誰でも無料で使用できるガザ被害状況マップ

 

ガザ空爆による被害状況が随時確認できるGaza Damage Proxy Map

The colored overlay is a cumulative dama

· Middle East,【最新ニュース】,Daily News
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べリングキャットによるプロも活用しているガザ被害状況確認ツールGaza Damage Proxy Mapの紹介です。

https://www.bellingcat.com/resources/2023/11/15/a-new-tool-allows-researchers-to-track-damage-in-gaza/5

イスラエル国防軍(IDF)がパレスチナのガザ地区への爆撃を続ける中、多くの研究者がガザ地区の建物やインフラへの被害、地元住民の避難状況を追跡し定量化しようとしています。

そんな中で活躍しているのがこちらのツールGaza Damage Proxy Mapです。

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色のついた箇所はガザ地区の被害エリアです。ボタンをクリックし、地図上を指定すると、指定した地域の被害建物数と被害人口を推定する事ができます。

地理的に位置づけられた映像は青い三角形として地図に追加する事ができ、右上の "Layers "タブで利用できるようになります。

イベントをクリックすると、簡単な説明、日付、ソース・メディアへのリンク、イベントの座標へのリンクが表示されます。

このツールは、ガザ地区内の特定の地域における被害を受けた建物の数と戦前の状態を比較し推定できます。

元々はウクライナでの被害を見積もる為に開発されたツールですが、現在ではガザに応用されています。

このツールはすでに多くのメディアで使用されていますが、誰でも無料で使用でき、その主な機能には以下のようなものがあります。

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画面左側のDraw an Areaをクリックし、地図を範囲選択することで、そこで被害を受けた建物を色を付けて表示し、右側にそのエリアで起きたイベントを表示します。

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激しく損傷を受けたエリアはこちらの様に紫で表示されます。

この付近にボックスを描くと、破壊の影響を受けた建物と人々の数を大まかに定量化できます。

拡大します⇩

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画面左のボックスに以下のような推定値が表示されています。

☆推定被害建物

28 - 36戸

☆推定被災人口

3334 - 4420名

☆エリアの損害割合

65 - 87%

このツールがどのように機能しているか

合成開口レーダー(SAR)画像は、建物の損傷に関する学術的な研究や、2020年にベイルート港で起きた爆発事故の後、NASAのようなグループによって幅広く使用されています。

NASAはSARの建物損傷検知への利用について次のように説明しています。

「SAR装置は地表に向けてマイクロ波のパルスを送信しその反射波を聞く。レーダー波は雲や植生、夜の暗闇を透過して、可視光の画像には現れないような変化を検出することができる。

建物が破損したり倒れたりすると、レーダー波の反射の振幅と位相がその地域で変化し、地上の何かが変化したことを衛星に示す」

上記のアプリケーションは、2023年10月10日の前後でセンチネル1衛星に反射されたレーダー波の強度の変化を測定し、両期間の信号のノイズの大きさを調整することで、損傷地域を検出します。

アルゴリズムの詳細な説明(学会で査読済み)はこちら、2020年のベイルート爆発に適用したウォークスルー(コードを含む)はこちら

被害の可能性が高い地域が特定されたら、被害確率マップがマイクロソフトの建物のフットプリントと組み合わされています。大きな変化が生じたフットプリントは、被害があったものとして分類されており、ある地域内の推定被害建物の数(および割合)が算出されています。

Youtube等で戦争による被害を説明されている方には便利そうなツールです。我々の様な一般人にとっては、ニュースで報道されたエリアの被害状況を確認するのに役立つツールですね。

現在、戦闘が再開されガザ南部への空爆も報告されています。

その被害状況を確認する為にこのマップは有意義だと思われます。

ガザ北部被害状況⇩

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ガザ南部被害状況⇩

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