Super Micro Computer (SMCI) の経営不安による暴落は一見、日本には関係の無い遠い話に見えますが、問題はこの会社が米国相場を牽引しているNVIDIAの主要顧客(Super Micro ComputerがNVIDIAの第3位の顧客)である事です。
Super Micro Computer (SMCI)へのNVIDIAの売上の規模は、第 2 四半期のNVIDIA全体の収益の11%を占めています。
先月の時点でも、NVIDIAの総収益の約9%をSuper Micro Computer (SMCI)が占めていると報道されていました。
Super Micro Computer (SMCI)はカリフォルニア州サンノゼに拠点を構え、高性能・高効率のサーバーやストレージシステムを設計・製造する企業で、最近、史上最大規模のAI工場のいくつかに、液体冷却ソリューションを備えた10万個以上のGPUを導入したと発表し活躍が報告されていました。
この会社が倒産する事によりNVIDIAの売り上げが急減すれば、NVIDIAの株価も下がり、米国相場全体に影響を与えます。
NVIDIAの株価が大きく下げれば、米国株全体が下がり、それに連動して日経平均も下がります。
その為に、この件は日本株にとっても重要な問題なのです。
会計士が逃げた事が発覚し暴落したSuper Micro Computer株の様子⇩2時間足
昨日50ドル付近だった株価は一気に29ドルへと下落。42%近く落ちてますね。
週足で見てみると⇩
年始の価格まで戻ってきてしまっています。ここまで落ちてしまうと、これ以上は下がり辛いかもしれませんね。去年の強い水平線で価格の下落がストップしています。
売上が急減したり、倒産してしまわなければ被害は限定的かもしれません。
昨夜21:45分位からのSuper Micro Computer暴落時のNVIDIAを見てみると⇩
やはり同じタイミングで急落していました。NVIDIAは138ドル付近から132ドルと4%以上下落。
日足レベルで見てみるとまだそこまで影響はありませんが、125ドルを割り込みサポートを割ってくると危険な状態に入ってきます⇩
NVIDIA株価は旺盛なAI需要に支えられていますので、滅多な事にはならないとは思いますが、株価が崩れないか警戒は必要です。
昨日はNVIDIAだけでなく、マイクロソフトやappleも下げた為にS&P500も下落。
その流れを受け日経先物も昨夜下落し、そのまま日経平均も下げてスタートしています。
因みにマイクロソフトが下げた理由は、今四半期は人工知能への支出が増加すると予測したものの、クラウド事業のAzureの成長は鈍化すると予想、現在行っている大規模なAI投資ではデータセンターの容量制約に対応するには十分ではないと発表したからです。