DeepSeekの登場で昨日日中にパニック売りが起き、急落した相場が昨夜には落ち着きを取り戻し反発しています

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ビットコインは昨夜21時、(NYタイム朝の7時30分)位から反発しました。

昨日の朝8時位からの急落はひとまず落ち着いた様です。現在は10万2100ドルの水平線に上値を抑えられていますが、急速に10万2000ドル付近まで戻してきました。

相場のパニック具合を表すVIX恐怖指数も昨夜の23時位から低下しています。

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昨日のDeepSeek騒ぎの様なファンダが出てきて、株価が暴落している時はVIX恐怖指数も急上昇していますので、この指数が低下しているかどうかも合わせて観察すると相場の雰囲気が分かり易いので便利です。

S&P500も昨夜反発

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日経先物は昨夜下げ止まりましたが、反発出来ず。

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日経平均

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日経先物が反発しておらず、そのままの流れで今日の日経は寄り付きから急落。現在600円程度下げたところで重要な水平線(38910円)で下げ止まっています。

DeepSeekの登場が何故ビットコイン価格にまで影響を与えたのか?

ビットコインと米国株はたびたび値動きが連動しており、最近も連動した値動きをしていましたが、そんな最中に今回のDeepSeek騒ぎが起きた為に巻き込まれました。

ビットコインとS&P500の相関関係は直近の20日移動平均で0.88(0は相関なし、1は絶対的な相関)に達していいます。

新たにリリースされたAIチャットボットであり、OpenAIのChatGPTの潜在的なライバルであるDeepSeekは、1月20日にオープンソース言語モデルR1をリリースしてから1週間後にユーザーの注目を集めました。

アプリはApple Storeで米国と中国のユーザーの間で最高評価の無料アプリとしててダウンロードランキングのトップに立っています。

DeepSeek をめぐる話題は、ScaleAI の CEO である Alexandr Wang 氏が、OpenAI の ChatGPT などの主要な米国 AI モデルと比較した DeepSeek の有効性を称賛した事から始まりました。

OpenAIやGoogle、META等の主要なAI企業にトレーニングデータを提供しているスケールAI社のAlexandr Wang はテレビに「中国が衝撃的なモデル(DeepSeek)を発表して米国のAI企業に追いついた。過去10年間、米国は人工知能の競争で中国をリードしてきたかもしれないが、クリスマスの日に全てが変わった。」等と過激な表現をして注目を集めました。

我々が発見したのは、DeepSeek が最高のパフォーマンスを発揮し、それが最高の米国モデルとほぼ同等であるという事です」とも。

その後、DeepSeekの脅威と人気がメディアで喧伝されにより、米国のハイテク株と仮想通貨市場全体で売りが起きました。この下落の主な原因は、DeepSeekの構築にかかったコストと期間が低かったとされる事でした。

DeepSeekは、AIモデルのトレーニングに580万ドル(9億円弱)しか費やしていないと主張していますが、これは米国の同業他社と比べると非常に少ない額で、例えばOpenAIはこれまでにモデル構築のために総額179億ドル(2兆6000億円位)を調達しています。

もう一つの論点は、DeepSeek はより高速で優れた AI モデルを構築する為に、より少ない性能の低いNVIDIAのチップを使用しており、それを達成したという主張をしている点です。Wang や Tesla の CEO であるマスクを含む数人のトップ技術者は、この考えに反対しています。

WangはDeepSeekには 50,000 個の H100 GPU(DeepSeekが保有する筈のなかった、最高出力のNVIDIAチップ) があると考えていると述べています。(DeepSeekが嘘を付いてマーケティングしたという事)

これは、DeepSeek が僅かな予算でトレーニングされたという一部の主張に疑問を投げかけており、マスクは Wang の評価に同意しているようで、彼の見解に対して X について「当然」と答えました。

Wang「私の理解ではDeepSeekは5万個のH100を保有している。米国が導入した輸出規制に違反する為、当然彼らはそれについて話す事はできない。彼らが他の人々が予想するよりも多くのチップを保有しているのは事実であり、また今後はチップ規制と米国が導入している輸出規制によって制限される事になるだろう」

DeepSeek の誇大宣伝に飛びつく前に、一歩下がって現実を検証してみましょう。

eepSeek-R1 の成果は注目に値するものの、ChatGPT や米国の AI 投資を今直ぐに否定する根拠にはならないと研究者は指摘しています。

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DeepSeek-R1の優れた点

DeepSeek-R1 はユーザーのクエリに答える以上の機能を持つ、新世代の大規模な「推論」モデルの一部です。応答を生成する際に独自の分析を反映し、ユーザーに応答する前にエラーを検出しようとします。

また、DeepSeek-R1 は、2024 年 9 月に当初 ChatGPT Plus および Pro サブスクリプション ユーザーのみを対象にリリースされた OpenAI 独自の推論モデル o1 といくつかの点で匹敵するか、それを上回っています。

例えば、高校レベルの数学の問題解決能力を評価する MATH-500 ベンチマークでは、DeepSeek-R1 は 97.3% の精度を達成し、OpenAI o1 の 96.4% を僅かに上回りました。コーディング機能の点では、DeepSeek-R1 は SWE-bench Verified ベンチマークで 49.2% のスコアを獲得し、OpenAI o1 の 48.9% を上回りました。

更に、DeepSeek-R1 は財務的にも大幅なコスト削減を実現します。このモデルは 600 万ドル未満の投資で開発されたとされていますが、これはOpenAI の o1 などのモデルのトレーニングに関連するとされる数十億ドルと推定される支出のほんの一部に過ぎません。

DeepSeek-R1 の大幅な効率向上、コスト削減、そして米国のトップ AI モデルと同等のパフォーマンスは、 AI 市場、地政学、そして AI モデル トレーニングの既知の経済性を完全に覆すものとして、シリコン バレーと幅広いビジネスコミュニティを驚かせました。

DeepSeekは革命的ですが、現時点ではは過大評価され過ぎており、OpenAIのGPT-4oモデル自体で生成されたサービスに過ぎない

DeepSeek-R1 のコスト効率が大きな成果であることは否定できません。しかし、DeepSeek 自体の成功の多くは、Google AI 研究者が開発した 2017 年の最初のトランスフォーマー アーキテクチャ (LLM ブームのきっかけとなった) にまで遡る米国の AI イノベーションによるものである事を忘れてはなりません。

DeepSeek-R1は合成データの質問と回答でトレーニングされ、研究者が発表した論文によると、具体的には、同社の以前の(非推論)モデルである「DeepSeek-V3の教師あり微調整データセット」でトレーニングされました。このデータセットは、OpenAIのGPT-4oモデル自体で生成された事を示す多くの指標があると判明しました。

このデータを提供する GPT-4o がなければ、そしてこのカテゴリを作成した 2024 年 9 月に OpenAI が独自の最初の商用推論モデル o1 をリリースしなければ、DeepSeek-R1 はほぼ確実に存在しなかったと言っても過言ではないようです。

DeepSeekには画像生成や視覚化機能がない

ChatGPTのビジョンと画像生成機能は、職場や個人の環境で依然として非常に重要で価値があります。DeepSeek-R1にはまだそのような機能はありません。

DeepSeek-R1 の公式 Web サイトとモバイル アプリでは、写真や添付ファイルをアップロードできます。ただし、テキストの抽出には、最も古いコンピューティング技術の 1 つ ( 1959 年に遡る)である光学式文字認識 (OCR) を使用する必要があります。

生成画像機能がない事も、もう 1 つの大きな制限です。OpenAI の基盤となる DALL·E 3 モデルを搭載した ChatGPTを使用して AI 画像を頻繁に生成するユーザーにとって、ChatGPT で詳細かつスタイリッシュな画像を作成できる機能は画期的です。

音声モードなし

DeepSeek-R1 には、アクセシビリティと利便性にとって益々重要になっている機能である音声対話モードもありません。ChatGPT の音声モードでは、自然な会話形式の対話が可能になる為、ハンズフリーでの使用や、様々なアクセシビリティニーズを持つユーザーにとって優れた選択肢となります。

この様な状況の為、米国のチップおよび AI 企業に対する現在の投資家のパニックは時期尚早で大げさ過ぎると言われています。

世界中で大騒ぎになり、株価を暴落させた中国DeepSeekですが、日本のテレビではまるっきり話題になっていなくてまたしてもガラパゴス感満載です。

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