テスラが中国政府から嫌がらせを受けていると話題

 

実際はどうなのか? 中国本土での売り上げは減っているのか?なぜ嫌がらせを受けているのか?

 

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これは湖南省岳陽市にある三荷空港の駐車場の入り口に設置された「機密管理区域、テスラ車は立ち入り禁止」と書かれた看板です。

8月13日空港のスタッフによると、駐車場には確かにテスラ車の立ち入りを禁止する張り紙が貼られており、この掲示は数ヶ月前から掲示されていたという。

テスラ車所有者が駐車したい場合は、空港の外の駐車場に入れなければなりません。

理由は、テスラ車には所有者が車を停めてた後にも周囲の環境を記録する特定のモードがある為だと主張しています。

 

テスラ車の江西省テレビ局敷地内への立ち入りを禁止する看板

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浙江省行政センターは、各種行政センターにテスラ車で乗り入れる事を禁止すると発表

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テスラの地方行政センターへの入場拒否の通知

駐車スペース不足の為、2021年5月31日00:00以降、行政センター(3つの中庭を含む)へのテスラ車での乗り入れをお断りいたします。 各部署は全職員にお知らせください。

 

武漢鉄道公安部はテスラ車の駅構内への駐車を禁止する通知を出しています

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完全に、外資が管理しているEVは特定の場所に入る事が禁止されています。したがって、安全を確保する為に必要な予防措置を取り報告してください。

 

杭州交通警察がテスラ車の高架道路での走行を許可しなかった様子

https://youtu.be/1e9eKGM_zQ8?si=Nq9Z1dQtZ_XfokrY

最近、杭州の高架道路でテスラ車を運転していた男性が交通警察に呼び止められ、テスラ車を運転しているという理由だけで高架道路から降りるよう求められました。 男性はその理由があまりにもおかしいと思い警察に問い質したところ、交通警察は問答無用で高架道路から彼の車を下道に下ろしました。男性は「こんな事をするなら、テスラ車の販売を禁止すればいい」と憤慨。

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この様に最近、中国国内ではテスラに対する規制が増えていますが、その背景の一つとしてテスラとアップルは最近、中国の反スパイウェア・キャンペーンの標的となっている事が原因ではないかと言われています。また、中国は外資企業に対する取り締まりを今後更に拡大する見込みだとも。

 

何故このような嫌がらせをするのでしょうか?セキュリティの為と中国政府は主張していますが、それだけではないように感じます。

と言うのも、テスラは中国本土でも売り上げが好調で利益率も高いのですが、BYDのような中国EV企業は売り上げが好調でも利益率が高くなく、このままビジネスを続けていけばテスラに中国国内で淘汰されてしまう様に見えるからです。

今のうちにテスラの力を削ごうとしているのではないかと感じます。

テスラと中国EV企業の利益率の差

中国国内での今年のEV売り上げは、BYDの上半期の販売台数が125.6万台に達し、年末の目標台数300万台の約42%を達成し、販売台数では最大の勝者となっています。

中国でのEV販売台数二位のテスラは上半期に89万台を販売し、年間目標の50%を達成、年間目標の達成は問題ないと言われています。

2022年の世界の新エネルギー車販売台数は1009万台、普及率は14%です。 中国国内だけでの販売台数は620万台で、2023年6月までの新エネルギー車の普及率は30%を超え、中国は世界平均の2倍以上になりました。

しかし、販売台数が多くても利益を上げている中国EV企業は少なく、むしろ非常に深刻な状態で損失が膨らんでいると言われています。

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この図はテスラ()、BYD()、蔚来(NIO)(小鵬(シャオペン)汽車(理想汽車(リ・オート)(水色という代表的な中国EVブランドの利益率表です。

これを見ると、テスラの利益率が良好に維持されている事が分かります。

勢力を伸ばして販売台数No1になったBYDはEV量産を開始した2021年以降、利益率が非常に低くなっています。

蔚来(NIO)と小鹏に関しては、利益率は更に低く-50%になり、2020年以降は急落し、悲惨なまでに落ち込んでしまっています。理想汽車はプラスになったりマイナスになったり安定していません。

BYDの1台当たりの利益をテスラと比較してみると、2022年以降、BYDの利益は控えめで、ピークは1台当たり約1万元(20万円位)、低い時期は僅か2,800元(56000円位)である事が分かります。

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テスラはどうでしょうか?高い時は1台あたり7万4,000元(148万円)、低い時でも1台あたり4万2,000元(84万円)と比較になりません。

これでは売れば売るだけ差が付いて行ってしまいます。

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BYDは販売台数では今年1-6月で首位ですが、ビジネスとしてはテスラに負けています。

蔚来、小鵬汽車はこのままEVを売っていればやがて倒産するでしょう。

現在、中国国内のEVの普及率は30%を超えており、淘汰が始まっていますが、淘汰が始まった途端に中国EVメーカーの殆どが実際に赤字になっているのは中々興味深い状況ですよね。

現在、EUや米国、英国が中国産のEV規制を強めようとしており、ヨーロッパを主要な輸出先としている中国EVメーカーにはこうした国内情勢とあいまって更なる試練が訪れそうです。

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この様な状況ですので、中国EV企業は中国国内で値下げを行いプレッシャーをかけてくるテスラに大変苦しめられています。

中国EV企業は中国政府が補助金を入れて育てている国策企業です。これらがテスラに追い詰められている現状は中国共産党にとって面白い訳がなく、中国EV企業と利害関係のある地方政府がテスラに対してこうした嫌がらせを行っている側面もあるのではないかと推測。

現在はまだそれほど激しくはテスラを排除するような動きは中国国内ではありませんが、いずれ本格的に排除される可能性は拭えません。

 

テスラ株価⇩

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