発表されましたが、こちらへの報復としてマイクロン規制が行われた可能性があります。
マイクロンへの規制が発表された直後に今度は日本からの対中規制が発表されました。
https://youtu.be/dy4D0aSqxVQ
西側各国で中国政府への疑念が深まる中、各国はサプライチェーンの多様化を模索しています。 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は23日、そのため日本が各国にとって重要な拠点となる可能性があると分析した。
例えば、マイクロンは先週、日本政府の支援を受けて、新世代のメモリチッププロセスを開発するために日本に36億米ドルを投資すると発表しました。
岸田首相も18日、日本の半導体産業の競争力強化を期待して、世界の半導体大手の幹部と会談し、インテルCEO、TSMC会長をはじめ、サムスン、IBM、マイクロン、アプライドマテリアルズなどの幹部が参加しました。
この流れは日本を半導体大国にする最後のチャンスかもしれません。全力で応援したい動きです。今まで中国に流れていた富が日本に流入する可能性がありますよ。