中国政府が保守州のユタ州の議員を親中派に変えて、州の政策を中国に有利な様に変えた経緯

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敵対国や侵略したい国で親中派を作り、その国の政策に影響を与える為の中国の世界的な内政干渉工作が驚くべき場所で発見されたとAP通信が報告しています。

中国による浸透工作が行われていたユタ州は非常に宗教的で保守的な州ですが、見事に中国に良いように操られてしまいました。

AP通信の調査によって中国政府はユタ州の当局者や議員との関係構築に何年も費やしてきた事がわかっています。

中国の工作の結果、ユタ州の議員達は北京に不都合な法案成立に反対し遅らせたり、北京を非難する決議案を破棄したり、ユタ州と中国の友好関係を強調し支持を表明する様になりました。

中国政府は相手国の地方レベルで味方を確保しようとすると米国当局は指摘しており、地方政府の指導者が中国に操られる危険性について、国家安全保障への脅威とみなしています。

元FBI防諜捜査官のフランク氏は「ユタ州は重要な足がかりとなる場所だ。中国がソルトレイクシティで成功すれば、ニューヨークや他の場所でも成功する可能性がある」と指摘しています。

ユタ州での中国の工作は地域コミュニティーに合わせた形で行われ、中国の工作員がモルモン教会に所属していることをアピールしていた事がAP通信の調査で分かっています。

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※参考 日本の地方自治体を活用して、日本政府の対中強硬姿勢を崩す

中国メディアは「日本の地方自治体の独立性を上手く活用し、中国との友好を強化し、外部勢力(米国)が勝手に干渉するのを防がなければならない。」とまで報道しています。

玉城デニーの様な知事を育て、米国等を排除し中国に有利な状況を作っていくべきだとしており、ユタ州で行っている様な作戦を日本でも地方自治体をターゲットとして行っている事が分かります。

厚かましくも、もはや隠していないのです。

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習近平は、2015年に米国を訪問した際、準国家レベルで中国との友好関係を成立できなければ、国家レベルで(中国に有益な)結果を得る事は非常に困難であると述べています。

ワシントンの中国大使館の報道官はAP通信の調査に対して「こうした地方州との交流に汚名を着せ、中傷する言動は下心のある政治目的によるもの である」と述べて否定していますが、国家安全保障上の懸念を抱かせるような方法で、これほど積極的に地元のリーダーを口説いた国は中国以外ありません。

今月初めに発表された米国の年次脅威評価レポートで、FBIは西側からの中国への監視が強まる中で、中国が米国の地方での影響力工作活動を「倍増」させていると報告しています。

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全米防諜安全保障センター( NCSC  も去年7月に州や地方の当局者に対し中国の影響力工作について警告し、FBIのクリストファー・レイ長官は中国が「早くから米国内でスパイになる人材を育成し、多くの場合、州や地方の役人が対象となっている。米国政府のあらゆるレベルの政治家が北京に従順になる事を求めている」と非難しています。

オーストラリア、カナダ、イギリスなど、他の国の当局も同様の警鐘を鳴らしておりますが、日本は地方自治体への浸透工作には何も触れていません。

 

※参考 奈良県荒井知事は中国の複数の地方政府を集め、日本の地方自治体と引き合わせ交流を行わせています。

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奈良県荒井知事は東アジア自治体会議を主催しており、中国を主軸とした脱炭素政策プロジェクトをイベントを開き推進しています。石川県、山梨県、静岡県、和歌山県、鳥取県、徳島県、香川県、熊本県など地方自治体の代表を集め、彼らに対して中国地方政府との共同プロジェクトなどを売り込んでいると思われます。

 

AP通信はインタビュー、公文書公開請求によって入手した数百ページの記録、テキストメッセージ、電子メールを確認し、中国がユタ州で頻繁に立法と広報において勝利を収めている実態を明らかにしています。

中国に好意的なユタ州の議員達は孔子学院を閉鎖する為の措置を1年間遅らせています。

また、中国は学生交流を浸透工作に多用します。

2020年、習近平はユタ州の小学4年生のクラスに、旧正月のお祝いのカードを送ってくれた事に感謝する手紙を送りイメージアップ戦略を行っていました。

そして「中米友好の若き "大使 "になって欲しい」と子供らに呼びかけた。

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中国の国営メディアはユタ州の生徒達が習近平の手紙に歓喜の声を上げたと報じています。 「習おじいさんは本当に手紙をくれたんだ。彼はとてもクールだ!」と。

この様に 無法国家中国の指導者を優しい祖父のように描く事は、中国のプロパガンダではお馴染みの表現です。

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※日本国内では駐日本大使や公明党が創価を通じて日中学生交流を行っており、ユタ州とほぼ同じ構図です。

例:若き大使が日中友好の希望を掲げる。天津南海高校と創価学園高校が若者のオンライン友好交流会を開催

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ユタ州議員と中国政府

ユタ州議員は中国に訪問中、中国政府高官にもてなされ、何らかの形で親密な関係を築き、中国の国営メディアに北京のプロパガンダを支持する形で引用され活用されています。

ユタ州議員が北京を訪問し、中米間の知的財産分野の交流・協力促進のため協議している様子。⇩

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ユタ州では、公務員の海外旅行中の状況を詳細に報告させる事を義務付けていない為、議員と中国との金銭的な関係を明らかにする事は難しい。なので、ユタ州で最も親中派の議員の中には、中国に関連した個人的なビジネスを行っている者もいる様です。

ユタ州と中国との関係の大部分が中国政府や、中国の民間スパイ機関に所属する中国移民2人によって築かれた事がAP通信で明らかになっています。

この2人は中国に不利になる決議案に反対し、ユタ州議員と中国政府関係者との会合を設定し、議員の中国訪問に同行し、北京との関係構築について助言していたという。

AP通信の調査結果を見て法律の専門家は、彼らが中国当局者と繋がっている事もあり、FARAとして知られる外国代理人登録法に基づいて司法省に登録する必要があると指摘しています。

外国代理人登録法は、議員や世論に影響を与える為に外国企業の代理として活動する者に登録を義務づけているが、その範囲は大きな議論の対象であり、施行もまちまちでした。

※日本には外国代理人登録法」は存在しておりません。先日、参政党の神谷氏がこれの必要性を質問したのが見受けられた程度です。

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ユタ州で工作活動を行っていた中国人移民について

中国籍のリーは1980年代にユタ州に移住し、1998年からウィーバー州立大学の情報技術教授を務めており、1990年にモルモン教に改宗していた。

2003年から2017年までは、中国の遼寧省政府の代表をしており、遼寧省政府は中国共産党が管理していますが、遼寧省はユタ州と長年に渡り「姉妹」関係にある省です。

電子メールやインタビューによって遼寧省での仕事を辞めたと言った後もリーは工作活動を続けており、中国政府関係者からのメッセージをユタ州の議員に頻繁に転送し、中国大使館が州政府関係者との会合を設定するのを手伝っていました。

昨年、中国大使館職員がユタ州知事に、中国の駐米大使との懇談の機会を与えようとして失敗した後、リーは知事に懇談を受けるよう個人的に嘆願書を送って口説いています。

コックス知事と一緒に写っている写真が飾添えられた手紙には「あなたの家で開かれた新年会であなたが話してくれた事が今でも忘れられず、大切にしています。あなたは、私がユタと中国の間の良きメッセンジャーであり、友好の架け橋になることを信じていると言ってくれました。」

州上院議長のスチュアート・アダムスは、2020年初頭にコロナウイルス用の治療薬を大量に入手しようと奔走していたとき、リーを頼った事がメールやインタビューから明らかになっています。

リーはアダムズと同じモルモン教の修道会に所属していました。(接近する為と思われる)

 

議員を親中派にする為に宗教を活用する

リーのアプローチの特徴は、議員への働きかけに宗教を活用することです。メールやテキストメッセージ、手紙の中で聖書やモルモン書の聖句を引用し、教会の会長兼預言者であるラッセル・ネルソンが中国について述べたポジティブなコメントを散りばめています。

中国政府はここに目を付け、教会との友好的な関係を築こうとしていました。ユタ州を訪れた中国の外交官や官僚は、教会のトップメンバーや議員に会う機会が多い事が電子メールやその他の記録で明らかになっています。

ユタ州の政治や州全体のアイデンティティに大きな役割を果たす教会にとって、中国への進出は最重要目標でした。ユタ州の住民の多くは宣教師として海外に住んでおり、ユタ州の公立学校のいくつかは幼稚園から高校まで中国語を学ぶプログラムが充実しています。

教会は歴史的に信教の自由を擁護してきたが、リーはユタ州の議員が中国政府によって迫害されている宗教家や団体(法輪功などの事です)を支援するのを止めさせようとしました。

2021年にユタ州の議員がウイグルジェノサイド非難決議案を提出したとき、リーはテキストメッセージでその議員を非難し、中国政府に対する好ましくないメディアの報道を糾弾しました。

「偏った報道だけに頼らず、神に祈り、聖霊の導きを求めて、これらの問題について熟考してください」とリーは触れ回った。

ユタ州のウイグルジェノサイド決議案はその年に失敗し、1月に提出された同様の決議案も阻止されました。

 

どこかで聞いたような話ですね・・・

そう、日本でもカルトを利用して中国共産党はこの工作をしていますよね?

顕著なのは公明党がウイグルジェノサイド非難決議案を潰した事例です。

対中決議案、公明幹部の意向で「非難」削除 今国会採決も見送り
日本政府でもユタ州に起こっていたのと同じ様に、中国共産党が公明党に働きかけてウイグルジェノサイド非難決議案を潰した可能性があります。

創価学会が教会の役割を果たしていると思われますが、それがよく表れているのが創価大学学長の以下の発言です。

「創価大学は常に、日中平和友好に関する池田大作先生の信念を貫き、中国の70余りの大学と協力協定を結び、大学生代表団を何度も派遣してきた。

日中国交正常化50周年を迎えて、引き続き日中友好交流に力を尽くし、両国国民の相互理解と友好的感情の増進、日中関係の改善・発展に寄与したい。」

この発言への報酬として創価大学には『中国が人類運命共同体を築く』という本が中国政府から寄贈されています。

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こうした事を背景に公明の山口代表が自民党の防衛費2%公約に「1%枠保つべき」と反対していた可能性があります。

先日も中国福岡総領事と創価理事の山本氏が習近平の政策を讃え、創価学会は日本や九州地方における中国との協力促進により大きな役割を果たすと約束しています。
https://www.fmprc.gov.cn/web/zwbd_673032/gzhd_673042/t1906814.shtml

ユタ州で親中派議員を量産したリー氏の正体について。

リーは中国海外友好協会の理事を務めており、同協会は統一戦線工作部(米国政府が秘密裏に悪質な対外影響活動を行う組織と認定している中国共産党組織)と連携している組織です。

2020年、中国共産党が支配する権威ある諮問機関である「中国人民政治協商会議」の北京での会議にリー氏は出席しています。

 

こうして見ていくと中国政府が外国で影響力工作を行う際のやり方は各国で共通している事が分かります。

地方自治体の知事や職員を中国に呼び込み懐柔し、中国が思うように動かそうとしたり、カルトを信者拡大のチャンスだと取り込んで言いなりにして利用しているのです。