現在、1ルーブルが1セントになるレベルで暴落して話題のルーブルですが、ロシア政府がデジタル化を開始しました。ロシア政府は本日、デジタルルーブルの消費者テストを開始。
世界中から制裁を受けているロシア政府はブロックチェーン技術を活用する事で、国際的な制裁を回避し、国民の管理を強化する目論見の様です。
仮想通貨に特化した投資ファンドARK36の創設者ミッケル・モルチ氏はこの件について、「ロシアは制裁を逃れる能力を高めるだろう」とコメントしています。
モルチ氏はデジタル化により西側はロシアに制裁する事は極めて難しくなるし、今回のデジタルルーブルの立ち上げは「親ドル国と反ドル国の地政学的戦争の一環」だとも。
しかしながら、ルーブルのデジタル化はモスクワに市民に対する 「絶大な支配力 」を与え、究極の社会統制ツール として使われる可能性がある為危険だとも指摘しています。
ロシア国民もこうした危険性を薄々感じている様で、通貨のデジタル化に対して懐疑的な姿勢を崩していない様子。
VCIOM(国営ロシア世論調査センター)の調査では、ロシア国民の10人のうち6人がデジタル通貨を受け入れることに躊躇している事が明らかになっています。そして世論調査の回答者の 30% はデジタル ルーブルの使用を希望。
デジタル化は利便性が上がる、不正行為などを撲滅できると良く日本でも紹介されていますが、私はこの部分についてはある程度慎重にやった方が良いと思っています。
政府に強烈な権力を与えるのには間違いありませんからね。
導入するにしても、政府が何が出来て、何をしてはいけないのか明確にしてからでも遅くはない。
実験を進めるのには賛成ですが。
本日の報道ですが、ロシア国営メディアタス通信によると、デジタルルーブルの導入にあたり、ロシア政府はデジタル人民元のシステムとデジタルルーブルを統合する事で導入をスムーズにしたいようです。
中国が数年前からデジタル人民元の開発で先行しているので、中国のシステムを生かす事で、ロシアではデジタルルーブルをより迅速に国内に導入する事が出来ると露金融市場国家下院委員会の委員長であるAnatoly Aksakov(アナトリー・アクサーコフ)は語っています。
「ロシアが国家としてルーブルをデジタル化するにあたり、中国のデジタル元とロシアデジタルルーブルを組み合わせる事で、ルーブルが中国のシステムに、人民元がロシアのシステムに流れるようにする事を目指しています。そうする事で貿易が非常に調和的になります」