2019年韓国を「ホワイト国」から除外した時の様子
韓国政府は2019年時点でも「北朝鮮に輸出しておらず輸出管理徹底している」とアピールしていました。しかし、韓国の国会議員が産業通商資源省から入手した「戦略物資無許可輸出摘発現況」リストには当時の杜撰な管理状況が記載されていました。
2015年から2019年3月まで、韓国から戦略物資が無許可で流出した不正輸出案件は156件に上り、不正輸出されたのは、いずれも、NSG(核兵器製造・開発・使用に利用可能な物品を統制する多者間国際体制) 、AG(生物化学兵器製造・開発・使用に利用可能な物品を統制する多者間国際体制)などを通じ国際社会が厳しく統制・監視している物資でした。
それが2023.3.16に解除されました。丁度、韓国大統領が来日し岸田首相と会談しているタイミングで、です。
NHKは
日本政府 韓国向け輸出管理解除へと報道し、韓国でも大きく取り上げられました。
韓国メディアはこの様に報道しています。
韓国産業通商資源部は16日、第9回日韓輸出管理政策対話で、日本側がフッ化水素・フッ化ポリイミド・フォトレジスト3種に関する輸出規制措置を解除する事を決断したと明らかにした。
韓国産業通商資源部は6日、日本による輸出規制問題の原状回復のための二国間協議方針を発表した後、14~16日に日本経済産業省と第9回韓日局長級輸出管理政策対話を開催していました。
政策対話では、両国の輸出管理当局の体制、制度運用、事後管理などを含め、輸出管理の実効性について緊密な意見が交換されこの結果となった。
産業部の関係者は「ホワイトリスト解除についても、早期に原状回復されるよう緊密に議論していくことにした」と述べた。
日本経産省は韓国側の輸出管理当局の体制・運用の拡充、制度の措置状況等について検証した結果、その取組や実効性の改善が認められ、3品目(フッ化水素、フッ化ポリイミド、レジスト)に係る輸出管理の運用見直しを行うと発表。
どの様な確認作業を行いフッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの輸出管理を廃止したのかは分かりませんが、解除に至ったようです。日本に来日している韓国大統領への土産ではないかとも思えました。
日本の経産省は安全だと言っていますが、韓国国家情報院は昨年8月、2017年~2022年2月の間だけで産業技術の海外流出事件が99件発生し、その3分の2が中国に流出したと発表しています。
最近見られるパターンとしては韓国半導体関連企業の社員を中国が買収し企業秘密を持ち出させるやり方です。今年一月には韓国の国産半導体チップの中核技術である化学機械研磨技術を、高給を餌に中国共産党に流出させた人間が起訴されています。2022年10月にも半導体技術窃盗容疑でサムスンの現社員4人が起訴されています。半導体関係者曰くこの手の窃盗は日常茶飯事との事・・・
↓(人気ユーチューバーのとっさんも解説してくださった以前の記事)
韓国政府自体がこうした広範囲に渡る不正行為を防ぐのは困難だと言っており、なので日本の経産省が何を根拠に安全だと判断したのかには疑問が残るところです。
西村大臣はフッ化水素など3品目の輸出管理措置は緩めていないと言っていますが、韓国産業通商資源部の第9回日韓輸出管理政策対話で、「日本側がフッ化水素・フッ化ポリイミド・フォトレジスト3種に関する輸出規制措置を解除する事を決断した」という発表をしており食い違います。
西村大臣を信用したいところですが、日本経産省も「韓国側の輸出管理当局の体制・運用の拡充、制度の措置状況等について検証した結果、その取組や実効性の改善が認められた」と公式で発表している以上、そのまま西村大臣の発表を信用するわけにはいきません。
青山議員によると韓国を「ホワイト国・グループAに戻す」事は阻止できたとの事。
「フッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの3品目に限っては、経産省がチェックして信頼できると判断した日本企業から、韓国に一定の管理で輸出することを認める措置だけは、新たに決まりました。」
そして、あまりメディアは報道していませんが、今回の輸出管理緩和に合わせて、日韓政府同士で防衛に関する秘密の軍事情報を教えあう仕組みであるGSOMIAも「日韓で完全に正常化する事で合意」されています。