ヨーロッパ最大のレアアース鉱床がスウェーデンKirunaで見つかる

 

 

2023.1.14

Photo Axel Antas-Bergkvist

· EuropeNews

LKAB(政府が所有するスウェーデンの鉱山会社)は、スウェーデン北部のキルナ地区において、電気自動車や風力発電機などの製造に必要なレアアースを大量に発見しました。ヨーロッパで最大規模の100万トン以上のレアアースが発見されたと報告されており、ヨーロッパで最も重要な鉱山になる可能性があります。

この発見により、中国への依存を減らす事が出来ると期待。米国地質調査所によると、レアアース市場は現在中国が独占、世界の生産量の 60% を占めています。

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レアアースが大量に発見されたキルナ鉱山の位置⇩

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欧州委員会によると、電気自動車や風力タービンにおける希土類元素の需要は、2030 年までに 5 倍以上に増加すると予想。

現在、ロシア以外のヨーロッパ地域ではレアアースの採掘はなく、輸入に頼っています。

EU はレアアース輸入の 98% を中国に頼っており、この中国への依存が欧州産業の脆弱性を増大させています。

採掘開始までには長い道のり

同時に、鉱床の採掘の可能性への道のりは長いとLKAB は述べています。

LKABは既存のキルナ鉱山から新しいレアアース鉱床に向かって、深度約700メートルの場所に長さ数キロのサイトを準備し始めており、調査は進行していますが、持続的に採掘できる条件を整える為に、鉱床のさらなる探査に数年を要すると予想。

業界内で他の許可プロセスがどのように許可されたかを見ると、実際に採掘を開始してレアアースを市場に提供できるようになるまでには、少なくとも 10 ~ 15 年かかるとの事。

北欧では、新規鉱山の承認に向けたプロセスに時間がかかり、鉱山が開発される地域の水資源や生物多様性に影響を与えるリスクを高める事が多いため時間がかかるようです。

また、スウェーデン地質調査所鉱物資源部はヨーロッパには現在、レアアースを処理し、中間製品を作る為の本格的な能力が欠けていると述べています。

 

そして2024 年に、日本は東京の南東約 1,900 キロメートルにある南鳥島沖の海底泥からレアアースの採掘を開始します。

報告書によると、来年には水深 5,000 ~ 6,000 メートルの深海から資源を抽出する技術を開発する作業が開始される予定。スウェーデンよりも早くレアアースを市場に提供できるようになるかもしれません。

WSJは以前、南鳥島でのレアアース鉱床の発見は日本を世界最大の材料生産国にする可能性があると報道していたほどの規模です。