中国への債務不履行でデフォルト寸前のジブチ

中国に紅海とスエズへの入り口にあるドラレ港の支配権を奪われる可能性があります

2023.1.24

Photo ogupdateafrica

· China News
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アフリカの角と呼ばれる小さな国、ジブチが今大変な事になっています。

ジブチは中国への債務支払い停止を決定し、現在デフォルトが迫っているのです。その為、債務のカタにジブチは戦略的資産を失いかねない状態に陥ってしまっていると言われています。

アンゴラなど他のアフリカ諸国と異なり、ジブチには不払いを補う石油などの天然資源がない為、紅海とスエズ運河の入り口にあるドラレ港の支配権を失う可能性が出てきました。

国際通貨基金によると、中国はジブチ最大の債権者であり、ジブチは中国にGDPの45%に相当する14億米ドルを負っています。

ジブチは、北京政府そのものよりも、中国輸出入銀行などの中国系金融機関にお金を借りており、債務が免除される可能性は低く、支払いを将来に渡って引き延ばすリスケジュールが行われる可能性が高くなります。

ジブチはロシアのウクライナ侵攻、隣国エチオピアのティグライ紛争、自国の干ばつによって食料価格が上昇し、結果、インフレ率は11%に達しています。

こうしたインフレと干ばつの影響を軽減する為に取られた措置が、ジブチの中国に対する債務返済能力を圧迫し、今回のデフォルトの危機に繋がったと指摘されています。

中国が建設したスリランカのハンバントタ国際港が負債を返済するだけの収入を得られなかった際、中国は港の運営権を奪いましたが、これがドラレ港でも起こりうると言う話。

ジブチは、中国や一帯一路にとって重要かつ戦略的であるだけでなく、他の多くの国々にとっても重要な国です。

ジブチには、イタリア、中国、フランス、アメリカ、日本、サウジアラビアの軍事基地があり、何千人もの兵士がいますが、このように利害が集中するのは偶然ではありません。

ジブチは国際貿易の中心地であり、バブ・アルマンダブ海峡とアデン湾に挟まれた地理的条件から、実に貿易の4割がこの海峡を経由しています。

スーダンや北アフリカ産の原油は、バブ・アル・マンダブ海峡を通過。世界で最も忙しい貿易ルートで且つ軍事的プレゼンスを維持し続ける事には誰もが関心を持っており、その為ジブチのデフォルトは中国共産党にとってはある意味ラッキーなのかもしれません。

中国は以前からスエズ運河に繋がる戦略的拠点のジブチで海外軍事基地を増強しており、基地には2000人の軍人を配備し、攻撃ヘリ等も配備されると言われていました。

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こちら2017年の人民解放軍ジブチ基地でのパレードの様子⇩

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ジブチがデフォルトしないか監視しておいた方が良さそうです。