米国政府、日本の領土を中国の侵略から防衛する為なら「核兵器の使用」も排除しないと声明 

 

 

 

 

2023.1.12

 

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ロイド・オースティン国防長官は1月11日、2023年日米安全保障協議委員会(2プラス2)の終了後に、同盟国である日本を守る為に核兵器を使用する事も厭わないし、中国が自国領土だと主張する尖閣諸島に対する日本の主張(尖閣諸島は日本固有の領土)を守るつもりだと発表。

オースティンは「核を含むあらゆる能力で日本を防衛するという米国の鉄壁の約束を再確認し、相互安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを強調したい」と述べています。

 

ブリンケン国務長官、オースティン国防長官、林芳正外務大臣、浜田靖一防衛大臣、2023年日米安全保障協議委員会(2プラス2)後の共同記者会見の内容(米国政府公式より)の要点

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ブリンケン国務長官

・日米同盟の重要性は、いくら強調してもし過ぎる事はありません。70年以上に渡り、日米同盟はインド太平洋地域の平和と安定の礎となってきました。この同盟は、私達の国民と地域全体の人々の安全、自由、繁栄を確保してきました。

・日米同盟の永続的な強さの源泉の1つは、進化する課題だけでなく、目の前の機会に対応する為に同盟を適応させる我々の能力である。

・日本の新しい国家安全保障戦略、防衛戦略、および防衛力増強計画は、その変革の規模と範囲を反映している。

・我々は、2027年までに防衛費を倍増させるという日本の公約を称賛する。

・日本の戦略は、我々の国家安全保障戦略と密接に連携している。我々が特定する主要な課題と、それらに効果的に対処する方法の両方においてだ。

・我々の国家安全保障戦略は、経済やエネルギーの安全保障と密接に関係している為、これらの分野でも協力を強化している。

 

林外務大臣

・自国の利益の為に国際秩序を再構築しようとする中国の外交政策は、日米同盟および国際社会全体にとって重大な懸念である。

このような認識の共有を確認した上で、我々は、日本による尖閣諸島の長年の施政を損なおうとする行動を含め、東シナ海における中国の現状変更の試みに対して、日米が引き続き結束して異論を唱えていく事を確認した。

また、南シナ海における中国による不法な主張及び強圧的・挑発的な努力と行動に対する我々の強い反対を確認した。

・我々は、台湾をめぐる両国の基本的な立場に変更がない事を再確認し、国際社会の安全と繁栄にとって不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定の維持の重要性を確認した。

同時に、安全保障分野を含む中国との意思疎通を強化する為の政策に変更がない事を確認した。

・ロシアについては、ウクライナへの侵略が国際秩序の基盤を揺るがすとの考え方を再確認し、ロシアの無謀な核での脅迫や民間インフラへの攻撃を非難し、ウクライナへの強い支援を継続する事を確認した。

・中国とロシアの軍事協力の強化について懸念を共有した。

・北朝鮮については、昨年、弾道ミサイルをかつてない頻度で発射した事を強く非難し、国連安保理決議に基づく北朝鮮の完全な非核化に向けた我々の揺るぎないコミットメントを再確認した。

我々の立場は完全に一致しており、我々は拉致問題の即時解決の追求を含む北朝鮮問題への対応において引き続き緊密に協力する事に合意した。

・日本を含むインド太平洋地域における戦力態勢を最適化するとの米国の決意を歓迎し、今回発表した米軍再編の再調整を含め、日本における米国の戦力態勢をさらに最適化する方法について緊密に協議を継続する事とした。

・宇宙・サイバー分野での日米協力の深化、技術協力の推進、情報セキュリティの更なる強化の重要性でも合意した。

・宇宙空間における他者への攻撃に対する日米安保条約第5条の適用を表明する事に合意できたことは、同盟全体の抑止力強化の観点からも大きな成果であった。

・沖縄を含む地元への影響軽減の重要性を改めて確認しました。また、海兵隊普天間飛行場の継続使用を回避する為には、辺野古への移設が唯一の解決策である事を再確認しました。

 

ロイド・オースティン国防長官

・日本が2022年の国家安全保障戦略、防衛戦略、防衛力増強計画で行った大胆な決断を支持する事を強調したい。

・我々は、より多用途で機動的かつ弾力的な能力を前方に配備する事により、日本における米軍の態勢を最適化するという歴史的な同盟の決定を歓迎する。

・これらの行動は、地域における抑止力を強化し、日本とその国民をより効果的に防衛する事を可能にする。

・この新編成に、現在と将来の脅威環境に対応した高度な情報・監視・偵察、対艦・輸送能力を装備します。これらの態勢の更新は、2012年の再編計画の基本方針を順守しており、地域の平和と安定を維持する同盟の能力を強化するものである。

・我々はまた、日本が米国や他の同様のパートナーとともに地域の安全保障により積極的に貢献できるよう、同盟の役割と任務を更新することについて議論した。

・我々は、日本が反撃能力を獲得するという決定を強く支持し、この能力を採用する為の緊密な連携が日米同盟を強化する事を確認した。

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・また、東シナ海、南シナ海、台湾周辺の平和と安定に対する我々の共通の関心、北朝鮮の非核化に対する我々のコミットメント、韓国、オーストラリア、その他同様のパートナーとの多国間協力を強化する努力、宇宙やサイバーなどすべての領域における我々の協力の拡大など、多くの重要な問題について議論した。

・日米両国は、中国の不安定化する行動に対する懸念で一致しています。私は、核を含むあらゆる能力で日本を防衛するという米国の鉄壁の約束を再確認し、相互安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されるこを強調したい。

・浜田大臣と私は、日米の防衛企業が先端技術で緊密に協力し、それぞれの産業基盤の連携を強化する機会を増やす為の新たな取り決めに署名する予定だ。

・日米同盟は依然として我々のインド太平洋戦略の礎であり、自由で開かれた地域秩序を維持する為に不可欠である事を改めて表明し、結びとしたい。

日米同盟は、数十年に渡る日米関係を支えてきたチームワーク、信頼、そして共通の価値観を基礎として、これまで以上に強固なものとなっています。ですから、私達が肩を並べて働き続ければ、乗り越えられない試練はない。

 

浜田防衛大臣

・新戦略に基づき、日本の防衛力の抜本的な強化を速やかに実現する為、対攻撃能力を含む新たな能力の獲得や持続的戦力の強化に最大限努力する事を約束します。

・本日の協議では、日本の防衛力の抜本的な強化を前提とした役割分担の実現が必要であるとの認識で一致しました。また、二国間協力に基づく反撃能力の効果的な運用、宇宙・サイバー分野での協力の強化、装備・技術面での協力の深化など、幅広い分野での取り組みを推進する事に合意した。

・また、オーストラリア、韓国、ASEAN、欧州などのパートナーとの連携を深め、同盟に基づく協力の拡大を図ることでも合意しました。何故ならば、地域における拡大抑止がますます重要になる中、オースティン長官から米国の幅広い視点での意見を聴取しました。それを踏まえて、米国の拡大抑止が更に信頼性と弾力性を高める為に、日本における米国の戦力態勢を最適化する様に、両国が何をすべきかを議論しました。現在の再編計画は2012年に調整されましたが、厳しさを増す安全保障環境に対処する為、日米両国は基本原則を維持しつつ、計画を再調整する事にしました。

第3海兵師団司令部と第12海兵隊沿岸連隊を沖縄に残す事で、前方展開する米軍の部隊態勢はより多目的な能力を持ち、より弾力的で機動的なものになる。この取り組みは、日米同盟の抑止力・対処能力を大幅に強化すると同時に、日本の防衛に対する米国の強固なコミットメントを示すものである。これらの計画を実行するために、私達は米国側と緊密に連携していきます。

また、米軍の安定的な駐留と活動の為には、沖縄を始めとする地元の理解が重要である事を申し上げました。沖縄への影響軽減の為に、引き続き取り組んでまいります。