億万長者のビル・アックマン氏は、香港ドルペッグがまもなく崩壊すると予想しており、自身のヘッジファンドであるパーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントは香港ドルに対して大規模なショートポジションを取っていると発表しています。
最近、Bloombergは香港ドルと米ドルとの関係を維持する為の社会的および経済的コストは、香港政府が負担し続けるにはあまりにも大きくなっている可能性があると報道していました。
アックマン氏はBloombergと同じ見方をしており、アジアの金融センター香港で高まる圧力の中で香港ドルペッグは維持できなくなり、現在のレートを放棄する必要が出てくるかもしれないと述べています。
記事では中国の政治的干渉やFRBの利上げが、急増する債務と資産価格の下落に揺れる香港経済に悪影響を及ぼす事がドルペッグ崩壊の主な原因だと指摘されていました。
また、アックマン氏は「中国が本当に強力な独立国家なら、なぜ自国通貨(元)と香港の通貨を米ドルに固定する必要があるのだろうか」と付け加えています。
https://twitter.com/BillAckman/status/1595578655840899073?s=20
米国のファンドマネージャーであるカイル・バス氏は、香港ドルペッグ崩壊に対して長い間賭けてきており、「非同期経済に利用されている、硬直した通貨ペアは失敗する運命にあります」と指摘しています。
香港財務長官はこうした米国投資家の発言やメディアの報道に対して、「香港ドルに反対する者は必ず負ける」と反論し民衆を宥めました。
現場はどうなっているんでしょうか?
中国メディア香港新浪はこの様に伝えています。
今年に入ってから、香港の為替レートは下落を続けています。
Linked Exchange Rate Mechanism によると、香港金融管理局は 5 月 12 日以降、40 件の香港ドルの売り注文を行い、それは総額 2,411 億 7,100 万香港ドル(4兆2,819億円程度)に達しました。
2022.11.25時点の1 香港ドルは17.76 円です。
1元は19.36 円
香港の銀行システムの総残高は 11 月 8 日に 969 億 7700 万元(1兆8,774億円程度)に減少し、1000 億元を下回りました。
https://www.hkma.gov.hk/eng/key-functions/money/linked-exchange-rate-system/
ポール・チャン財務長官は今月初め、香港には連動為替相場制の下での運用を支える強力な緩衝装置と銀行システムがあると述べ、香港ドルは米ドルに固定されており、外貨準備高は4300億米ドルに達する為、「香港ドルに対して賭ければ、必ず負ける」のだと付け加えました。
香港管理局のレイモンド・チャン副局長も昨日、資本が流出しているにも関わらず、連動為替相場制度に対する信頼は高いままであると述べた。 米国の利上げサイクル以降、香港の株式市場は下落し、金利差によって香港ドルシステムから資本が流出したと説明。 香港ドルは5月以降、連動為替レートシステムの設計と期待に沿って米ドルに対して弱く推移し、市場は香港の金融安定維持に重要な役割を果たす連動為替レートシステムに対して高い信頼性を維持しているという。
香港ドルは今年に入ってからも弱含みで推移し、弱気サイドのConvertibility Undertakingの水準である7.85まで何度も下落。 連動為替レート・メカニズムに基づき、5月12日以降、香港金融管理局は40件の香港ドル売り注文(総額241,171百万香港ドル)を受けています。 香港の銀行システムの総資産残高は11月8日に969億7,700万ドルに減少し、1,000億ドルの大台を割り込みました。
https://m.sina.com.hk/news/article/20221124/0/2/67/%e5%a4%a7%e9%b1%b7%e4%be%86%e4%ba%86%e4%b8%a8%e5%b0%8d%e6%b2%96%e5%9f%ba%e9%87%91%e5%90%8d%e5%ae%bf%e6%8f%9a%e8%a8%80%e6%b2%bd%e7%a9%ba%e6%b8%af%e5%85%83-%e6%8a%bc%e6%b3%a8%e8%81%af%e5%8c%af%e8%84%ab%e9%88%8e-14845588.html