ニセコ最大級の高級リゾートを手がけていた香港企業の日本現地法人が、裁判所から破産手続きの開始決定を受けプロジェクトは破綻

このプロジェクトの親会社である新世界酒店の創業者・ 鄭裕彤アジア最大の宝石・貴金属チェーンである周大福創業者でもあります

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この件、話題になっていますが、日本現地法人が破産手続きを受けていると伝えられているだけで、メディアはいつもの様に言わないから、実際はどこが仕掛けたプロジェクトなのか良く分からないですよね?

この物件は北海道ニセコ町の分譲型高級リゾート「ニューワールド・ラ・プルーム・ニセコ・リゾート」として、香港では有名で、仕掛けたのはニューワールド ホテルズ&リゾーツ(新世界酒店)という香港の会社です。

新世界酒店は香港で登記はされていますが、創業者の鄭裕彤氏は広東省の人間で、中国共産党中枢で活躍した人物。

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ニューワールド・ラ・プルーム・ニセコ・リゾートの概要

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・リゾートは約36,000平方メートルで、220室、5つのヴィラ、63種類の客室タイプがあり、ゲストの様々なニーズに応えられる物件です。

・2030年冬季オリンピックの誘致の為に選ばれたオリンピック村の場所で、このエリアには世界的に有名な4・5星の高級ホテルが集まっています。「リッツ・カールトンホテル」は2020年12月にリゾートの近くにオープンしました。
・リゾートには25メートルのスカイスイミングプール、ジム、100%自然の屋内および屋外の温泉、サウナ、スパマッサージケアセンター、スキー用ロッカー、子供の遊び場、オーナー用ストレージなど、様々な施設が整っています。
・リゾートは、国際的なトップホテルおよびリゾート管理会社であるローズウッドホテルグループ(新世界酒店のホテル部門)のもと、クラシックブランドであるニュー・ワールド・ホテルズ&リゾーツ(新世界酒店子会社)によって管理されており、リゾート運営管理サービスの全範囲を提供します。

ニューワールド・ラ・プルーム・ニセコ・リゾートのロケーション

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ニセコはアジアのスキーリゾートの中で世界トップ5に入る場所。このリゾートは、中心エリアに位置するニセコビレッジスキーリゾートに近く、2030年冬季オリンピックのメイン会場として注目を集めています。

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ニューワールド・ラ・プルーム・ニセコ・リゾートの東側は、リッツ・カールトンとニセコビレッジスキーリゾートのゴンドラに隣接しています。南側は、壮大な景色を持つ羊蹄山に面しており、西側の眺望は美しい森林の景色が広がり、その先には農場と有名な観光名所であるミルク工房があります。北側の眺望はスキーコースと将来のオリンピックコースに面しています。

ニューワールド・ラ・プルーム・ニセコ・リゾート完成イメージ

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壮大なプロジェクトでしたね。2030年冬季オリンピックと日本政府が進めるインバウンド政策を見込んで勝負をかけたが、中国本土の不動産バブル崩壊で母体である新世界酒店の経営が傾き撤退といったところでしょうか。

新世界酒店株価です⇩

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ニューワールド・ラ・プルーム・ニセコ・リゾートを開発しようとした香港の新世界酒店について

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英語名: New World Hotels & Resorts /中国語名: 新世界酒店/日本語名: ニュー ワールド ホテルズ&リゾーツ。

香港資本で、アジアを中心にグローバル展開するホテルブランドです。

「New World Hotels & Resorts」(ニュー ワールド ホテルズ&リゾーツ/新世界酒店)を創業したのは、鄭裕彤(チェン・ユートン)。

鄭裕彤は香港の著名な実業家で1970年代に「新世界ホテル」ブランドを設立し、ホテル事業を本格的に展開しました。
現在はグループのホテル部門が「ローズウッド ホテル グループ(Rosewood Hotel Group)」として、世界各地でニュー ワールド ホテルズ&リゾーツやローズウッドホテルなどの複数のブランドを傘下に展開しています。

・鄭裕彤の新世界発展有限公司と中国政府の関係性
新世界発展有限公司(NWD)は、香港を本拠とする大手コングロマリットであり、主に不動産、インフラ、小売、ホテル、サービス業など幅広い事業を展開しています。
創業者の鄭裕彤(Cheng Yu-tung)とその家族は、香港財界を代表する存在で、中国本土の多くの国有企業や政府関係者とも長年に渡る関係を築いてきました。例えば、鄭裕彤は全国政協(中国人民政治協商会議)など中国政府機関の諮問委員等を務めていた実績があります。
香港の大手財閥として、中国政府側からも重要なパートナーと見なされている様子。
ただし、香港の財閥は「政治的に非常に現実主義的」で、香港特別行政区政府や中国中央政府双方とのバランスの取れた関係構築に非常に長けています。
北京の政治・経済情勢の変化には敏感で、場合によっては「政策協力」や「社会貢献」などで政府の意向に沿った対応をする事もあります。

鄭裕彤は新世界発展有限公司の創始者だけではなく、周大福ジュエリーゴールドショップ有限公司前会長。武漢市政府国際相談顧問団のメンバー。政協(中国人民政治協商会議)諮問メンバーでもありました。

新世界発展有限公司・創業者の鄭裕彤は2016年に死去していますが、その後は息子の鄭家純が周大福、新世界発展の会長になっています。
※周大福は本土での店舗の数が、コンビニよりも多いんじゃないかと言われている宝飾店チェーンです。

鄭裕彤は1964年には南アフリカでデビアスのダイヤモンド原石ライセンスを持つ企業を買収し、香港最大のダイヤモンド輸入業者になりました。

1970年、新世界発展を設立し57%の株式を所有。1984年、香港国際コンベンション・エキシビションセンターを建設。

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1993年からは武漢市政府と協力し、武漢第2長江大橋、武漢天河国際空港の建設などに投資しています。

1993年5月、スイスの40のホテルを所有するグループを買収し、新世界グループを世界有数のホテル運営グループの一つに。2004年、周大福の名義でシティバス(城巴)を買収し、香港島のバス路線を統一。その他、マカオのカジノ業、ホテル、上下水道や電力などの事業にも関わっています。

この様に中国本土で国家の改革開放と現代化建設に尽力した有名人です。見て分かる様に、香港企業というよりは中国共産党党中央企業に近いですね。

現在、会社の会長を務める息子の鄭家純も中国人民政治協商会議全国委員会委員です。

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鄭家純は父親よりも重症の様で「中国の夢」達成を共産党に誓い、香港民主化運動弾圧にも加担していました。鄭家純がニューワールド・ラ・プルーム・ニセコ・リゾートプロジェクトの責任者です。

この人物のスタンスは2021年に記事になった発言によく表れています。

鄭家純:「鄭氏一族は祖国と運命を共にする」

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「中国共産党が新中国を建設し、国民を貧困から発展へと導き、14億人が全面的に小康社会入りし、経済規模も世界第2位となりました。中国は立ち上がり、豊かになり、強くなるという偉大な飛躍を遂げ、国情に合った独自の発展の道を歩んできました。」元全国政協常務委員・新世界発展会長の鄭家純氏は、香港文匯報のインタビューでこう自信に満ちて語りました。

「中国のこの100年の歩みは確かに称賛に値します。私たちは数十年という短い期間で、先進国が100年以上かけて歩んできた工業化の過程をやり遂げ、多くの“不可能”を“可能”に変えました。習近平国家主席が言った通り『中国は既に世界と対等に向き合う事ができる』、これが中国人一人一人に無限の誇りを感じさせます。」

1946年に中国本土で生まれた鄭家純氏は、幼少期の7年間を中国で過ごし、成長してからも父で新世界発展創業者の鄭裕彤氏と共に頻繁に中国を訪れていました。

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鄭氏は当時の投資を振り返り、「改革開放の呼びかけで中国に戻って投資した際、内心に使命感が芽生えた」と述懐しています。

最も印象的だったのは「1980年代初頭、新世界グループを率いて中国本土初の投資プロジェクト――広州中国大酒店に関わった事です」「当時、中国の遅れを多く目にする反面、発展への強い意欲も感じました。懸念されたのは政策や法規の未整備によるリスクの大きさでしたが、経済の進歩と共に法規も急速に整備されたのは嬉しかった。事実、私たちが管理した広州中国大酒店は広州市および華南地域のホテル業界の発展を牽引し、中国のホテル管理の現代化を実現しました」

新世界発展及び周大福グループ会長の鄭家純氏は、新世界発展が既に50年を歩み、周大福グループも約100年の歴史があると述べています。

グループは80年代初めから中国本土で投資を開始し、既に40年以上が経過。

発展の歴史は国家と密接に結び付き、改革開放後の経済、都市建設、科学技術、社会・民生など各方面の急激な変化を身を持って体験してきたと。

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鄭家純氏と3代目の鄭志剛氏は、国家の経済発展に大きな期待を寄せ、鄭氏一族と企業は「第14次五カ年計画」が齎す機会を最大限に活かし、自らの強みを活かして中国大陸のあらゆる分野への投資を拡大し、国家と香港の経済発展に積極的に貢献していくとの姿勢です。

習近平国家主席による治国の最大の特色は、中国人の創新の精神と能力にあると、鄭家純氏は語ります。

新型コロナウイルスのパンデミックは、各国の統治モデルに大きな試練を与えました。

鄭家純氏は「欧米諸国は国力が高いにも関わらず、新型コロナには手をこまねいていた。一方、中国政府は初期の段階から的確で有効な対応策を迅速に作り、強力な実行力と全国的な協力によって、最終的に感染拡大を抑え込む事に成功した」と強調。(イヤイヤばら撒いた張本人が・・・呆)

「中国のコロナ対策成功の要因は、基層社会の組織化。全国一丸となり苦難を乗り越え、世界に中国モデル・中国パワーを示した」結果だと。あのゼロコロナ政策を褒め称えています。

鄭家純氏は「世界情勢が急変する中でも、中央は創新を発展戦略の核心に据え、高品質な発展と“国内国外の二重循環”という新しい枠組みへと進化している。中国共産党のリーダーシップの下、道に困難があったとしても、中国人民は自信を持って一歩一歩偉大な中国の夢を実現していくだろう」と結びました。

鄭家は李嘉誠と同じくらい有名な一族です。

この中国政府そのものの様な鄭家の企業がニセコにニセコ最大のリゾートを開発して根を張って、インバウンドと冬季五輪を利用して居座ろうとしていたのです。

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日本への中国の浸透は皆さんが想像しているよりも大規模に行われているかもしれません。

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