世界経済フォーラム(WEF)のダボス会議でフランスのマクロン大統領は、中国のコロナパンデミックをきっかけに、現代の資本主義は「もはや機能しなくなった」と宣言した。
資本主義は歴史的に世界の貧困を減少させてきたが、それは不平等をさらに拡大させるという代償を伴うと主張し、「我々は、不平等と戦うことをもっと考える経済によってのみ、このコロナパンデミックから抜け出すことができる」と述べた。
「資本主義では労働者を支援することができず、環境にも有害なので、世界は経済への国家の介入に対する敵意を捨てる必要があり、企業は経済的不平等の緩和と気候への影響の軽減という責任を果たさなければならない。
そして、今後の経済を成功させるためには、世界中の企業は気候変動対策に取り組み、二酸化炭素の排出削減を行わなければならないと主張した。
各国首脳にグリーンアジェンダの目標を「上方修正」するよう呼びかけも行っています。
マクロンのこの発言は、クラウス・シュワブが推進する「利害関係者資本主義」というモデルを支持してのもの。(日本では岸田が支持していた事で有名)
資本主義を止めて、利害関係者資本主義に移行すべきだと言っています。
WEFは世界中の政府が富裕税や企業への強引な規制など、より社会主義的な政策を採用し、巨大なグリーン・ニューディール型の政策を導入すべきであるとしており、
シュワブは2020年6月に「グレート・リセット」を打ち出しており、中国のコロナウイルス危機を口実に、「世界は社会と経済のあらゆる側面を刷新するために共同かつ迅速に行動しなければならない」と宣言し、「資本主義のGreat Reset」が必要であると訴えています。
世界経済フォーラムのクラウスシュワブが発表した、伝統的資本主義を終わらせる「Great Reset」の概要
世界経済フォーラムの創設者兼会長であるクラウス・シュワブは、コロナウイルスパンデミックは「新しい種類の資本主義」と世界経済、政治、社会の「Great Reset 」の機会だと述べており、世界経済フォーラムが2020年10月に発表した記事の中で、シュワブは、新自由主義は死に絶え、経済資本主義の伝統的な概念も一緒に消滅したと発表しました。
その代わりに、世界経済フォーラムは利害関係者資本主義を導入し、新世界の重要な要素として "社会正義 "を掲げ、世界経済フォーラムが作成した1セットの包括的ルールの下で世界を進歩させることを可能にすると言っている。
シュワブ氏は、このようなビジネスのあり方の再構築こそが、「Great Reset 」の新しいモデルであると主張し、コロナウイルスの流行が人々の生活にとっていかに深刻であるかを指摘し、その論旨を展開しています。
シュワブはこう書いている⇩
第二次世界大戦の終結以来、COVID-19ほど世界的に深刻な影響を与えた出来事はないだろう。パンデミックは、公衆衛生と経済危機を引き起こし、不平等や大国主義といった制度的問題を悪化させた。
このような危機に対して唯一受け入れられる対応は、経済、政治、社会の「Great Reset 」を追求することである。今こそ、パンデミック以前の聖域を見直すべきであり、また、ある種の長年の価値観を守るべき時である。過去75年間の成果をより持続可能な形で維持することが、私たちに課せられた課題である。
シュワブ氏は、中国のコロナウイルス危機が我々に示したものは、「政府、企業、市民社会グループが単独で行動しても、システミックなグローバル課題に対応できないこと」であると考える。
その代わりに世界は、富裕税、追加規制、大規模なグリーンニューディール的な政府プログラムなど、より社会主義的な政策を採用すべきだとしている。
Great Reset ではとにかく気候変動対策、脱炭素への取り組みが重要視されており、極度な太陽光発電や風力発電への依存を推進する事が正義だとされています。
この事が現在のロシアのウクライナ侵略によるエネルギー危機にまで発展した現在に至っても原発再稼働や原油採掘を進ませず、経済に爆発的な被害を出している要因のひとつではないかと見ています。