ビットコインの高値での上昇をトランプ大統領選後から支えてきた上昇チャネルラインをFRBの利下げ後退発表によりビットコインは下抜けしブレイクしました。オレンジの丸をつけた場所ですが、これにより今後下落局面に入らないか要警戒な状態に。
米国株やビットコイン価格の好調な上昇の大きな要因の一つがFRBによる利下げです。
FRBは今年9月18日に利下げを実施していますが、それを契機にビットコインは上昇し、トランプ大統領選挙を受けて暴騰しています。
価格上昇のエンジンの1つであるFRBの利下げ方針が後退する事が12月18日に発表された事は、残念ながらビットコイン価格にも甚大な影響を与えるファンダだと認めざるを得ません。
⇧FRB利下げ発表後のビットコイン値動き。
ではこのままビットコイン価格は下落するのでしょうか?
上昇チャネルは崩れたと見ていますが、安値はまだ切り下げていません。
緑の丸をした場所が最近のビットコインの安値ですが、徐々に切り上げてきているのが分かりますね。黄色い丸をした場所が現在の位置です。
現在もギリギリ安値を切り下げていないのが分かります。
ダウ理論による安値⇩
この図の安値③の様に前回安値を切り下げる事によりダウ理論では下落トレンド発生と見なします。
ビットコインは現在その状態にはまだ至っていません。94333ドルを下回れば下落トレンド発生です。
黄色く示した領域に突入すると下落トレンド発生。
非常に際どい状態ですが、現在これを観察しています。
上昇につながるファンダは今あるのか?
トランプ1月20日就任はビットコインマーケットに対して強気なファンダですが、現状ではそれだけでは足りません。
ウォール街の「恐怖指数VIX」の急騰はビットコインとS&P500上昇のサイン
FRBのパウエルが利下げ後退を発表した瞬間に恐怖指数VIXは急騰しました。
米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派的な今後の見通しに、市場はネガティブに反応しウォール街の「恐怖指数VIX」は12月18日に74%急上昇し、2018年2月5日以来1日で最大の上昇率を記録しました。
歴代でも2番目に大きな上昇率となっています。
VIXは市場の恐怖と今後30日間に予想されるボラティリティの指標ですが、過去のデータによると、VIXの大幅な急上昇の後には、ビットコインとS&P500の好調なパフォーマンスが続くことが多いと分かっています。
VIXの1日の変動率の上位3つを調べると、最初の変動は2018年2月5日に発生し、116%急上昇していて、この日、ビットコインは16%急落して6891ドルとなり、これが局所的な底となっています。2月20日までに価格は1万1000ドル超えまで反発。
※コロナ発生時は特殊環境なので除外している様です。
VIX 2018.2.5⇩
ビットコイン 2018.2.5~2018.2.20⇩
VIXが2番目に急上昇したのは今回の12月18日で、74%の上昇を記録。
3番目の急上昇は2024年8月5日、円キャリートレード巻き戻し時に起こり、VIXは65%上昇。その際、ビットコインは6%下落し、5万4000ドル付近で底を打ち、8月23日までに6万4000ドル超えまで上昇。
この様にVIX指数急騰後にビットコインは一時的に価格を下落前の水準に近い位置まで戻している事が指摘されています。
チャートと合わせて見るとテクニカル的に反発している箇所と重なっており、そのまま信じる事は難しいですが、VIX急騰後の価格上昇傾向がある事は確かなので、今回も安値を切り下げる前にこの傾向が起きてくれる事を願いたい所です。
いずれにしてもかなり厳しい状態になっていますので、監視を続けて推移を報告します。