https://youtu.be/v3LM9bi6fcU?si=9aFmX7vyxok_k975
ニューヨーク州キャシー・ホークル知事の元補佐官(秘書室・次長級)が、中国政府が送り込んだスパイとして活動していた容疑でFBIに起訴されました。
今週火曜日に逮捕されたリンダ・サン被告(40)は長年にわたり中国政府のスパイとしてNY行政に入り込み、中国政府にとって有利になる様、NYで政治活動を行なっていました。
日本の政治家、行政の人間の中にも同様のスパイが潜り込んでいる可能性が非常に高いです。
https://youtu.be/M1i3vew3Hqo?si=mHBBePKbarTl1uhi
検察当局はリンダ・サン被告を外国代理人登録法違反、中国政府の代理行動、ビザ詐欺、外国人密入国ほう助、マネーロンダリング共謀の罪で起訴しました。 一緒に逮捕された夫のクリス・フーはマネーロンダリングの共謀、銀行詐欺の共謀、身分証明書の不正使用の共謀で起訴されています。 2人とも出廷後に保釈されましたが、渡航制限の対象となり、中国政府領事館およびその公館との接触が禁止されています。(逃亡の可能性がありますからね)
FBIは「サン被告は中国政府の秘密工作員として活動しトップとしての影響力を利用して、NYの政策を中国政府に漏洩していた。これは米国の国家安全保障を直接脅かすものである。」と声明を出しています。
https://www.ntdtv.com/gb/2024/09/04/a103910779.html
サン被告は中国政府と人民解放軍の代理人として、中国政府の資金とニューヨーク州内での自身の影響力を利用して情報を齎し逮捕されましたが、それまではNYと中国政府の間の重要なパイプ役と見なされていました。
「 パイプ」という表現は中国政府が他国にこうしたスパイ工作を行うにあたり、とても便利な言い回しですよね。
中国スパイのサン被告の経歴
サン被告は5歳の時に両親とともに渡米し、中国語が堪能。
2009年、当時のニューヨーク州下院議員(現下院議員)孟昭文(旧正月を連邦祝日にするよう提案している怪しい議員)のチーフ・スタッフとして採用され、2012年、当時のクオモ知事のニューヨーク州行政に参画。
ニューヨーク州知事のアジア担当ディレクター、エンパイア・ステート・ディベロップメント社(ニューヨーク州の経済発展を目的とする主要な公的機関)のマネージャー兼渉外担当ディレクター、州議会のダイバーシティ担当副ディレクター(ベンチャーキャピタル会社に資金提供の決定の際に「多様性に配慮しているか」などの報告を義務付ける法案などを作っていた)、ニューヨーク州金融サービス局の副局長兼ダイバーシティ担当ディレクターを歴任。 ニューヨーク州知事のアジア担当部長、エンパイア・ステート・ディベロップメント社のグローバル貿易・渉外担当部長、多様性担当副部長、ニューヨーク州財務局の副局長兼多様性担当部長を歴任しています。
中国政府のスパイとして暗躍しながら、DEI( 「ダイバーシティ(多様性)」「エクイティ(公平性)」「インクルージョン(包括性)」)をNYで広げる役割を果たしていた様です。
最近中国政府は、西側各国の若者をターゲットに多文化交流として中国政府の人間と接触させ、洗脳する事に力を入れていますが、こうしたイベントにもサン被告は積極的に関与していた可能性があります。
・2015年、ニューヨーク州の知事だったクオモ氏はニューヨーク州の海外開発と推薦を担当させる為に、ニューヨーク州エンパイア・ステート開発公社のニューヨーク海外貿易促進マネージャーにサン被告を任命しました。 その際にサン被告は「クオモ氏は2015年下半期に中国を訪問する意向である」と発表。その後クオモ氏を北京に連れていっています。
クオモ氏がサン被告をNY州の要職につけた直後から、中国政府からサン被告に指令があった事が分かりました。
起訴状によるとサン被告は2016年から2022年まで在ニューヨーク中国領事館の要請を受け、台湾政府高官とNY知事チームとの接触を最小限に抑える事で、NYと台湾の外交活動を繰り返し阻止していました。
中国領事館関係者とのやり取りの中で、サン被告は中国領事館に対して「ニューヨークの台北駐米経済文化代表処とニューヨーク州政府との関係を全て阻止し、台湾からの要請をすべて断った。」と自慢していました。
起訴状に記載された例としては、、、
・2019年2月に台湾市長からの面会要請を断るよう知事室職員に指示
・2019年7月にNY台北駐米経済文化代表処の副領事からサン被告に、「台湾総統が訪問してサン被告と政治家を晩餐会に招待したい」と記載された手紙が届きましたが、サン被告はこれを直ちにNY中国総領事館の職員に転送し「私はその要請をブロックした」と短い手紙を添えて報告していました。サン被告は知事室に台湾からの招待状を転送せず握りつぶし、NYの親中派グループが台湾総統である祭英文氏の訪問に抗議する為に開催したイベントに参加していました。
・2019年8月下旬サン被告は州職員に対し、米台退役軍人を記念する知事声明の草案から中華民国への言及をすべて削除しするよう指示。9月にもNY台北駐米経済文化代表処からの、NY政治家を中華民国建国記念日を祝う台湾でのイベントへの招待を握りつぶそうとしました。 その際、知事室の他の多くのメンバーから適切な対応を取るよう求められたにもかかわらず「メッセージも代表者も送らない」と指示。
この様に中国政府や中国共産党関係者の指令を受け、台湾政府代表とニューヨーク州知事との外交関係を妨害する為に何年にもわたり活動していた事が分かっています。
2021年にホークルがNY知事に就任すると、サン被告は副首席補佐官に任命され、その後2023年3月に解雇。
ホークル知事のスポークスマンが「サンの不正行為の証拠を見つけた 。彼女の不正行為の証拠を発見した後、我々は2023年3月に彼女を解雇し、直ちに彼女の行動を法執行機関に報告した。」と発表しています。
この事件の直後、サン副首席補佐官の逮捕を受けて中国総領事は解任されたとホークル知事が語る
ホークル知事はサン被告が中国スパイ・汚職疑惑で逮捕された翌日、在ニューヨーク中国総領事が解任されたと発表しました。
ホークル知事が「ブリンケン国務長官の要請で、国務省の高官と電話で話していたところです。ニューヨーク公館の中華人民共和国総領事を追放してほしいという私の希望を伝えました。その時に総領事がニューヨーク公館にいないことを知らされました。」と語っているのをメディアで報道されています。
中国NY総領事の退任は任期が終わったからだと米国国務省は現在説明していますが・・・
黄中国総領事は9/3にフライングタイガースの退役軍人を訪問し中米友好業務を行っていました。サン被告が9/4に逮捕された直後に領事館を去っていますのでタイミング的にみて、逃げたとしか思えません。
NY中国総領事・黄氏⇩
黄総領事が主催したNY中国総領事館2023年新年レセプションにサン被告が参加している様子⇩
2022年に北京冬季オリンピック開催を記念してNYで開かれたイベントで、サン被告と彼女を政界で引き上げたNY議員の孟氏がイベントの主催者らに祝賀状を渡すために出席し、北京冬季オリンピックの成功と米国における多文化共生主義推進への貢献に感謝している様子⇩
サン被告は逮捕され黄総領事も逃げましたが、この孟議員はまだ残っています。