中国はチベットのガンジス川の支流にダムを建設しており、ダムの位置は、インド、中国、ネパールの三国国境の近く。このダムがネパールとインドの水の流れに影響を与える事が懸念されています。
インドでもこの中国の新しいダムについて大きく報道されており、そこではどのように見られているのか見ていきましょう。
「中国の戦略を分析すると、中国はインドの水域を攻略する戦略を立てている事が分かる。ダムが建設されている場所の近くには巨大な貯水池があり、中国はこの水を制御する為にこのダムを建設していると考えられています。」と報道されています。
中国は水を武器に使う可能性がある
多くのインドメディアは、中国はこのダムを通じてこの地域全体の水を支配する事で、インドを含む南アジア諸国に圧力をかけたいのではないかと報道。
チベット高原には大きな貯水池があります。中国はチベットの水全体は自分達のものだと主張していますが、インダス川、ガンジス川、ブラマプトラ川、イラワジ川、サルウィン川、長江、メコン川などの大河は、チベット高原に源を発しています。
これらの川は、インド、パキスタン、バングラデシュ、ミャンマー、ラオス、ベトナムを流れ、これらの国々の灌漑と飲料水の主要な水源となっています。
推定によると、チベット高原から中国やその他の近隣諸国に毎年約 7,180 億立方メートルの水が流れていて、この内、インドに約48%の水が流れています。これが、チベットの水に対する中国の主張がインドの懸念を増大させる理由です。中国がこの水をインドに対する武器として利用するのではないかと懸念が強まっているのです。
ダムを作ることで水の流れを変えることができる
専門家は、中国がチベットを流れる川に多くの大きなダムを建設していると指摘。
中国はダムを使って自国の灌漑システムを強化し、発電する事を計画している。
中国は、サルウィン川、メコン川、ヤンゼ川、ブラマプトラ川にこのような大きなダムを建設しており、インドとパキスタンを流れる多くの川で水が不足し、農業や飲料水に深刻な影響を与える可能性があります。また、中国はダムを通じてこれらの川の流れを完全に変える事ができるのです。
ガルワン渓谷でのインドと中国の衝突後、中国はガルワン川からの水の流れを止めていました。中国がガルワン川の水域を遮断した事で深刻な状況が生じ、復旧させねば、他の河川への水が遮断されると危惧されていました。