今年、イタリア政府は農業を守る為に、農業地域における地上設置型太陽光パネルの設置を禁止しました。
メローニ首相は、農地への太陽光パネルの設置は「我々の食料主権に対する脅威」だと述べており、速やかな措置を取り、脱炭素政策よりも食糧供給を優先しています。
イタリア政府が農地での太陽光発電設備の設置を禁止したので、イタリアの太陽光発電業界団体は、この措置によりイタリアに645億米ドル(9兆6100億円位)の損害が出るメローニ政権を脅し、環境団体は政府がG7のパートナー国と合意した環境目標を損なっていると騒ぎました。
太陽光発電業界の利権が絡んでいるから気候変動・脱炭素を名目に必死に抵抗してきています。
一方、メローニ政権の主要な支援団体である農業ロビー団体は、太陽光パネルは耕作と相容れないとして、長い間パネルの制限を求めてきました。
イタリアでの太陽光パネルによる景観破壊
・2021年、イタリアのシチリア島文化遺産委員会は、美観と文化的な理由からメガソーラー発電所の建設を阻止しました。
放っておくと、青銅器時代の古代遺跡等に太陽光パネルが敷き詰められるからです。イタリアの考古学者はメガソーラー発電所が建設される予定の土地は、考古学的発見物が豊富で、そんな場所にこんなものを敷き詰めるなと抵抗しています。
・トスカーナ地区では毎日何十件もの風光明媚な観光地へのメガソーラー設置認可申請が届き、もし、認可されれば自然遺産、景観、農業資源が取り返しのつかないほど破壊される事になると問題化しています。
進行しているメガソーラープロジェクトの数は数百に及び、自然や景観への攻撃は止まらず、トスカーナ州と州全体の運命と経済に取り返しのつかない損害を与えそうだと現地の方々が嘆いています。
・サルデーニャには既に国家レベルで風力発電による十分なエネルギー生産量を誇っているにも関わらず、風力発電所やメガソーラー発電所に対する新たな利権を求め、プロジェクト開始の要望が殺到しており、その数は過剰だと危惧されています。
サルデーニャが提供する公式データによると、800を超える風力発電・太陽光発電プロジェクトが発表されており、毎週30件~40件の新しいプロジェクト申請が増え続けているそうです。
これが罷り通ればサルディーニャの遺跡や自然は取り返しのつかないダメージを受けます。
少し見ただけでもイタリアでもメガソーラーによる自然破壊が大問題になっているのが分かります。
メローニ首相は英断でした。
https://youtu.be/ElCDRsdt2MM?si=J9TlW8IfxMiO7KOD
日本も他人事ではありませんね。イタリアと同じく美しい自然を誇る日本の山々もゾッとするような姿に日々、変貌していっています。
https://youtu.be/SP6y47JN8p8?si=Z1ajt05A8TFUFPnB
そして残念な事に、イタリアと比べてこうした自然を守ろうとする意識が日本人には少し薄いようにも感じます。