アルゼンチン上院、所得税廃止法案を木曜日(9月28日)に可決

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https://youtu.be/IGV8tCa0L4U?si=IXIRVQZWgWhDevz4

正規雇用労働者のほとんどへの所得税を廃止する所得税廃止法案可決の動機はアルゼンチン与党が10月の大統領選挙に向けて支持率を上げたいからだと思われます。

この措置は、通貨暴落による狂ったようなインフレ率の上昇で阿鼻叫喚状態の国民を救済するためにとられたものとされていますが、経済アナリスト達は現状のアルゼンチンがこれをやると財政赤字をさらに悪化させるのではないかと懸念しています。

 

アルゼンチンのインフレ率⇩

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アルゼンチンのインフレ率は2022年から急激に上昇し、たった一年でなんと2倍の120%になりました。

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ハイパーインフレとまでは呼べませんが、すべての商品の価格が上昇し、通貨の実質的な価値が急速に失われて行っています。

 

ドルペソ⇩

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2022年1月アルゼンチンペソは1ドル100ペソでしたが、現在は1ドル350ペソと暴落が加速しています。

 

選挙対策用の効力が無い減税法案

9月28日、所得税を撤廃する法案がアルゼンチン上院で38対27の賛成多数で承認され、フェルナンデス大統領によって署名される予定です。

しかしながら、アルゼンチンは既存の政令により、既に正規労働者の約99%の納税を免除しています。

新法は所得税を完全に撤廃するものですが、現状でも所得税の対象となっているのは、月収5057ドル以上の労働者のみで、労働者全体のごく一部です。

この為大統領選挙に向けた与党のポーズだと言われています。

現在、次期大統領候補は与党候補ではなく、野党の候補が筆頭候補となっており、与党は大苦戦しています。

現在、アルゼンチンの8月の大統領予備選で急進的自由主義者のハビエル・ミレイ氏が予想外の勝利を収め、10月22日の総選挙でミレイ氏が与党の与党候補を抑えて大統領になる可能性が高まっています。

ミレイ氏はアルゼンチン中央銀行を閉鎖し、政府の規模を縮小し、経済をドル化する事を公約に掲げています。

https://youtu.be/PqG6wCaGeqQ?si=vtEQXbceysIE5F9F

もし、大統領に就任すればとんでもない変化がアルゼンチンに起きるでしょう。

現在の与党が凄まじい親中派で脱ドル化を中国政府やロシア政府と進めているのに対して、ミレイ氏は中国がとても嫌いで、中国政府について「私は共産主義者との関係を促進しない」と宣言しています。

脱ドル化にもBRICSにも興味が無いとの事。

 

ミレイ氏に対抗し、与党は減税を打ち出す一方で、多額の支出によって選挙で失った地盤を取り戻そうとしています。何百万人もの非正規労働者に手当てを与え、社会保障費を増やし、公務員の給料を上げようとしています。

この支出には2兆ペソ(8550億円位)がかかり、その大部分は中央銀行の通貨供給で賄われるため、更にインフレを煽るかもしれません。