冷戦後、米国から中国に課された最も苛烈で重要だと言われる政策

 

中国半導体産業即死レベルです

 

日本のテレビはこちらについては何も国民に伝えて無さそうですが大丈夫でしょうか?

2022.10.25

Photo Mathew Schwartz

· China News
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商務省産業安全保障局(BIS)の公式発表をここでは一部紹介します。

バイデンは半導体製品、技術が中国に渡らないように、断固として中国との半導体に関する関係を断つ事を決定しました。

米国商務省は今回の規制について、緊密な同盟国やパートナーに説明し、協議済みとの事です。

内容において興味深い部分をかいつまんでお見せします。

簡単に言えば、まず最先端チップの中国への輸出が禁止されました。

第二に、中国が高度な半導体製造能力を確立するために必要とするソフトウェア、機器、およびコンポーネントの輸出が制限されました。

第三に、専門技術を持つアメリカ人が中国半導体製造企業と協力する事を制限し、知識の移転を制限しました。(これが先日、バイデンによる中国半導体産業斬首作戦と言われたものです)

第 四に、この規制は米国外のすべての先進的なチップ製造業者を対象としています。これらのメーカーはすべて米国の同盟国でありますが、今回の規制に従わない場合、米国の重要な機器へのアクセスを失うことになります。(日本企業も含まれると思われます)

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1.) 特定の高性能コンピュータ・チップおよびそのチップを搭載したコンピュ ータ製品を規制対象に追加し中国に売らない。技術も渡さない。

2)スーパーコンピュータまたは半導体開発・生産用の品目について、新たなライセンス要件を追加し中国に売らない。技術も渡さない。

2+)中国におけるスーパーコンピュータまたは半導体の開発、製造の最終用途に使われる品目に対する新たなライセンス要件を追加し中国に売らない。技術も渡さない。

3.) 輸出管理規則(EAR)の適用範囲を、外国で生産された特定の高度なコンピュータ品目およびスーパーコンピュータ最終用途の外国生産品目に対して拡大し管理する。

4.) 外国生産品の許可対象範囲を、中国に所在する事業者リストの既存28事業者に拡大する。

5.) CCLに特定の半導体製造装置と関連品目を追加する。

6.) ICを製造する中国国内の半導体製造施設に送られる品目に対し、新たなライセンス要件を追加し遮断する。

中国企業が所有する施設のライセンスは 否認され、多国籍企業が所有する施設はケースバイケースで判断されるが、中国に渡るなら否認する。

該当する閾値は以下の通りです。

非平面型トランジスタ・アーキテクチャ(FinFET または GAAFET)のロジック・チップで、16nm または 14nm のもの。

16nm または 14nm 以下の DRAM メモリチップ 18nm ハーフピッチ以下の DRAM メモリチップ

128層以上のNANDフラッシュメモリー

7.) 米国人がライセンスなしに、中国にある半導体製造「施設」でのICの開発または生産を支援することを制限する。

平たく言うとアメリカ人は中国半導体企業で働く事を禁止する。

8.) 半導体製造装置及び関連品目を開発又は製造するための品目の輸出に新たな許可要件を追加する。

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こうした規則は、官報に公示された後、段階的に発効します。

半導体製造品目の規制はPublic Inspectionと同時に発動します(2022年10月7日)

特定の中国所在の半導体製造「施設」におけるICの開発、製造、使用を支援する米国人への規制は5日後(2022年10月12日)スタート、高度なコンピューティングとスーパーコンピュータの規制、および規則のその他の変更は14日後(2022年10月21日)から適用される。

 

専門的な話に惑わされがちですが、この規制は冷戦終結後、アメリカ大統領が行ったどの政策決定よりも、世界のパワーバランスを西側(特に米国)に傾ける可能性があると言われています。

半導体は、現代のあらゆる機器の頭脳です。

それは半導体輸入を規制された途端に、まともなミサイルやドローン等を作れず、日本の家電製品などからチップを取り出し兵器に転用する涙ぐましい無駄な努力をしているロシアを見ても明らかです。

半導体がなければ、携帯電話、テレビ、電子レンジですら作れません。産業競争力が著しく低下する事になります。

この政策はあらゆる分野で中国の研究を悪化させる可能性があり、中国全土で人工知能 (AI) の開発と展開を阻害し、電子商取引、自動運転車、サイバーセキュリティ、医療用画像、創薬、などにおける中国の進歩を鈍化させます。

中国は半導体産業を支配し、各国を支配する中国製造2025を全力で進めてきましたが、中国製造2025はこれで死んだと思えます。

ただし、中国は殆ど全てのハイテク部品に不可欠なレアアースの世界サプライチェーンの 80%を支配しています。

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詳細はNicholas LePan氏のRare Earth Elements: Where in the World Are They?をご確認ください。

今回の規制を受けて、西側に希土類を輸出しないという作戦を取ってくる可能性は十分あります。

ロシアがヨーロッパに対して天然ガスを人質に取った様に。

中国がレアアースを輸出規制してきたとしても戦えるように、西側諸国は全力で対策を今から講じる必要があります。