英国外務省が中国による知的財産盗難対策として、中国人研究者と留学生が英国で就労する事を禁止しています

 

 

2016年13人、2020年128人、2022年1,104人の中国人科学者と大学院生の研究機関での就労を阻止

 

Photo Julius Dūdėnas

· EuropeNews

最近英国では中国との研究協力に対して政府が大規模な取り締まりを行っています。

2022年には1,000人以上の中国人科学者や大学院生が国家安全保障を理由に英国で働く事を禁じられました。

ガーディアン紙によると、2022年に外務省の審査で拒否された科学者と大学院生は過去最高の1,104人で、2020年の128人、2016年のわずか13人から大幅に増加しています。

この急激な増加は、中国が英国の大学や研究機関に対して知的財産盗難を行っている事を英国政府が警戒しての事です。

英国諜報機関MI5もスパイの脅威が高まっていると警告しています。

英国の研究機関で働いている中国人数の推移

公式記録によると2017年の時点で、7,070人の中国人学者が英国の大学で雇用されており、3年前の2014年から20%増加しています。

英国の高等教育統計庁によると、これらの学者の多くは研究プロジェクトに従事していることが明らかになっています。2017/18年時点で英国にいた2,975人の中国人学者が研究のみを行っており、研究と教育の両方を行っている者は2,935人だった。

英国の留学生統計2023

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  • 高等教育統計局 (HESA) の2021/2022 年の統計によると、現在679,970 人の留学生が英国で学位取得を目指しています。
  • 英国のEU 以外の学生の大半は中国本土(香港除く)から来ており、合計151,690 人の中国人留学生がいます。
  • 香港からは合計17,630 人の学生が英国の大学に在籍しています。
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英国外務省は国籍別の内訳を明らかにしませんでしたが、オックスフォード、ケンブリッジ、インペリアル・カレッジなどの主要大学から提供されたデータによって、これらの大学で就労を拒否された者の大半は中国の学者が占めていた事が分かっています。

この政策転換を歓迎するまともな声がある一方、第一線の科学者たちはこの制度によって、大学が海外から優秀な人材を確保するのに苦労していると言っている様です。

これは日本と同じですね。国が崩壊してもいいから目先の金が欲しい。

エジンバラ大学の校長兼副学長であるピーター・マティーソン教授は「大学は中国による知的財産盗難などのリスクを理解し、軽減する必要性を強く意識しています。しかし、研究プロジェクトは遅れ、スタッフの採用も遅れている。」と話す。

英国外務省が中国人スパイを弾く為に活用しているのが、学術技術承認制度(ATAS)です。日本からの留学生には適用せず、中国人留学生などに適用しています。

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学術技術承認スキーム(ATAS)は、英国の入国管理下にあるすべての留学生および研究者(免除される国籍は除く)で、特定の機密性の高いテーマで大学院レベルの学習または研究を行おうとする人に適用されます。

その分野は高度通常軍事技術(ACMT)、大量破壊兵器(WMD)またはその運搬手段の開発計画に知識が使用される可能性があるもの。これらの機密性の高いテーマの研究者や学生は、英国での留学や研究を開始する前に、学術技術承認スキーム(ATAS)の証明書を申請する必要があります。

EU諸国、オーストラリア、カナダ、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、スイス、アメリカ合衆国の国籍を持つ学生および研究者は除外しています。

中国など明らかに危険な国家からの学生に対して適用しています。

日本も英国の学術技術承認スキーム(ATAS)の様な制度を大学に導入すべきでしょう。