トルコのドローン攻撃でイラクのクルド労働党(PKK)メンバー死亡

· Middle East,【最新ニュース】,Daily News

https://youtu.be/AgvWB7GayUs

日本の川口でも騒ぎを起こし世間に知られるようになった、クルド労働者党(PKK)の中東での顔について見てみましょう。

イラクのクルド労働者党(PKK)当局者らによると、先月からイラク北部でトルコのドローン攻撃によりクルド労働者党(PKK)武装勢力への攻撃が激しさを増しています。

四半世紀に渡り、トルコ政府はイラク北部に数十の軍事拠点を確保しながら、クルド労働者党(PKK)の司令官や後方基地に対する攻撃作戦を定期的に実施してきました。

7月28日のトルコ軍の攻撃を受け、「トルコ軍のドローンが、イラン国境に向かうスレイマニヤ県の村でクルド労働者党(PKK)の車両を標的にした」とクルド労働者党(PKK)の対テロ部門は声明を出しました。

broken image

PKK幹部、戦闘員、運転手が殺害された様です。

イラク・クルディスタン当局がトルコ政府の仕業と非難しているクルド労働者党(PKK)への攻撃は今週4回目。これまでに6人の反政府勢力が殺害されているとの事です。

トルコ軍はイラク北部での個々の攻撃についてコメントすることは殆どありませんが、テロ組織としてブラックリストに載せているクルド労働者党(PKK)に対しては日常的に空爆と地上作戦の両方を実施しています。

トルコはここ数週間、シリアのクルド人政権支配地域へのドローン攻撃を強化しています。

 

最近のクルド労働者党とトルコ政府の動向

トルコは2021年、クルド労働者党のテロ攻撃で死亡した少年の名前にちなんで名付けられた「エレン作戦」を数カ月に渡り展開し、ドローンと数千人の部隊を投入してトルコ農村部でクルド労働者党を標的にし攻撃したと外交問題評議会(CFR)が報告しています

※CFRは各国政府とも協力関係にある国際的な米シンクタンクです。

broken image

トルコ軍はイラク北部でも一連の作戦を続けており、主に国境沿いを攻撃しているほか、イラク・クルディスタン支配地域の奥深くにも進出している様です。

トルコ政府は、クルド労働者党との戦いを支援するクルディスタン民主党(KDP)と緊密な関係を維持しているが、クルディスタン愛国同盟(PUK)はクルド労働者党とより密接な関係にあるとの事。

2023年トルコはイラク・クルディスタン第2の都市であるスレイマニヤにある、スレイマニヤ国際空港に飛行禁止令を出し、クルディスタン愛国同盟PUKが支配する同市が、クルド労働者党への武器密輸に重要な役割を果たしているとして同地域への空爆を繰り返しました。

トルコは支配地域以外の武装クルド人グループに対する空爆を続けていますが、地上攻勢には派手に出ておらず、トルコ軍をイラクとシリアに駐留させ続けることで、クルド労働者党の海外拠点を弱体化させるための緩衝地帯を維持し、独立国家を求める声が強まるような、国境を越えたクルド人自治区の出現を防いでいます。

トルコ政府はまた、クルド人のディアスポラ(移民)を取り締まっています。

フィンランドとスウェーデンのNATO加盟を好機と考えたエルドアン大統領は、これらの国に住むクルド人「テロリスト」に対してより厳しい態度を取るよう両国に対して要求しました。

※これが去年フィンランドとスウェーデンのNATO加盟にトルコが反対していた理由です。

https://youtu.be/fs4M5OTWBpM

フィンランドとスウェーデンは共同覚書の中で、クルド労働者党のメンバーと疑われる人物に対し、資金を抑制し、トルコへの身柄引き渡しを容易にするなどの措置で協力することに合意しました。

 

broken image

また、スウェーデンは反テロ法を強化し、トルコがNATO加盟に同意する前にトルコ国民の身柄引き渡し協定を発表しています。

川口でお騒がせのクルド労働者党ですが、日本人が知らないだけで実は世界的な問題となっている組織です。

トルコ政府が目を光らせている事もあり、取り扱いを間違えると国際問題に発展する可能性を秘めており、日本国内の問題だけではないのが伺い知れますね。