アルゼンチンの中国宇宙ステーションは南西部ネウケン州のバハーダ・デル・アグリオ村から18マイルの場所にあり、2014年に中国政府と社会党政権との協定により建設されました。
この宇宙ステーションは人民解放軍(PLA)戦略支援部隊の管轄下の為、米国防総省はアルゼンチンの中国宇宙ステーション(人民解放軍管理)について、米国および同盟国の衛星を監視し、潜在的に標的にする可能性があると警告していました。
中国はこの基地の活動を完全にアルゼンチン政府に対して秘密扱いしていて、アルゼンチン政府に対していかなる監督も行わせていません。理由は当時の社会党政権が結んだ協定には、アルゼンチン当局がその活動に「干渉できない」と定められているからです。中国共産党は、この基地は「平和的な宇宙観測と探査」の為に使われていると主張。
アルゼンチンの中国宇宙ステーションの位置について見てみましょう。
引きで見るとここになります。
良く見てみると解放軍の海軍基地と表示されますね。
この中国人民解放軍基地敷地内にはアルゼンチン国民も政府も立ち入れなかった様です。
こうした状況を受け、ミレイ大統領は動き始めました。
アルゼンチン大統領府関係者は、ミレイ大統領が中国の秘密基地に視察要請を出す事を検討しているとメディアに語り報道されています。
「当時の中国との契約で定められた内容から、何が建設され、何が建設されなかったのかを確認する必要がある」とアルゼンチン政府は発表しており、今後人民解放軍がアルゼンチンの基地で何をしていたかが明らかになる可能性があります。
今週、アメリカ南方軍(SOUTHCOM)のローラ・リチャードソン司令官が、アルゼンチンとの防衛・安全保障協力の為にアルゼンチンを訪問していますが、これに合わせて発表が行われた様です。
駐アルゼンチン米国大使も日曜日、アルゼンチン紙ラ・ナシオン アルゼンチンのインタビューを受け、アルゼンチンが人民解放軍に自国領土での基地運用を許可している事に驚いていると以下の様に述べています。
「アルゼンチンが人民解放軍をネウケンで秘密裏に活動させている事に驚いています。私はこの宇宙望遠鏡を操作しているのは人民解放軍の兵士だと理解している。私は解放軍が何をしているのか知らないし、アルゼンチン人も知らないと思う。大丈夫ですか?」
中国政府はミレイの前任者である社会主義者で親中のアルベルト・フェルナンデス前大統領政権時代に、アルゼンチンの不安定な経済・社会状況につけこんで、アルゼンチンのエネルギー産業の大部分など、国の戦略的部門のいくつかを掌握してきました。
フェルナンデスは2022年2月、北京を公式訪問した際、アルゼンチンを中国の「一帯一路構想(BRI)」債務トラップ・プログラムに参加させる事に成功しています。
この基地を2014年に当時の大統領であるクリスティーナ・エリザベット・フェルナンデス・デ・キルチネル大統領に承認させたのは、キルチネル夫妻の最側近で政権の黒幕と呼ばれたカルロス・ザニニだったと言われています。
カルロス・ザニニは毛沢東主義への傾倒しており、通称「エル・チーノ」(中国人の意)と呼ばれていた男。
他国の政権にスパイを潜り込ませ、大統領すら操り、政策自体に影響を与える中国政府の影響力工作のよい例です。
我が国にも厳格なセキュリティクリアランスが重要な理由ですね。