シュワブはオフィスにレーニン像を飾るレベルのマルクス共産主義好きで有名ですが、先月11月のAPECサミットで「中国共産党政府は多くの国にとってのお手本である」と語り世界中で非難をされています。
この発言は非合理的で非人道的な中国のゼロコロナ政策に対して暴動が起きる直前のタイミングで行われ、世界のメディアは呆れていました。
クラウスシュワブが中国共産党は世界のロールモデルと語る先月の動画⇩
シュワブは中国国営メディアCGTNに対して「多くの国にとって中国はお手本になる。中国共産党のシステムを各国が導入する際には細心の注意を払う必要があると思う。しかし、中国のモデルは、多くの国にとって非常に魅力的なモデルであることは確かだ」と語った。
これは中国の習近平が共産党の3期目を確保した直後で、西側が全力で中国共産党の浸透工作や産業スパイを封じ込める為の努力をしている最中に報道されました。
(中国共産党はコロナパンデミックが始まって以来、ワクチンパスポートの発行、バーコードによる移動制限、全土でのロックダウンなど、第二文革と言われる迄の異常な人民監視体制構築を行って来ましたが。。。)
シュワブがこうした中国共産党のスタイルをお気に入りなのは、過去の数々の言動から見ても間違いのない事実です。
クラウス・シュワブについて、海外メディアは「なぜ誰もがシュワブを真面目に相手にし続けるのかが不思議である。」「彼は、『隷属への道』やミルトン・フリードマンの『資本主義と自由』のようなものを何も生み出していない。公人ではないのに、自分の組織を「世界経済フォーラム」と呼んでいる。シュワブは共産主義者の独裁をお手本として支持しているが、多くの国の人々は彼に間違いだと教えてあげるべきだろう。」と書いています。
シュワブが世界の見本だと薦める中国政策モデルは中国人ですら嫌っていますよ。
中国感染症対策モデルでは、①政府が経済と資源をコントロールする事、②接種証明書よりも更に踏み込み、健康バーコードで管理するといった国民に対する厳しい社会統制がダイナミックに行われている事、③国民に政治的権利がなく、政府の検閲が厳しく、政府や指導者を批判すると厳しい処分を受ける事、の3点がポイントになります。
中国の人民は、2019年12月に武漢でcovid-19が発生してから3年間苦しみ続けていますが、 中国政府は独裁政権である為、欧米諸国では不可能な個人の自由を極端に制限する非人道的な手段をとって、コロナ発生初期に感染者拡大を防ぎ(これも怪しいですが)、低い死亡率を大々的に誇っていました。
その後、ゼロコロナ政策を採用し、一人でも感染者がいると街全体を封鎖し、近隣をも封鎖。
この3年間継続した防疫によって、長期間人々の生活に深刻な支障をきたし、疲弊させてきました。
中国の衛生規範制度は欧米のコロナ対策とは比較にならないほど厳しいものです。常時監視を行い、人々の移動の自由を厳しく制限。
経済的・精神的圧迫が臨界点に達し、職を失い住宅ローンを払えなくなる人が増え、中小企業も経営難に陥るなど、あらゆる階層の人々が大きな不安を抱えています。 元通りになる見込みがない中、人々の蓄積された感情は先月大爆発。
この状態をクラウスシュワブは目の当たりにしていた上で、「中国のやり方は世界の見本であり、多くの国にとって非常に魅力的なモデルである」と発言したわけです。
どう考えてもこの感覚は異常だと思いませんか?
また、シュワブは2020年12月に開かれた北京フォーラムで「中国はパンデミックとの戦いで世界をリードしている」 と発言し、コロナを拡散させた張本人である中国共産党をコロナパンデミックと戦うグローバルリーダーとして担ぎ上げました。
世界経済フォーラム自体はマルクス共産主義を推進してるのか?
世界経済フォーラム自体も以前から公式ページでマルクス共産主義に親和的な発言を行い、マルクス共産主義を今こそ見直し活用すべきだと推進してきました。
正確に言えば資本主義とマルクス共産主義を掛け合わせ、利害関係者資本主義というスタイルを提唱しています。
2016年の時点で既に以下の提案↓
世界経済フォーラム「資本主義とマルクス共産主義を交わらせる真剣な議論をしたい。大量失業、甚大な不平等を伴う第4次産業革命を資本主義が生き残るためにはマルクス主義が必要だ」
これは世界経済フォーラム公式が2016年6月22日に発表した「資本主義が第4次産業革命を生き残るためには、マルクス主義が必要なのか?」という記事の要約です。
内容を平たく言えば、大量失業、甚大な不平等がロボット主導の第 4 次産業革命により起こるので、マルクス共産主義を資本主義に取り入れて乗り越えようという提案です。
オックスフォード大学による世界経済フォーラムのGreatResetについての指摘
★世界経済フォーラムの「利害関係者資本主義」は本質的にはマルクス共産主義を取り入れた資本主義です。世界経済フォーラムは資本主義が生き残る為にマルクス共産主義が必要だと信じている。
★世界経済フォーラムは「私たちが知っている資本主義は死んだ」と言う。そして、「利害関係者資本主義」が必要であるとしている。利害関係者資本主義では、企業は利益を追求するのではなく、「世界経済フォーラムが設定したすべての人々と地球全体の幸福」を追求する事になる。
★例えば利害関係者資本主義は「環境に優しい都市インフラ(メガソーラー・風力発電など)を構築し、企業が環境、社会、ガバナンス (ESG) 指標の実績を改善するためのインセンティブを作成する」事に役立つとされている。(ESG指標・脱炭素数値目標を達成する為には各国政府・企業に実際に脱炭素の為の行動を取らせる必要がありますが、その為にマルクス共産主義の手法を活用し、行動を強制させようといった意味合いです。ブラックロックが現在行っている様な、ESG指標達成に従わない企業には圧力をかける様な方法があります)
世界経済フォーラム創設者兼会長シュワブはいつからマルクス共産主義に傾倒する様になったのか?
クラウスシュワブは革命的マルクス主義者とも呼ばれるドム・ヘルダー・カマラ神父を「精神的な父」と呼んでいますが、この人物による影響があるように感じられます。
この件に関してNASDAQ.comに掲載された記事です⇩
クラウス・シュワブには、ブラジル出身のドム・ヘルダー・カマラ神父から深いマルクス主義教育を受けた過去があります。
ゴリゴリのマルクス共産主義と親和性が高いと思われるカマラ神父は1974年、世界経済フォーラムの前身である欧州経営フォーラムの会合に招かれて講演し、非常に明快な言葉で「富の分配」を呼びかけたりと、世界経済フォーラム立ち上げの初期から活躍していたメンバーでした。
彼はまた、長年に渡って同会議で講演する「解放の神学」の神父達の第一人者となりました。
カマラ神父は、革命的マルクス共産主義者として知られ、多くの政府にとってペルソナ・ノン・グラータとして扱われたが、シュワブが「精神的な父」と呼んだ人物でもあります。
革マル派って日本でも有名ですよね。※革マル派とは?警視庁より
この件を世界経済フォーラム自体がどの様に言っているか確認した所、記載がありました。
カマラが各国政府からペルソナ・ノン・グラータとして扱われていた事等、世界経済フォーラム公式資料に記載されており、内容は以下の通りです。
「1974年の欧州経営者シンポジウム(世界経済フォーラム前身)では、ブラジルの大司教であるエルダ・カマラ氏らが登場し、ダボス会議が世界に対して刺激的で重要な役割を果たすきっかけになった。カマラ氏は、多くの政府や企業経営者からペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)とされていたにもかかわらず、ダボス会議に招待された。彼は自らを「資源の不公平な配分で苦しんでいる人類の3分の2の代弁者」と称していた。演説の中でカマラは、いつの日か発展途上国が経済大国に挑戦し、衝突する日が来るだろうと予言した。彼は、1974年に多国籍企業が人類の多くを悲惨な状況に追いやったことを批判した。(オイルショックによる混乱の事かと思われます)」
またシュワブは「私の人生の決定的な瞬間」という回顧録でカマラについて紹介していました。
シュワブは動画で次のように回想しています。「私は初めてブラジルを旅し、当時貧しい人々に寄り添う司祭として知られていた人物に会いました。彼の名前はドム・ヘルダ・カマラ。」「1974 年の欧州経営シンポジウム (現在の世界経済フォーラムの前身) では、ブラジルのローマ カトリック大司教であるドム・ ヘルダ ・カマラが講演し、世界でのフォーラムの役割を強化しました。」
クラウスシュワブはカマラに連れられてブラジルのスラム街に行き「とてもショックを受けた為に、この司教をダボス会議に招き、人々に貧困とは何かを伝えなければならなかった」と述べています。シュワブは当初カマラがスイスで講演を禁じられたのは、「共産主義者と見なされたからだ 」と主張した。
カマラが反資本主義者であるという評判は、ダボス会議に関わる多くの企業を動揺させたが、シュワブはそれを「テスト」と捉え、世界経済フォーラムの今後を諦めるリスクを負ってでも、自分の価値観を「貫かねばならない」と述べています。シュワブは1974年のカマラの講演は 「非常に上手くいった 」と評価し、「ダボスの聴衆はカマラの話に耳を傾けた 」と主張している。
ダボスでカマラは、すべての人々の繁栄を実現する為に、より高い社会的責任と富の分配といった価値観の見直しを訴えたのである。
カマラの参加以降、クラウス・シュワブはリベラルなカトリックの聖職者を定期的にダボス会議に招待するようになったとの事。
カマラ神父は貧しい人々の「解放」を目指していました。「貧しい人々は解放の神学(共産主義革命テイストな運動)に参加しなければならない。私有財産のない世界、絶対的な平等、全権を持つ政府を目指す。人々は、何も所有せず、何も持たないからこそ幸せになる」といった価値観をお持ちだったようです。
どこかで同じ様な台詞を見た事があるなと思いましたが、世界経済フォーラムが以前似た内容を投稿して話題になっていました。
世界経済フォーラムは公式でこの様にツイートをしました。「Welcome to 2030. I own nothing, have no privacy, and life has never been better」
(2030年へようこそ。私は何も所有しておらず、プライバシーもありません。人生はかつてないほど良くなりました。)
当時ツイッターで沢山のフォロワーさん達とザワめいた記憶があります笑笑
あまりの悪評で直ぐに消してしまったようですが、これは寄稿した作家の個人的な意見であり、世界経済フォーラムの意見ではないと否定していました。しかしこの組織の背景や歴史を見ていると、そうでもないのではと思ってしまいますね。
ドム・ヘル・カマラ達が推進していた「解放の神学」とは、カトリックの正統性を革命的なマルクス主義に置き換える事を目的とし、暴力、抑圧、階級闘争を助長する運動だと批判されていました。
シュワブの妻のヒルデ・シュワブも夫のクラウス・シュワブが1971年にスイスのダボスで開催した最初の欧州経営シンポジウム(世界経済フォーラム)を支援しました。ヒルデ・シュワブがこの会にヘルダ・カマラを招待したようです。
そしてエルダカマラの影響力は、世界経済フォーラムだけではなく、もっと広い範囲に及んでいました。
カマラは欧米の学校に浸透している現代の「マルクス主義」を支える『抑圧された者の教育学(批判的教育学)』の著者、ブラジルのパウロ・フレイレの師でもあるとされています。
フレイレはブラジル労働者党(PT)の創設メンバーでもあり、この党は労働組合官僚の一部と元トロツキー派を含む左翼組織によって設立された組織でした。キッシンジャーとも懇意にしておりかなり興味深い人物です。
カマラの3人目の弟子が教皇フランシスコ です。
「ある人が尊厳を持って生きる為に必要なものを欠いているとすれば、それは別の人がそれを抑圧しているからである。私有財産に対する権利は、創造された財の普遍的な行き先の原則から派生した、二次的な自然権であるとしか考えられない。」 - 教皇フランシスコ
フランシスコは、教皇就任当初の2013年にブラジルを訪問した際「ブラジル教会」を忘れがたいものにした「神のしもべ」としてドム・ヘルデ・カマラの名前を挙げ称賛しています。
フランシスコとカマラの詳しい関係については別の回で触れますが、カマラの3人の弟子達(クラウス・シュワブ・教皇フランシスコ・パウロ・フレイレ)は、教育、宗教、ビジネスで大きな役割を担っている側面があると指摘されています。
ヘルダカマラとはどんな人物か?
クラウスシュワブの精神面での父、ヘルダ・カマラは「赤い大司教」と当時呼ばれていました。
「ヘルダ・カマラに関する最大の嘘は、彼を貧しい人々の友人であり、自由の擁護者であると見せかけようとしていることです」と有名なカトリックの講演者で、イタリアの伝統、家族、財産の防衛協会 (TFP) の会長であるJulio Loredo氏はカマラ神父について言います。
少し見てみるだけでも、クラウスシュワブのマルクス共産主義の師匠がとんでもなく強烈な人物なのが分かります。
毛沢東の文化大革命を擁護
例えば、1969 年 1 月 27 日にニューヨークで開催された環アメリカ〔北米、中米、南米〕の協力に関するカトリック・プログラム第六回年次総会で毛沢東による文化大革命を強行中の中国共産党の国連加盟を擁護する演説を行い、ブラジルの伝統、家族、財産の防衛協会 (TFP) 会長から「世界、特にアメリカを共産主義に引き渡す政策全体を概説している」と非難をされています。
別件でフィデル・カストロの妹からも非難。
https://www.pe-az.com.br/dh/1969.htm
Loredo氏はこの時の様子について以下の様に非難しています。
「ヘルダ・カマラは、アメリカの反ソ政策を激しく非難した後、アメリカの軍事力を大幅に削減すべきだと提案し、他方、〔アメリカの〕「帝国主義」に対抗する為にソ連はその軍事力を維持すべきだと要求しました。
カマラはこの様な発言をした後、反論を防ぐ為に「このようなアプローチ(米軍削減・ソ連軍事力増強提案)が世界を共産主義の手に渡してしまうという意味合いだとは思わないでください!」と事前に自己防衛。
そしてカマラはアメリカを攻撃した後、当時「文化大革命」によって何百万もの人々に死をもたらしていた毛沢東の中国を讃えました。また、台湾が除外される事になった中国共産党の国連への参加を公式に求めています。彼は最後に、当時ラテンアメリカで血まみれのゲリラ戦を続けていたキューバの独裁者フィデル・カストロに対する賛意を表明する事をもって彼のスピーチを終えました。彼は、キューバが1962年に追放されたOEA(米州機構)にキューバが再び受け入れられるべき事を要求。
彼のこのあまりに露骨に親共産主義かつ反西欧世界な主張は、プリニオ・コヘイア・デ・オリヴェイラ教授の「赤い大司教がアメリカと世界の扉を共産主義に向けて開放する」と題された宣言によって厳しく非難されました。「エルダのスピーチに含まれる声明は、世界を共産主義に無条件に降伏させる政策を概説しています。私達は一つのとんでもない現実に直面しています。すなわち、聖なるローマ教会の、十二使徒の後継者としての権威を享受している一人の司教が、共産主義に直面している自由世界の戦略的防衛を撤廃しようとしているのです。共産主義、それは、これまで常に教会とキリスト教文明に対して激しくぶつかって来た最も急進的で容赦のない、狂気の、そして狡猾な敵であるにもかかわらず」
カマラ大司教が後援していたコンブリン神父が準備していたラテンアメリカ共産主義革命計画がブラジルの新聞にリークされて大事件になった
https://catolicismo.com.br/Acervo/Num/0211/P02-03.html
1968年6月、レシフェの神学院(神学校)の教授であるベルギー人司祭ジョゼフ・コンブリン〔1923 - 2011〕がヘルダ・カマラ大司教の “神の盾” に護られつつ準備していた一つの爆弾的文書「コンブリン文書」が、ブラジルの新聞にリークされています。
この文書はなんと、国家を解体し共産主義に基づく「民衆による独裁政権」を樹立する為の破壊的な計画でした。
内容は
★資本の私的使用は法律で禁止する
★すべてのヒエラルキーを廃止する
★軍隊は解体し、その武器は国民に分配されるべきです
★国民が「革命意識」の許容レベルに達していない限り、マスコミ、ラジオ、テレビは厳しく管理する
と言ったもの。かなり強烈です。
私有財産制への反対
コンブリンはその文書で、私有財産、従って資本〔主義〕も本質的に不公平である、という仮定に立って、資本のどのような私的使用も法によって禁じられなければならないとした。
完全な平等
コンブリンは、革命なゴールは完全な平等を確立することであると断言。現在のヒエラルキーは、政治的・社会的宗教的分野において全て廃止されなければならないとした。
政治的・社会的革命
平等主義革命では権力を獲得する為に「圧力団体」による国家破壊を支持する。権力を掌握後は、「怠け者」と見なされるべきマジョリティを黙らせる為に、厳しい「民衆による独裁」を確立しなければならない。
軍隊の廃止
軍隊は解体されなければならず、彼らの武器は民衆に配布されなければならない。
新聞、ラジオ、テレビに対する検閲
人々が「革命的良心」を理解可能なレベルに達しない限り、新聞、ラジオ、テレビは厳格に管理されなければならない。これに同意しないエリートは国を出て行かなければならない。
人民裁判所
コンブリンは現在の司法権力が「ブルジョアジーによって腐敗」しているので、革命的な風に反対する者に対して略式裁判を行なう「特別人民裁判所」の設立を提案しています。
暴力
コンブリンは、革命が通常の方法で達成できない場合は、武器の使用も合法であると考えていたとの事。
https://www.catolicosnabiblia.com.br/dom-helder-comunista
「コンブリン文書」のリークはブラジルに原爆のような影響を与えました。それに対する批判の嵐の中で、コンブリン神父はその文書が本物であることを否定しませんでしたが、それは「ただの草案」であるといったとの事です。
コンブリンへの責任追及はヘルダ・カマラにも及び、サンパウロ市カトリック大学プリニオ・コヘイア・デ・オリヴェイラ教授が、ヘルダ・カマラ宛に、ブラジルの人々の怒りを代弁する公開書簡を25社の新聞で発表しました。
そこにはこう書かれています「私はここに、自分が何百万ものブラジルの人々の感情を代弁できると信じて、猊下に次のことをお願いします。レシフェの神学院から、また大司教区そのものから、司祭の地位を利用して教会を傷つけているアジテーターを、ここブラジルで共産主義・独裁主義・暴力等を説くことでブラジル人の人の良さを弄んでいるアジテーターを、追放してください」
ヘルダ・カマラは「誰もが反対する権利を持っています。私はただ全ての人の意見に耳を傾けています」と答え実質コンブリンを庇いました。
彼は同時に、コンブリン神父を神学校の教授のポストに留まらせ、大司教としての権威をもって同神父を支えた様です。結局、ブラジル政府はコンブリンの居留許可を取り消し、神父はブラジルを出て行かなければならなくなりました。
ドム・ヘルダ・カマラの推進した「解放の神学」
解放の神学は1960年代に盛り上がった社会運動です。
この運動は、教会の多くの人々(司祭、神学者、司教)、信徒の宗教運動(信徒会、青年キリスト教大学、青年キリスト教労働者)、大衆的基盤を持つ牧会者(労働者牧会、農民牧会、都市牧会)、地域教会の草の根の組織を巻き込みながら行われました。
解放の為のキリスト教運動と呼ぶ事もできますが、この運動はバチカンから強い反発を受けています。
解放の神学についての著書の多くには、カトリックやプロテスタントの伝統的な教義に完全に反する考え方がいくつか存在し、 その中でも特に重要なものは、以下の通りです。
1.道徳的、社会的な観点から、構造的な悪の一形態であり、不正で間違ったシステムとして資本主義を鋭く非難している。
2. 貧困の原因、資本主義の矛盾、階級闘争の様々な形態を理解する為に、マルクス主義のツールを使用する事が推奨されている。
3.貧しい人々との連帯と彼らの自己解放の為の闘いを優先させること。
4.新しい教会の形として、また資本主義システムが押しつける個人主義的な生き方に代わるものとして、貧しい人々の間でコミュニティ・チャーチの草の根組織を発展させること。
5.奴隷にされた人々の解放の為の闘いの例である出エジプト記などの箇所に注目した聖書の新解釈がなされる。
ブラジルにおける解放の神学運動は、当時のブラジルの軍事政権に対抗する為に草の根組織を作ろうとしていたのではないかと思います。
⇧解放の神学については北京語ですがこちらで非常に詳しく分析されています。
クラウスシュワブとヘルダ・カマラ
ここまで見てきたように、クラウスシュワブは世界経済フォーラムを立ち上げたばかりの時代からカマラ司祭の影響を強く受けていた可能性がある事が垣間見えます。
彼の発言を見ていると、カマラ氏の解放の神学運動に近いものを感じる事が良くありますし、シュワブと連携してる第266代ローマ教皇フランシスコにもそれを感じますね。
改めて1960年代のマルクスレーニン主義の世界的な拡大は凄かったんだなぁと思わせられました💧
世界経済フォーラムに関わっていた「解放の神学(革マル派の神学?)」系の司祭と当時のバチカンは対立していた様ですが、内部もすでにコミンテルンに食い荒らされてましたしね。
ここでお見せしたような材料だけでは、クラウスシュワブが世界経済フォーラムを使って日本を含めた各国政府にESG等のリベラルなイデオロギーを通して新しいマルクス共産主義的な革命を起こさせようとしていると断じる事は出来ませんが、当然警戒すべきであると判断します。
現在も見て分かる様に、世界経済フォーラムは国連と連携し全世界的なトレンドを作る事が可能です。
今なお行われている脱炭素政策への全世界的な同調圧力も、この組織が起点になっている部分が大きく、ダボス会議の世界への影響力は皆さんご存じの通りだと思いますが、その組織のトップの思考の背景をこの様に研究する事は、日本にとっても有意義な事であると考え一部をここで紹介しました。
あまりにも違和感を感じますね。
アバウトで陰謀論的な言説はむしろ害悪であり、実際の過去の資料等の事実から今後も世界経済フォーラムの歴史や動向を今後も探っていきたいと思います。
以下の様な流れが知らない内に出来てしまっていたら怖いですものね。シュワブは現在の中国共産党を世界のロールモデルと呼びましたが、その中国共産党モデルが最近どうなったのか世界は見たばかりです。既に失敗したモデルを西側諸国が今からやる必要はありません。
マルクスレーニン主義の全世界的な浸透
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1909年生まれのヘルダカマラが当時の環境の中で赤い大司教に成長
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ソ連や文化大革命中の毛沢東を擁護し、アメリカを糾弾し経済界、宗教界に影響力を持った
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やがて、ダボスを弟子が牛耳り
バチカンも弟子が牛耳る
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シュワブが世界経済フォーラムとして国連と世界各国に影響力を与え始め、美辞麗句で包んだマルクス共産主義的なアジェンダを推進
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日本政府はダボスにダボスの望む形で気候変動対策やデジタル社会化を達成すると約束
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企業や省庁を巻き込み、何十兆もの予算をつけてそれを日本全土で推進
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日本国民もそれが正しいと思い込んだ