２０２０年、カジノを含む統合型リゾート（カジノＩＲ）事業をめぐり衆院議員の秋元司容疑者（４８）が逮捕された汚職事件で、贈賄側とされる中国企業（500.com）側が現金を配ったと供述した国会議員５人のうち、前防衛相で自民党の岩屋毅・衆院議員（６２）＝大分３区＝が４日、大分県別府市内で記者会見した。
中国企業側は１００万円前後の現金を岩屋氏に渡したと供述しているが、岩屋氏は「中国企業から金銭を受け取った事実は断じてありません」と受領を否定した。
その後、岩屋氏は最初は天地天命に誓い貰ってないと言ってましたが、途中から謝礼だったとか、中国企業に100万返すとか言ってたのが報道されていましたね。
５chなどでも当時これは話題となりました。
さて、今回中国企業500.comに米国司法省からどの様な処罰があったのでしょうか？米国司法省の一次ソースを見てみましょう。
（中国）500.Com社（現Bit Mining Ltd.）の元CEOが日本政府関係者への贈賄で起訴されました。
2024年11月18日
ニュージャージー州連邦検事局
500.com（現BIT Mining Ltd.）の元CEOである中国国籍の潘正明を海外腐敗行為防止法（FCPA）違反で起訴する起訴状が本日公開された。
500.com（現BIT Mining Ltd.）は、同社が日本政府関係者に賄賂を支払う腐敗したスキームに参加したことに起因するFCPA違反に関連する司法省と証券取引委員会（SEC）による調査を解決する事に合意した。
※海外腐敗行為防止法（FCPA）とは米国外の公務員に対する商業目的での贈賄行為を禁止するために、1977 年に米国で制定された法律です。 ロッキード事件等の賄賂事件がきっかけとなりました。
500.com（現BIT Mining Ltd.）はニュージャージー州地区で提出された、FCPAの贈収賄防止規定および帳簿記録規定に違反した共謀罪1件で起訴された刑事情報に関連して、3年間の起訴猶予契約（DPA）を締結した。
ニュージャージー州連邦大陪審は6月18日、潘正明に対する起訴状を提出した。
フィリップ・R・セリンジャー連邦検事
外国政府高官への賄賂の支払いは重大な犯罪である。
当時500.comとして知られていたBIT Mining社のトップは、日本での大規模リゾート（カジノIR）開設の入札を勝ち取る為、日本政府高官に賄賂を支払うようコンサルタントに指示した。
この違法なスキームはトップから始まり、500.com（現BIT Mining Ltd.）のCEOが不正な支払いの指示とその後の隠蔽工作に全面的に関与したとされている。
同社は罪を認め、1,000万ドル（１５億５０００万円位）の違約金を支払うことに同意し、当時の最高経営責任者（CEO）はこのスキームにおける自らの役割について起訴された。
この合意および起訴は、企業体としての同社と、そのトップのリーダーシップの両方に責任を負わせるものである。
「500.com（現BIT Mining Ltd.）は潘正明最高経営責任者（CEO）（当時）の指揮の下、日本で有利なリゾートカジノを開設する契約を勝ち取る為に、日本政府関係者に約200万ドルの賄賂を支払う事に合意した」と、司法省刑事局責任者のニコール・M・アルジェンティエリ検事総長首席副補佐官は述べた。
「潘正明CEOは会社のコンサルタントに賄賂の支払いを指示し、偽のコンサルティング契約を通じて不正な支払いを隠蔽する役割を果たしたとされ、起訴されました。本日の決議と潘被告に対する起訴は、企業および個人の不正行為者の犯罪責任を追及する同省の継続的な取り組みを示すものである。」
FBI犯罪捜査部のチャド・ヤーブロー次長は、「本日の500.com（現BIT Mining Ltd.）の元CEOに対する起訴は、日本の役人に賄賂を贈ったということで、違法行為に対する個人の責任を追及するというFBIの取り組みを浮き彫りにするものです。この種の犯罪行為は、ビジネスの誠実さを損なうものです。FBIは不当な利益を生み出す違法なスキームに関与した人物を執拗に追及し、彼らが法の完全な結果に直面するようにします。」と声明。
法廷文書によると、2017年から2019年にかけて、当時500.comとして知られていたBIT Mining は潘CEO、従業員、代理人が日本政府関係者への賄賂の支払いに使われることを知りながら、仲介業者への約190万ドルの賄賂と支払いに同意したことを認めた。
賄賂の目的は、500.comが日本で統合型リゾート（ホテル、カジノ、小売店、飲食店、コンベンション施設、娯楽施設を含む大型リゾート）を開業する入札を落札するのを手助けしようとする事だった。
潘は500.comを代表して、500.comがこれらの賄賂を支払ったり隠したりするのを支援する為、第三者のコンサルタントを雇ったとされる。
500.comはこれらのコンサルタントを通じて、現金、旅行、接待、贈答品の形で賄賂を支払った。潘らは、特にコンサルタントと偽装契約を締結し、支払いを経営顧問料など正当な経費として偽って計上する事で、これらの賄賂の支払いを隠蔽したとされる。
最終的に、500.comはこの賄賂スキームを実行したにもか関わらず、日本での統合型リゾート入札を落札する事はできなかった。
500.com（現BIT Mining Ltd.）は米国量刑ガイドラインの適用に基づき、適切な刑事罰は 5,400 万ドルである事に合意した。
しかし、500.com（現BIT Mining Ltd.）の財務状況と、米国量刑ガイドラインに基づき算出された刑罰を支払う能力がないことが実証されたため、500.com（現BIT Mining Ltd.）と司法省は同省の支払能力ガイダンスに基づき、BIT Miningが合計 1,000 万ドルの刑事罰を支払うことに合意した。
司法省は並行調査を解決するためにBIT MiningがSECに支払うことに合意した民事罰に対して、最大400万ドルを控除することに合意した。
BIT Miningはまた、現在進行中または将来の刑事捜査において、不正セクションおよびニュージャージー地区連邦検事局に引き続き協力することに同意した。
さらに、BIT MiningはDPA の 3 年間の期間中、コンプライアンス・プログラムを継続的に強化し、司法省に対し、是正およびコンプライアンス対策の実施に関する報告書を提出することに同意。
司法省は、特に犯罪の性質と重大性を含む多くの要因に基づいて、BIT Miningとの間でこの解決に達した。
BIT Miningは(i) 外国のデータ・プライバシ ーおよび関連する犯罪法をいくつか利用しながら、外国を含む関連文書、財務デー タ、およびその他の情報を自発的に提出したこと、(ii) 内部調査中に知り得た事実を政府に提供したことなど、同省の調査に協力したことが評価された。しかし、この協力は消極的なものであり、程度も影響も限定的であった。
※自民党・公明党・維新議員らとのやり取りを米国司法省に抑えられているという事。
BIT Miningは(i) 取締役会によるコンプライアンスリスクと監査結果に対する ガバナンスと監視の強化、(ii) 全社的なコミュニケーションを通じてコンプラ イアンスと倫理を推進すること、(iii) 上級管理職の業績評価にコンプライアンス 基準を組み込むこと、(iv) 年 1 回のリスク評価を実施すること、(v) 腐敗防止方針を作成し、それを推進するため に全社的な研修とコミュニケーションに取り組むこと、(vi) 腐敗リスクの低い産業へ のビジネスモデルの移行とリスクの高い地域でのプレゼンスを縮小することなどを含む一定の適時是正措置に取り組んだ。これらの点を考慮し、BIT Miningの刑事罰は、米国量刑ガイドラインに基 づいて算出され、適用されるガイドラインの罰金額の下限から 10%減額される。
FBIの国際腐敗ユニットが本件を捜査している。
ニュージャージー州地区担当のジェニファー・コザール連邦検事補、刑事部詐欺課のジル・サイモン、リギア・マークマンらが本件を起訴している。
この件に関しては、司法省国際局および日本当局が協力した。
この件は米国政府機関・メディアにより大々的に報道されています。
こちらはSECによる公式リリース。