米海軍は海軍全体にDeepSeekを「仕事関連のタスクや個人的な用途」に使用しないよう命令を出しています。
金曜日に メールで出された警告の中では、DeepSeekのAIは 「そのモデルの起源と使用法に関連する潜在的なセキュリティと倫理的な懸念 」がある為、「どのような立場でも 」使用しないようにと書かれています。
メディアが米海軍の広報担当者に対してこのメールの信憑性を確認しています。
受信者は「いかなる場合でもDeepSeekモデルのダウンロード、インストール、使用を控える必要がある」とされています。
DeepSeekによる情報漏洩
DeepSeekを試してみたいという声が高まるにつれ、このスタートアップ企業がどのようにユーザーデータを収集し、それを本国に送信しているのかが注目されています。
DeepSeekが中国やその政策に批判的なコンテンツを検閲している例は、既にユーザーからいくつか報告されています。
DeepSeekは全てのチャットメッセージを含む多くの情報を収集し中国に送るようで、多くの点で近年TikTokが行ってきたよりも更に多くのデータを中国に送信している可能性が高いと。
トロント大学シチズンラボのシニアリサーチャー、ジョン・スコット=レイルトン氏はこう言います。「あなたが彼ら(DeepSeek)のサービスを利用する時、あなたは彼らの為に仕事をしているのであって、その逆ではないのです」
DeepSeekがあなたについて収集するもの
はっきり言って、DeepSeekはあなたのデータを中国に送っている。英語版のDeepSeek・プライバシーポリシーには、同社がユーザーデータをどのように扱うかが明記されています。
「収集した情報は、中華人民共和国にある安全なサーバーに保管します。」
DeepSeekのプライバシーポリシーには、DeepSeekが収集するお客様に関する情報の概要も記載されています。これらの情報は、お客様がDeepSeekと共有する情報、DeepSeekが自動的に収集する情報、およびDeepSeekが他の情報源から取得できる情報の3つに大別されます。
最初の領域には「ユーザー入力」が含まれ、アプリやウェブサイトを通じたDeepSeekとのチャットが対象となる可能性が高い。「弊社は、テキストまたは音声の入力、プロンプト、アップロードされたファイル、フィードバック、チャット履歴、またはお客様が弊社のモデルおよびサービスに提供したその他のコンテンツを収集する事があります」とプライバシーポリシーには記載されています。
このコレクションは、ユーザーのプロンプトを取り込んで質問に答える他のジェネレーティブAIプラットフォームと似ており、例えば、OpenAIのChatGPTは、時間の経過とともにデータを削除する方法を増やしているが、そのデータ収集については批判されている。この種の保護に関わらず、プライバシー擁護者達は、AIチャットボットに機密情報や個人情報を開示すべきではないと強調しています。
DeepSeekのようなモデルをローカルにインストールし、自分のコンピューター上で実行すれば、あなたのデータがそのモデルを作った会社に渡ることなく、個人的に対話する事ができますので、どうしても使いたければそうすればよいです。
収集されるその他の個人情報には、電子メールアドレス、電話番号、生年月日、ユーザー名など、アカウントの設定に使用するデータが含まれます。
ウェブサイトからアプリまで、すべてのデジタル・プラットフォームと同様に、サービスを利用する際に自動的に、そして無言で収集されるデータも大量に存在する可能性があります。DeepSeekはあなたが使用しているデバイス、オペレーティングシステム、IPアドレス、クラッシュレポートなどの情報を収集します。また、「キーストロークのパターンやリズム」を記録することも可能で、これは文字ベースの言語用に作られたソフトウェアでより広く収集されているデータの一種です。(Temu等が悪用していると有名な物)
また、Cookieやその他のトラッキング技術を使用して、ユーザーがDeepSeekをどのように利用しているかを測定し、分析します。
WIRED誌がDeepSeekのウェブサイトの基本的な活動を調査したところ、中国のハイテク大手Baidu(百度)と、中国のインターネット・インフラ企業であるVolcesの両方にデータを送信している事も分かっています。
そして去年、人民解放軍と百度が連携して人工知能システムをテストしているとサウスチャイナ・モーニング・ポストが報じ話題となりました。
米海軍がDeepSeekを警戒するのも当然でしょう。
DeepSeekが収集する権利の最後のカテゴリーは、他の情報源からのデータです。例えば、GoogleやAppleのサインオンを使用してDeepSeekのアカウントを作成した場合、DeepSeekはこれらの企業からいくつかの情報を受け取ります。
ディープシークによる情報利用
DeepSeekの国際的なユーザーベースから大量のデータが中国に流れる可能性があるが、同社は依然として情報の使用方法について権限を持っています。DeepSeekのプライバシーポリシーによると、同社はサービスの維持、利用規約の実施、改善など、多くの典型的な方法でデータを使用するという。
しかし、重要なのはDeepSeekが「ユーザーのデバイス間でのやりとりや利用状況を監視し、ユーザーがどのようにサービスを利用しているかを分析し、当社の技術をトレーニングして改善することを含め、サービスを見直し、改善し、発展させる」と述べている事です。
DeepSeekのプライバシーポリシーには、同社が「法的義務を遵守する」為に情報を使用する事も記載されています。データは「企業グループ」がアクセスする事が可能であり、法執行機関や公的機関などと情報を共有する必要がある場合には、その情報を共有するという。
どの企業にも法的義務はあるが、中国に拠点を置く企業には特筆すべき責任があります。過去10年間、中国当局は、国家当局がテック企業にデータを要求できるようにする事を目的とした一連のサイバーセキュリティとプライバシーに関する法律を可決してきました。例えば、2017年のある法律では、組織や市民は 「国家情報機関の取り組みに協力する 」べきだとされています。